かんがえこと-27 8.3

7.8(月)

午後になって頭痛。パンが食べられるパン屋、に入って休憩。こめかみを強力に押して止める。治る。「植草甚一コラージュ日記」をめくってみる。語られるその時代の映画や作家のことは知らないものばかりだけれども日記としてやはり面白い。手書きのまま作品のように載っているのも、良い。とにかく本ばかり買っていた様子。またカフェアースの本棚に入れることにする。夜は首都高のドライブ動画を観て、寝る。


7.9(火)

10年以上勤めていればいろんなことがあって、でも良くも悪くも日常化してしまったことはあまり思い出せなくて、でもそんななんでもないことほど突然よみがえる瞬間があって。

ふと朝食の準備をしていたら急によみがえった、レジ前の10円ガム事件。棚の整理をしていたバイトの人が10円ガムの在庫を見つけ、出してきてみると賞味期限が2年以上経過していた。こういうおかしはあまり気にしなくてもね、いやでもさすがに2年は・・・と話しその日はそのまま、週明け出社すると、ボスの判断により迷いなく補充されていた。

それが夕方になり突然、ボスがガムのディスペンサーを持ち出し、裏口へ出たかと思うと扉をガン!ディスペンサーを投げつけたのかガン!ガン!これまでにない勢い。どうも私が、理解できない、自分の子供にはたべさせられるの?とスタッフのYちゃんに話しているのを、しれっと聞いていた嫁が、ちくったらしい。もう辞める1週間くらい前だったから私は無感情、笑うしかなかった。しかし、ちくる、など久しぶりに使用した。

帰り、気になっていた「文藝」がどうも大変なことになっていると知り、急いで池袋の三省堂へ買いに行く。買えた。「文学界」「新潮」も読みたい。それにしても文芸誌コーナーを見て、こんなに出ているのかと改めておどろく。「季刊 邪馬台国」が気になる。季刊。


7.13(土)

池袋のドトールで朝食。午前はほんやのほ、へ行く。ぎゅっとテーブルをかこんで、回文をつくろうの会。いつもとちがう発想力が試されるかんじ、なんだか気持ち良い。作品を冊子にまとめるとのことで、はじめての稚拙な作品、プロ並みの方々の作品とならんでとてもはずかしいけれども、やはりうれしい。

江戸橋JCTを見にいって、TABFへ向かう。激込み。流されるままに流されて、なんとかこせんさんのブースにたどり着く。そこまで親しくさせていただいてるわけではないけれども、こういうところに知った方がいるというのは安心感というか、うれしくて会いにいってるようなところもあって。構想をうかがっていた、ダンボールのZINEを買う。

もうひとつの目的、植本さんのZINEも買う。サインもいただいて、先日の読書会のことを話す。とても自然体で、話し方もおだやかな方。その後も他のフロアも周り、安達茉莉子さんの作品や手書きの日記など買う。


7月14日(日)

あまり自覚はなくても、たくさん人に会ったあとはやはりなんだか疲れている。片付かないとわかっていて、本を片付けはじめる。昨日買ったZINEを読んで、昼寝。買い物へ出るのもめんどくさく、災害用保存食に買ってあったごはんなど漁っていると、賞味期限がちょうど切れていたので、しょうがないな、と罪悪感なく食べることにする。


7月22日(月)

無意識に、上手いか下手かのジャッジしかしていない自分の視点に、愕然とする。楽器は、「上手く」なりたかった。今の自分より上手くなりたいとおもっていたはずだけれど、いつのまにかそれは、今の自分より上手い人より上手くなりたい、になっていた。その中にいるとき自分は楽しいけれど、上を見つけると下も見つけてしまうのだ。その目線を外に向けてはいけないのだった。比較されたくないのは、自分こそが比較ばかりしているからで。

8月5日(月)

求人の紹介が届く。その会社についてひたすら検索。
もうすこし吟味したいところだけれど、未経験ではそう良い案件はなく、とにかく応募してみる、というところ。心が追いついていない。
うまくいったら、あれをしよう、失敗したら…というのは、いつもすごく狭い範囲でゴールをきめている。かといって失敗しに行く理由はないので、気がすむまで、準備はしておく。
ご飯を炊いているのを忘れていて、土釜おこげを焦がす。
母から新しい車の画像が送られてくる。車はわりと乗れればそれで良いようなところがあって、適当に返信しつつ、隣に写る父親の様子に、痩せたなぁ、と思いながら、そちらばかりを拡大したり、していた。

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