フリマサイトでユニフォームを買おうとしてる貴方に聞いてもらいたい話(中編)〜正規品とコピー品の見極め方〜
前回はフリマアプリで偽物のユニフォームを摑まされていた時の経緯をお話ししてきました。
前回の記事がこちら
中編では私がフリマアプリでユニフォームを探すときにチェックしている点を紹介します。
本物は正規品、偽物はコピー品と表記します。なお私が所持しているユニフォームは全てレプリカユニフォームのためレプリカユニフォーム基準で記述してますのでご了承ください。
それではどうぞ
①ブランド設定をしていない
サイト内で衣服やバックを出品したことがある方なら分かると思うのですが、出品するにあたって商品の情報を記入する欄が出てきます。ブランド名を書く欄もあるのですがブランド名を書くことによって検索にヒットしやすくなります。あえて書かないというのは不自然です。ブランド設定をしていない場合は気にかけましょう。ユニフォームを専門で扱っているアカウントに多く見受けられます。ですので気になったユニフォームを見つけた際はまず最初に商品の情報を読んでみてください。
② 有耶無耶構文の有無
有耶無耶構文?なんだそれ?と思いますよね。
有耶無耶構文とはコピー品を出品している人たちの商品紹介文に頻繁に使われているフレーズを通称「有耶無耶構文」と勝手に名付けました。
色々な言い回しがありますが特に多いと思ったフレーズを5つ紹介します。
一見するとどうってことない紹介文ですが矛盾が生じてます。
まずは海外インポート品から観ていきます。「import」=輸入で海外から輸入した商品。
オフィシャルショップはチームのオンラインストアだけではなくKAMOやゼビオなども公式のスポーツ用品店なので該当します。
つまり海外から輸入した非公式な商品ですから、本物じゃないと公言していることになります。
完璧な品物=正規品に拘る人はご遠慮くださいと書いてあることになるので、もし届いてから偽物だったから返品してくれと言っても商品説明分にキチンと書いてあります。と言われてしまう可能性もあります。
海外インポート品の類語には海外製品、海外購入品、海外製、海外製レプリカ、など使われています。昨今のユニフォームは海外(多くは東南アジアやジョージア)で生産されているためわざわざ海外を強調させるのには違和感を感じてしまいます。
似たような言い回しに
というフレーズもよく目にします。
続いて
近年の大手メーカーは製造ラインが海外でも国内でも同じ国で生産されています。その理由は明白でコスパの問題です。各メーカーは様々なクラブのユニフォームの生産を担当しているため同じ商品を2箇所の国で作るのは効率的ではないです。ですので国内販売分と海外販売分で品質が著しく変化することはあり得ません。
ユニフォームの種類は大きく分けて
サポーター仕様のレプリカユニフォーム
選手仕様に限りなく近いオーセンティックユニフォームの2種類が市販されています。
(実際に試合で着用されているのは選手支給品と呼ばれますが市場に出てくることはほぼないです。)
非常にややこしいところですがフリマアプリで使われるレプリカという単語はサポーター仕様のレプリカではなく、辞書通りの複製・模造品の可能性があるので注意しましょう。例として「こちらの商品は正規品ですか?」の問いに対して「レプリカです!」と答えていたら後者の意味と捉えられます。
こんなフレーズもよく見かけます。
いやいやあんたが買ったんやろとツッコミたくなります。次からは商品を見て正規品か判断していきます。
③紙タグに記載されている品番を確認する
新品未使用の商品には袖口か首元に紙タグが付いています。そこには品番・バーコード・値段・企業名が記載されており品番によって真贋を見極めることができます。品番とは商品を管理する際に、他と商品のサイズ・色などを区別するために、商品につける番号を指します。
(アルファベット)+数字 メーカー名で画像検索するとその商品の画像が出てきます。
例えば1番上のケースだと「GE5475 adidas」とGoogleで画像検索するとアルゼンチン代表 2021 ホーム 半袖レプリカユニフォームがズラッと出てきます。
つまりこの番号を検索してユニフォームが違えばコピー品です。万が一正規品が番号違うまま出荷されれば大問題ですので。
フリマアプリでこの観点からユニフォームを探すと各メーカーによって代表的な3大偽物品番があることを確認しました。
adidas P95985
実際は10-11シーズンのレアルマドリードのアウェイ
NIKE CD0699-100
実際は2020年フランス代表のアウェイ
PUMA 744288 01
実際は2014年イタリア代表のホーム
その他にもNIKEはCD4230-496、819092-014、518730-703などPUMAは759122 01の品番がありました。それぞれ検索してスクロールすると色んなユニフォームにそのタグが付いてることがわかるかと思います。
このタグを見つけたら某探偵のように「あれれ〜おかしいぞ〜」と思ってください。
④紙タグと紐をチェックする
次は紙タグ本体と紙タグを結んでいる紐に注目します。
adidasの場合
adidasは首元に縦長のタグがついています。クラブチームによってはadidasロゴの下にエンブレムが代表チームもエンブレムが書かれています。
その下に「AEROREADY」と書かれた白いタグが別であります。これはどういう意味なのだろうと調べたところ
エアロレディというシリーズの商品だよ。ということですね。UNIQLOでいうところのエアリズムの様な物なのでしょうか。2019年までに発売されたユニフォームにはCLIMA COOLと書かれています。
因みにオーセンティックユニフォームはHEAT.RDY(ヒート.レディ)というシリーズになります。
21-22シーズンから紙タグは銀色になったようです。
紐は色々なユニフォームを見てきましたがアディダスジャパンで発売されている商品(国内正規品)のレプリカユニフォームにはコットンタグを使用しています。よく見かけるプラスチックの紐(タグファスナーやループロックと呼ばれます)と比べて太いのが特徴的なのでタグが写っている紐の部分を拡大すると一目瞭然です。
海外正規品はプラスチックの紐でコピー品と区別付きにくいので品番を確認しましょう。
NIKEの場合
NIKEの紙タグは袖についています。ごく稀に首元についてる正規品もありますが購入先の記述がない場合はコピー品の可能性が高いです。
見極めるポイントの1つはタグファスナーです。
コピー品は透明な物が使われていることが多いのですが、正規品は黒いタグファスナーが使用されています。私が持っている物で1番古い16-17シーズンのユニフォームにも黒いタグファスナーが使われていました。21-22シーズンも引き続き使用されています。
20-21シーズンのレプリカユニフォームの紙タグは
・BREATHEと書かれたタグ
見開きになっていて中には商品説明反対には品番などが記載されている
・チームエンブレムのタグ
・STANDARD FITと書かれた長細いタグ
・MOVE TO ZEROと書かれたタグ
(チームによってあったりなかったったりバルサ、トッテナム、インテル、ナイジェリアには付いてました。)
MOVE TO ZEROとはなんぞやという方は下のリンクをご参照ください。
なお21-22シーズンから主要クラブは茶色のタグに変更されました。フリマアプリ上では偶に21-22シーズンのユニフォームなのに黒いタグが付いてるコピー品も出品されています。
これから発表されるカタールW杯モデルは茶色いタグになると思われます。
NIKEの紙タグの本物と偽物比べると細かな違いがあって面白いのですが今シーズンで変わってしまったので別の記事で紹介しようと思います。
PUMAの場合
20-21シーズンのユニフォームには
・チームエンブレムのタグ(裏に銀色のキラシールあり)
・品番が記載されているタグ
・REGULAR FITと書かれたタグ
が付いていました。
adidas、NIKEと比べてPUMAはコピー品のタグと見分けがつきづらいです。
⑤洗濯タグを確認する
ここからは2つはユニフォームの内側を見ていきます。
adidasの場合
adidasは肩に品番がプリントされた布のタグが付いておりそこに紙タグが括り付けられています。
まずコピー品の特徴は縫い付けが粗いです。正規品は縫目が目立ちません。下のタグは真ん中と比べると字のフォントが細くなってることが見て取れます。18-19シーズンの別のユニフォームでは下のフォントでした。
コピー品は昔のまま使われているのがわかります。
裏側にはバーコードが付いています。
続いて腰についてる洗濯タグです。
布質はそっくりで書いてある内容も殆ど同じです。
18-19シーズンのユニフォームには1番右の現行モデルと同じ若干長細いタグが使われていました。
NIKEの場合
NIKEは国内正規品と海外正規品で洗濯タグの表記が異なります。
まずは国内正規品
左から2番目のコピー品は明らかに3番目の物を模写していると分かります。タイ製と書かれている下にはサイズの詳細が記されているのですがコピー品はその部分が空白になっています。このタグを全ての服に使い回しているのだと思います。
あとコピー品のユニフォームは必ずと言っていいほど謎のペンの線が入ってるんですよね。在庫の整理でチェック付けてるのでしょうか。
続いて海外正規品
こちらもサイズ表記の部分が省かれています。見事までのコピー&ペーストです。
洗濯タグをめくると紙タグに書かれている品番・サイズNIKEロゴが書かれた正方形のタグが出てきます。これは必ず確認することをお勧めします。写真が掲載されていない場合は洗濯タグの下のNIKEロゴと数字が載っている物を追加してください。と頼みましょう。
バルセロナのユニフォームには更にその下に「www.fc barcelona.cat」と書かれた長細いタグも付いています。
撮影の為にセロハンテープでタグを固定し、終わった後剥がしたところがっつりインクが持っていかれてタグが剥げてしまいました…良い子はマネしないでね(そんなことしない)
PUMAの場合
どうでしょう瓜二つですよね?
写真では印刷の剥がれがあるとはいえ新品だと全く見分けがつきません。コピー品もバーコード読み込むとPUMAの公式サイトに飛びます。
正規品は耐水フィルムのようなツルツルした素材です。
www.puma.comの下のSTYLE NO. と書かれた所の数字が品番になっています。
⑥首元原産国
ここは割とイージーに確認できると思います。スポーツメーカーのホームページなどで一部のユニフォームの原産国が確認するとわかります。コピー品は9割の確率でMADE IN THAILANDです。ただタイ製だから全て偽物というわけではなく、実際にタイは工場賃金が安い為NIKE、adidas、PUMAとも製造されています。国内販売分と海外発売分で製造元が違うということは殆どありません。
adidasの場合
コピー品の表記が消えてしまったので画質を変えましたが全く分かりませんね。隣の2018W杯モデルと表記が同じです。現行モデルはサイズ表記が変更されました。
コピー品は表記が消えて正規品は消えないのか。
これは推測ですが顔料プリントと染料プリントの差だと思われます。顔料プリントは繊維の上にインクが乗っかるのに対し、染料プリントは繊維をインクで染めています。その為洗濯しても色が落ちることなく表記が見えやすいです。逆に顔料プリントは繊維の上にインクが乗っかってるだけなので洗濯を繰り返したら剥がれてしまいます。顔料プリントの方が安上がりなんです。プリントTシャツは全て顔料プリントですね。
この推測が正しければadidasの企業努力が見て取れます。今度問い合わせしてみましょうかね。
NIKEの場合コピー品
コピー品は正規品に比べて線が太いですね。
写真だと見えないのですが正規品には透明なシート上に文字がプリントされてます。
21-22シーズンのユニフォームはフォーマットが変更されました。
PUMAの場合
adidas同様に顔料プリントと染料プリントの違いなのかコピー品は剥がれています。
21-22シーズンのユニフォームは20-21シーズンと同じフォーマットです。
⑦袋の見分け方
出品者の中には袋を載せている人も要チェック
NIKEとPUMAの袋
コピー品はジップロックにロゴが印刷されている物に入ってます。PUMAの袋は本当かどうか分かりませんがMADE IN Turkeyと書かれています。
左は正規品のビニール袋です。
注意書きはほぼ一緒です。コピペですね。
⑧見たことないモデルが売ってる
こんなモデル見たことない激レアや!という商品を売ってる人も注意です。一時期アルゼンチン代表のコンセプトキットが出回っていました。これはadidasがリリースした物ではなくイギリスのデザイナーが創作した作品です。何故か商品化されています。
このような商品を売っている人の他の商品も同じところから取り寄せている可能性があるのでチェックしましょう。
番外編 PSG×jordanについて
18-19シーズンからパリサンジェルマンはジョーダンブランドとコラボをコラボを果たし世間に大きなインパクトと放ってきました。今シーズンはホームユニフォームでの起用そしてなんといってもリオネルメッシ選手の加入によりPSGサポーターのみならずサッカーファンなら欲しいと思っている方も多いはず(私もその1人)フリマアプリではコピー品が多く出品されていますが
ジャンプマンロゴが全く違います。
拡大すると一目瞭然ですね。後は④⑥⑦⑧を御参考ください。レプリカモデルは違いが目立つためかオーセンティックモデルが販売されてるケースもあります。
いかがでしたでしょうか?このポイントを抑えてチェックすれば殆どのユニフォームの真偽はわかるかと思います。
後編でまとめに入ろうと思います。今回の中編の内容が伝えたいポイントだったのでもしお時間あればどうぞ