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真冬の北海道歩き旅その18 【12月30日の強行軍】

36日目:12月30日の強行軍

朝の3時半に起床。朝ごはんや支度を済ませて4時半にはゲストハウスモシリパを発った。昨晩にはそこそこ雪が降ったらしく、外では大小様々な除雪車が忙しなく仕事をこなしている。そんな除雪車を横目に、まだ暗い稚内の市街地を進んだ。

いつもお大変世話になっている除雪の方々。
早くからお疲れ様です。

今日の工程は距離32キロを1日でたどり着くというもの。普通のアスファルト路だったら8時間のところを、休憩も含めて10時間かけて歩く予定だ。
40号線から宗谷へ向かう238号線へ入ると建物が減り、自然との距離が近づくのを感じる。左手に見える宗谷湾は、強い北西の風に吹かれて白波が出来ていた。しばらく歩くと、東の山の向こうから朝日が見えた。日の出を見るのは、新千歳空港から出発して以来。1ヶ月ぶりの日の出に感情が昂る。

1ヶ月ぶりの日の出。
純粋に、嬉しい。
終わりの見えないまっすぐな道。
海からの風が冷たい。

それにしても、風が強い。なんだこの風は。そうや湾からの刺すように冷たく強い風は、少しずつ左半身を凍てつかせる。左頬の感覚もなくなり、鼻水が止まらない。時折、地吹雪と吹雪でホワイトアウトになる。まっすぐな道を軽快に飛ばす車両に気をつけながら、少しずつ進む。
すると、正面から来た車がこちらに幅を寄せて手前に停車をした。よく見ると、モシリパでお会いした稚内プレスという地方紙の記者さんだった!
実はこの方、モシリパさんとのご縁で自分たちを取材していた。ちなみにその取材は、12月29日の稚内プレスにて掲載してくださった。
その新聞記者さんが、まさかの当日に僕らを見つけてくれて、さらにはキットカットの大袋を差し入れとしてプレゼントしてくれた。素直に嬉しい。キットカットも貴重な行動食になる。激励をされながら、先に進む。
さらには、後ろから自分たちの左隣で泊まる車が1台。中を覗くと、これまたなんとモシリパのオーナーご夫婦が!ドライブがてら応援してくれた。心温まる…。
それからというもの、吹雪になったり止んだりをなん度も繰り返した。ふと左手の海を見ると、波が遠くで止まり、手前は波のない静かな浅瀬となっていた。遠浅なんだろうか、波が穏やかに感じる。

黙々と歩く自分。
岬の近く。
遠浅なのか、奥と手前とで波が違う。不思議な感覚だ。

そうして歩行開始から11時間後…
日本最北端宗谷岬、到着!

宗谷岬に到着!!!
夢にまでみた瞬間。

駐車場にはすでにたくさんの車が停まっていた。バイクもちらほらと停まっていて、自転車も既に1台いた。早速テントを張る。自分らは6張り目だった。

テントを張り終わると、外は既に真っ暗。宗谷岬の観光、散策は明日かな。売店も開いているのか気になる。早速夕食に取り掛かる。

今日の夕食はゴロゴロカレーと炊き立てご飯に炒めたソーセージ。コップには甘酒。これがまた美味しくて美味しくて、芯に染み入る温かさだ。

ゴロゴロのカレー!!!最北飯うまー!!
甘酒も甘うまー!!!!

相方さんも30キロ歩行でだいぶ疲れていたが、ご飯を食べて元気を取り戻す。
明日は12月31日。どんな猛者達が来るのか、待ち遠しいなぁ。

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