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北海道厳冬期徒歩旅その13 【豊富町に癒される 中編】

25日目:悠久の原野

この日ものんびりと7時に起床。朝ご飯を簡単に作り食べる。

停泊中はごろグラにお世話になった。
コップには相方さんの作ってくれたチャイ。

今日の予定はサロベツ原野に行くだけ。それだけの予定だが、徒歩なのでなんだかんだ10キロ以上は歩かされる。けどせっかくの晴れ、出かけないないわけにはいかない!
ひたすらまっすぐに伸びる道を進む事1時間半…サロベツ原野の中にポツンとある、「サロベツ湿原センター」に到着する。

昨晩降り積もった雪の上。除雪されなかった歩道の上には、すでに誰かがお散歩した跡が。
この日は-10度と少し冷え込んだが、太陽が出てからはかなり暑かった。
サロベツ湿原センター。
大きな屋根の建物は資料館で、その向こう側には広大な湿原が広がる。

ここサロベツ湿原センターは、利尻島・礼文島とここサロベツ原野を統合して国立公園に指定されている「利尻礼文サロベツ国立公園」のうちのサロベツ原野の資料館。湿原の成り立ちや、そこで暮らす動植物の紹介、保全の取り組み方などが紹介されている。

想像していたよりもボリュームのあった資料館。見ごたえがあるのでぜひ行ってみてほしい。

センターを通過すると、広大な湿原…ではなく真っ白な雪原が広がる。果てしなく続くこの湿原は、6千年の時を経て形成された動植物の宝庫で、ラムサール条約にも指定されている。
それにしても素晴らしい光景だ。世界に自分しかいないと錯覚してしまいそうになるその雪原の広さ、壮大さは見てすぐに鳥肌を立たせた。こういうのが見たかったんだ…。

サロベツ原野の木道。積雪は既に木道を超えていた。様々な足跡が雪原に模様を描かせる。
果てしなく続く雪原に陽の光がさす。人間が暮らすずっと前から、この光景が繰り返されてきたんだろうか。

そしてまた1時間半ほどかけて歩き、宿へ戻った。夕暮れになると雪がちらほらと降り出した。明日は雪が降るらしい。

26日目:グルメな日

どうやら昨晩から雪が降り続けていたらしく、朝の窓辺から外を覗くと10cmほどの新雪が積もっていた。外ではまた除雪車が忙しなく雪を掻いている。
そんな日には外に出るのもまた億劫で、とはいえ何もしないわけにもいかず、昼頃になると近所の定食屋へと向かった。どうやらそこは大きなカツ丼で有名らしく、カツ丼が大好きである自分にとってそれは行かないわけが無い。そのお店は「丸勝亭」という、いかにもカツを連想させる良い名前だった。メニューを見ると様々な料理が書いてありいかにも定食屋という感じだが、その2倍の額で書かれていたのがまさにカツ丼!胸が躍る。そしてやってきたのは蓋付きの丼に隠しきれない巨大なカツ。しかもなぜか1.5枚分入っている!分厚くもあるが噛み切れるそのカツはボリューミーであるけど脂身が少なく、何よりも美味しい!!幸せ…

カリカリに仕上がったカツ丼。味噌汁も美味しく、五臓六腑に染み渡る旨さ。

そして満腹になったお腹で、街を少し散策。メインストリートが南北に伸びるここ豊富町だが、その1番北側には豊臣八幡神社という神社があるらしいので行ってみた。

豊臣八幡神社。鳥居から奥は除雪されていなくて、地元の方が2〜3人ほど参拝されていたと思わしき足跡がある。
雪がどんどんと降る。モノクロな世界。
社殿は黒色が基調な重厚感のある造り。雪もどっさりと積もっている。

小さくも重厚感のあるその社殿は、ずっと昔から街を高台から見守ってきたのだろうか。雪の中、静かに鎮座していた。
神社を後にすると、雪の降り方が強まる。そのままスーパーに寄って帰ろうかとも思ったが、その途中に気になるお店を見つけたので入ることにした。
神社の正面側に位置する「フェルム」というお店はソフトクリームが有名な喫茶雑貨店らしい。またしてもソフトクリームが大好きな自分にとって、別腹を作り出すことにさほど時間は要らなかった。

街角に佇む雑貨屋さんフェルム。とても可愛いお店だった。
うまい‥クリーミーでうまいぃ

このソフトクリーム、なんでも北海道ソフトクリームグランプリというので初代にして第一位を獲得したんだとか。このうまさには納得する。ソフトクリーム好きな方は必ず寄ってほしいところだ。
その後ますます雪が降ってくるので、足早に宿へと向かいゆっくりと過ごした。


どうも久しぶりです。更新遅れました…
現在、自分は稚内に無事到着!ゲストハウス「モシリパ」にて停泊中です。宗谷岬も目と鼻の先の位置にあるここモシリパは、なかなかに居心地が良く、執筆活動も疎かになってしまうほどにとろけてしまっています。
29日まではここで停泊し、30日からはいよいよ年越しのために宗谷岬へと向かいます!それまでは記事を間に合わせねば〜

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