ストレート
彼は直球の人だった。分かり易い。嫌味とか言えないみたい。
意地悪も出来ない。
嫉妬はする。直球でしてくる。すねる。
すごく分かり易く、言って欲しい事をいっぱい言ってもらった。
でも、その時、彼は仕事が暇で、少々精神的に不安定だった。
自信があるのか無いのか分からない。
自慢話がずっと続く。嬉しい事を言ってくれるけど「俺は凄い」って話は
全然面白くなかった。
でも、生まれも育ちも年齢も、かなり違ったから、興味はあった。
「へぇ」「そぅなんだ」ってずっと聞いてた。
私の知らない世界を色々と知っていた。
でも、好きだったワケじゃない。
どこか見下していた。
でも、直球で言ってくれるセリフは、とても刺激的だった。
忙しいけど、子供を親に預けてまで来る意味はあったかと。
だけど、サッサと退散しないと。私には常に時間制限があった。
適当なところで帰った。
彼は「次は?」って聞いてくれたけど、決めるのは面倒だった。
「次?次なんて全然分からない」