真冬の北海道歩き旅その19 【年越し宗谷とタフな仲間たち】
37日目:最北に集う強者達と年越し宗谷
宗谷岬の年越しイベントとぜんざい
朝の7時ごろに起床。少し風があるくらいで、雪は降っていなさそうだ。テントの外に出ると、昨日より波が穏やかな海が眼下に見えた。
自分は今、日本最北端の宗谷岬にいる。そこでテントを張り、これからここで年を越す。
宗谷岬では、大晦日から元旦にかけて年越しのイベントが開催されているらしい。零下10〜20度の大地を、全国各地の猛者が南から皆創意工夫を凝らしながら馳せ参じ、新年を迎える。そんなイベントだ。
やって来る人は、バスや車は勿論、バイクや自転車、自分のように歩きで来る人もいる。ナンバーを見ると、仙台や名古屋、大阪、宮崎など、全国各地から来ているみたいだ。その年越しイベントは夕方ごろからの開催なので、それまでは周辺でぶらぶらと散策をする事にした。
宗谷岬公園を歩いてみる
ここ宗谷岬から少し高台に登ると、宗谷岬公園という広場がある。そこには灯台やモニュメントがあるので見てみる事にした。
望楼からしばらく北を見てみる。そこから樺太半島がよく見えるらしいが、今日は生憎向こう側で雪が降っているようで見えなかった。公園の奥に歩いてみる。
この公園には、祈りの塔以外にも様々な記念碑、慰霊碑が数多くある。それら一つ一つは行ってみてみないと知り得なかったもの達だ。是非行ってみて、見てほしい。
公園を散策していると、なんだかんだでもうお昼になっていたのでテントに戻り、お昼を食べた。これから夜は長い。テントで少々休む事にした。
賑わう宗谷
テントの外では、続々とライダー、チャリダーが到着していて、岬がどんどんと賑わっている。
テントでぬくぬくと休んでいたら、あっという間に夕方だ。またお腹が空いてきたので、年越しそばを作る事に。お蕎麦の袋麺が売っていたので、それと小さなかき揚げを乗せて完成だ。これもまた美味しい…七味をかけて召し上がる。
お外では、炊き出しが始まったようだ。毎年このイベントには有志の方々が炊き出しをご馳走してくれるらしく、その恩恵は外で過ごす我々にとってとてもありがたいものだった。ありがたくいただく事にした。
「おしるこぉ!」と野太い声が響く中、自分はあえてコーンスープを選んでみた。するとそれが今年初のコーンスープだったらしく、「コーンスープウウウ!!!」「イエ〜〜〜イ!!」と何故か歓声が上がった。これが宗谷年越し。カオスで楽しいなぁ。
そんな中、ある人らと出逢う事になった。
素敵な出逢い
その人らとは、いわゆる「人力勢」の方々だ。モシリパでお会いしたチャリダーのHさんや、Xで知り合った徒歩勢で、天塩からオロロン街道を無補給で3日間北上してきたCさん(仮称)やバスで来た海外の方たちなど、とにかくタフで国際色豊かなメンツだった。
これがまた面白くて、ここに来るまでの過程や、宗谷岬への熱い想いなどを各々夜が更けるまで語り合った。最高の時間だ。他の人たちの冒険譚を聴くだけで、またそこに行きたくなってしまう。世界は広いんだなと深く感じた。
また、歩いてきたからこそこのメンバーに出逢えたと思う。それがが素直に嬉しくて、嬉しくて。忘れられない思い出が出来た。
そんなこんなで外で話し合っていると、いつのまにかもう日を跨ぎそうになっていた。宗谷岬の先端で年越しのカウントダウンをするらしく行ってみる事に。
宗谷岬でカウントダウン!
みんなが岬に集まる。車やバスやバイク、自転車、歩き、いろいろな手段で来た猛者たちが、いろんな思いを寄せて、ここに集まって来た。
そして、5・4・3・2・1………
「「明けましておめでとうございま〜〜す!」」
ついに、念願の年越し宗谷を達成したー!仲間たちと交わす祝杯は、寒いけれども心では温かく感じた。コップにはココアにほんのりとウイスキーを入れていて、それがとても美味しく感じた。そして皆、翌朝のイベントに備えてテントへ帰った…。
元旦の朝、とんでもないイベントがここで行われる。この時はまだ想像もし得なかったが、本当にしんどい思い出だ。それはまた次のnoteで…。