北海道厳冬期徒歩旅その11 【北の果ての町たち】
21日目
この日の朝は食パンでサンドを作り食べ、出発したのは7時半。お世話になった日の丸旅館の大女将さんにご挨拶すると、「また夏にでもきたら、コーヒーでも飲みにきてね」と言ってくれた。また来たいところが増えてしまった。
天塩の街を抜けると、それは森。ダンプカーなどのトラックもほぼ行き交っていなかったので歩きやすかったが、しばらくして雪が強まる。次第に風も強まり、風と寒さで頬が痛くなった。視界は150m程で、車が急に見えてくるものだからなかなかに怖い。こちらも赤色灯のランプを点滅させて警戒する。側道はみるみるうちに雪で埋もれだし、歩ける幅も狭くなった。すると、正面から除雪車がやってきた。側道まできっちり雪を掻いてくれるので非常に助かる。
新雪はふわふわで軽いので、そこまで足を疲れさせるわけでもないようだ。視界が悪すぎる時、知らないうちに雪の中を歩いていたくらいには雪が軽い。そうして幌延町という小さな町に着いた。
今日泊まるのは「北斗荘」というホテル。そこから歩いて3〜4分ほどのところに飲屋があるので行ってみることにした。入ってみると、そこのご飯もまたおいしくて…。
満腹になりお店を出ると、外はまた吹雪いていた。ママさんに見送りされながらホテルへ戻り、寝ることに。
22日目:
翌朝、外に出てみると透き通った青空が見えた。こんな青空は初日の千歳で見た夕暮れ以来でテンションが上がる。
気温は-7度と、今までより少し冷え込んでいた。やはり晴れている方が気温が下がる。カチカチの道路を進む。するとやはり雪が降り出し、風も強まり、8〜10分ほどで完全に吹雪となった。ゴーグルをつけないと前が見れない。
今日はいつもより少なめな17キロを歩いた。途中、牧場をいくつか通過した。たまに顔を出す太陽に、牛たちも牛舎から出て日向ぼっこをしていた。
そして豊富町に入る。ここのカントリーサインの牛も可愛かった。しばらく牧場の間を進むと、街の中に入る。
途中、下校中の小学生たちと遭遇。「コンチャー」と挨拶してくれたのでこちらも返す。すると通り過ぎてから「お城背負ってるーーー!」と興奮げな声が聞こえた。確かにテントも背負ってるから、ある意味堅牢な城を背負っているのかもしれない。とはいえこの例えは斬新だなぁなんて考えてた。ここ豊富町では、何泊か滞在しようと思っている。豊富町は温泉で有名な観光地、入らないわけがない。ここまでぶっ通しで300キロも歩いたし、多少の休息も必要だろう。今日お泊まりするのは「トーヨーホテル」、セコマが目の前にあるので安心だ。
明日はいよいよ、待ちに待った豊富温泉に入りに行く。石油の匂いがするらしく、アトピーに効く湯治で有名な温泉なんだとか。気になる〜〜〜…。
稚内まで残り40キロ。年越し宗谷、絶対に完遂してみせる。