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真冬の北海道歩き旅29 【サロマの愉快な人たち】
前日までのあらすじはこちら
サロマ湖の宿、さろまにあんに到着!↓
59日目:サロマ湖さんぽ
朝7時に目が覚めた。外は薄明な空で、外気は-13度。一方寝室は18度と楽園だ。「さろまにあん」さんにて朝食をいただく。
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美味しいご飯をいただいたら、早速リビングでごろり。床暖カーペット掘り炬燵は最強すぎるのよ。漫画を見たりnoteを進めたりして12時過ぎまでゆっくりと過ごした。
お腹が空いて出かけ始めたのはお昼すぎの事。オーナーさんが飼っている猫ちゃんと少し戯れる。
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近所のご飯屋さんでお昼を済ませ、一旦宿に戻った。どうやら、宿の裏側にはサロマ湖につながる道があるらしく、この湖畔はしっかりと凍っているから歩けるらしい!行ってみようじゃないかー!
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そうして林を抜けると、真っ白な水平線…もとい氷平線が眼前に現れた。湖の先には10数mほどの陸地があり、その先は海が広がる。対岸までも20キロほどはあるので、ほぼ平坦にしか見えないから水平線には何も無い様に錯覚を起こす。北極の氷上もこんな景色が広がるのだろうか…。
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湖上を散歩したら、ここから5キロほど離れた場所にあるホテル「鶴雅リゾート」の温泉へ向かった。
ホテルの手前から見た、山に沈む夕陽はとても美しく、空をあらゆる色に染め上げていた。
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温泉からの帰りには、さろまにあんさんのご主人さんが迎えにきてくれた。
その後、夕食を済ませるとオーナーさん夫婦と一緒に4人でお酒を交わしながらお話をした。この宿の変遷や、この辺の夏の様子、100キロマラソンの聖地がここサロマ湖だという事、色んな事を教えてくれた。
実は昨日も一緒に晩酌をしていたのだけど、話すことはまだまだいっぱいある。どれだけ話しても愉快で飽きない。心地の良い宿だ。
22時ごろになるとお開きになり、寝る前にとトイレに向かった。その中で見たこの切り絵が、まさに自分らにピッタリなことが書いてあった。この言葉を思い返しながら、お布団へ潜った。
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「つかれた時はちょっと休んで
また歩きだそう」
60日目:山越え
朝5時半に起床。お部屋にはストーブはないものの、ホットカーペットのおかげでほのかに温かい。朝食を済ませ、7時ごろに出発。
出発の際に、猫ちゃんがお見送りしてくれた。カワイ。
そして、オーナーさんご夫婦もお外に出てお見送りしてくれた!「また来てね」、その言葉だけで、また北海道へ戻る理由が生まれる。
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今日も雲のないすっきりとした天気だ。
川辺では何やら鳥たちが無数に集まり騒がしい。よく見てみると、「オオワシ」と「オジロワシ」と「カラス」の3種が三つ巴状態で餌を取り合っていた。これには驚いた…自然の営みが、こんな町で見ることができるのは北海道くらいだろうなぁ。
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お昼には少し早い11時。道沿いで開店間近だった「ごはん処たべものや」が気になり店の前で待つことにした。
すると、ワイルドでかっこいい店主が店から出てきて、こちらを見た。すると、落語家がそばをすするようなジェスチャーをしてきた。もしや…?と思い「日本人ですよ?」
と言ってみた。めちゃ驚かれて、笑われた。やっぱり髭が伸びると外人に見えてしまうようだ。まあこれはこれで面白いし、いっか!
すると、店主が「もうちょいでオープンするから中で待ってなよ!」と店内へ通してくれた。店内は暖房が効いていて暖かく、その奥さんも温かいお茶を出してくれた。このおかあさんも元気な人で、この後に来た常連らしきお客さんが来た時に「来てくれて、うっれしーーー!⤴︎」とノリノリで喜んでいた。なんだかこっちも元気になってくる。
ちなみにここのご飯、世辞抜きで美味しかった。特に相方の頼んだ「ホタテ丼」は格別。肉厚でジューシー、そしていっぱい。満点です。ご馳走さん!
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そしてまだ10キロほどある工程を進む。道中、ショートカットのために山越えをした。急坂を30〜40分ほど登ると、牧場が広がっていてオホーツク海と斜里岳、知床半島がよく見えた。日当たりも良くて暖かい、最高の景色だ。
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山越えると、その先には能取湖がある。その湖畔沿いを進み、今日の宿泊場であるバス停に着いた。周囲には民家が2〜3件あるくらいで、他には何もない静かな場所だ。
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明日はいよいよ網走だ。宿もとってあるし、観光したい場所もたくさんある。楽しみだ〜〜〜!