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北海道厳冬期徒歩旅その10 【白い天塩の街】

19日目:晴れのち焼肉

朝7時過ぎ、天塩に向かって出発する。昨晩降り続けていた雪は収まり、割と青空が見える。お日様も時たま顔を覗かせて、背中を温めてくれた。風も昨日に比べたらだいぶ治ってくれた方だ。

前を歩く相方さん。登り坂の向こうには青空が見えた。

とはいえ今日も20キロほど歩く。永遠と続く232号線の直線は、とてつもなく長く感じた。歩き始めて4時間後、ついに天塩町へと入る。

天塩町のカントリーサイン。しじみが特産らしい。牛がかわいい。

海沿いから少し離れているのもあり、風が比較的弱いのも助かった。気温が-4〜-5℃でも、風があるのとないのとで体感温度が全く異なる。しかし、歩道の雪がそれなりに積もっていたのには少々骨が折れた。

相方さんが自分のザックを少しの間背負ってくれた。肩まで隠れてしまう。

そんなわけで今日のホテル「てしお温泉夕映」に到着。ここもなかなかに気持ちのいい温泉で、芯まで温まることができた。

てしお温泉夕映。日本海を望む温泉で、晴れていれば利尻島も露天風呂から見ることができる。      

夜は近くにある焼肉屋「」に入った。ここのカルビやタンが美味いこと。ビールと一緒にご馳走する。

ここまで来たご褒美とも言える焼肉。極上のおいしさだった。
ビールはサッポロ黒ラベル。グラスは何故かアサヒ。栓抜きは何故かキリン。面白い。

美味しい焼肉を食べた後、ゆっくりとお風呂に浸かり休む。明日は天塩で連泊し観光するつもりだ。予報だと雪はそこまで降らないらしい。楽しみだ。

20日目:吹雪の中で天塩観光

7時ごろ起きる。昨日の焼き肉で美味しい匂いのついた服をコインランドリーで洗い、朝ごはんを食べ、10時にホテルを出る。今日は天塩町の中心街をぶらぶら歩く予定だったが、天気予報の曇りは大外れとなり大雪。観光どころではないが、それでも道の駅などに行ってみた。
まず向かったのは、天塩川歴史資料館。「赤レンガ」の名で町民から親しまれているこの建物は、今から約130年も前に建てられた旧役場庁舎だ。入ろうと思ったら、なんと10月末には休館してしまっていた…。絶対に面白かっただろうと思っていただけに、尚更無念に思う。そのすぐ近くにある道の駅に行くことにした。

天塩川歴史資料館。休館中で残念…


道の駅にはたくさんのお土産が並んでいた。特に売れているのはシジミ汁らしい。たしかに、シジミがデカい。ここではご当地のソフトクリームを食べさせてもらった。寒いけども、ソフトクリームには負ける。お昼ご飯は、この隣にあるレストラン「あげいん」でナポリタンを食べたが、これもまた美味しいこと。

レストラン「あげいん」。軒下には何故か、てしおと書かれた駅の看板があった。
鉄板に乗って出てきたナポリタン。とろとろの目玉焼きも相まって美味しい。

その後はスーパーで食材を調達。旅館へと向かうついでに、天塩川まで来てみた。これがまた猛吹雪で、対岸が見えたり見えなかったりしている。川には時折雪の塊がゆっくりと海へ流れていくのが見えた。

天塩川。夏にはこの先に利尻島が見えるはずだけど、今はかろうじて対岸が見えるくらいに視界が悪い。
街は雪の中。


今日お泊まりするのは夕映から徒歩15分の所にある「日の丸旅館」。夕食付きでお願いしていたのだが、これがまた美味しいこと。ジビエのシカ肉のローストビーフ、地元で獲れた刺身やカレイの煮付けなどいただいた。

なんとも豪華な夕食。おいしすぎる〜〜…
味噌汁ならぬかに汁。出汁が効いていて美味しい。

ここ最近はずっと美味しいのばかり食べている。お腹が常に幸福だ。お金、貯めておいて良かった…としみじみ思う。ただ、こんな豪華な宿旅も後もう少しで終わる。稚内を過ぎ、宗谷岬を越えれば宿屋も無くなってしまうからだ。年始からはオホーツク海をそって網走方面へと歩くつもりでいる。どれだけ寒さに耐えれるか…今のこの状況で寒いなんて言ってられない。
明日は少し内陸側へ向かい幌延に着く予定だ。雪も強いらしい。無事に行けると信じたい。


ここまで読んでくださり、ありがとうございます。遂に…遂に追いつきましたよ。ですがまた、連日noteを書けない日々が来るかと思います。そんな日もこうやって数日の日記を詰め込んで投稿すると思うので悪しからず。それじゃ、おやすみなさい🙇‍♂️。

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