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今日は何の日?1月4日に日本で公開された映画をまとめてみた

1月4日は石の日、御用始め・仕事始めの日です。ところで、これまで1月4日に公開されてきた映画には、どのような作品があるのでしょうか?ここでは年代別に同じ日付で公開された映画をまとめてみました。

誕生日や大切な記念日を調べてみると、「あの有名な作品」や「お気に入りの映画」が同じ公開日だったなんてことがあるかもしれません。その時代に思いを馳せながら、こういう形で映画に触れるのも、作品を知るきっかけの一つだと思います。

テーマ上、未見の映画もありますが、取り上げる場合はリサーチしているので、気軽に読んでもらえたら嬉しいです。

※参考サイト
・公開年から映画作品を探す|MOVIE WALKER PRESS 映画
・劇場公開スケジュール - allcinema
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■2020年~2025年公開の映画


2020年~2025年の1月4日に公開された映画は3本ありました。

【2020年】

  • この世はありきたり(2018年製作 / 日本)

【2023年】

  • ボクらの映画(2022年製作 / 日本)

【2025年】

  • いもうとの時間(2024年製作 / 日本)


2020年の『この世はありきたり』は、2007年に上演された岡田あがさ作・演出による1人芝居『ワタシガタリ』を原案に、岡田本人主演で映画化された作品。独特の世界観で主人公ユキの鬼気迫る姿を描くのは、2013年の『死神ターニャ』で長編デビューした塩出太志監督です。

「自分は特別な存在なのか」について、ユキがひたすら自問自答を重ねていく様子は、正常と狂気の境界線にいるような危うさを感じると同時に、誰しも表向きは社会と折り合いを付けていても、内面は皆どこかズレているのではないかという思いが湧いてきます。

「それこそが人という存在であり、個性ではないのか」「そもそも人とは何なのか」と考えるほど、どんどん深みにはまっていきそうな作品です。


■2010年~2019年公開の映画


2010年代の1月4日に公開された映画は22本ありました。

【2012年】

  • Coming Out Story(2011年製作 / 日本)

【2014年】

  • キートンの隣同士(1920年製作 / アメリカ)

  • キートンの化物屋敷(1921年製作 / アメリカ)

  • キートンのハード・ラック(1921年製作 / アメリカ)

  • ネイビーシールズ:チーム6(2012年製作 / アメリカ)

  • ヒットマン 明日への銃声(2013年製作 / 日本)

  • マイヤーリング(1957年製作 / アメリカ)

【2019年】

  • ANON アノン(2018年製作 / ドイツ)

  • カラヤン・シネマ・クラシックス シーズン2018~2019「新年」(1983・1986年収録 / ドイツ)

  • 劇場版総集編 メイドインアビス 前編 旅立ちの夜明け(2019年製作 / 日本)

  • ザ・ナンバー(2017年製作 / 南アフリカ)

  • シークレット・ヴォイス(2018年製作 / スペイン)

  • ダーク・スクール(2018年製作 / スペイン、アメリカ)

  • 日本列島 列車大行進 2019(2018年製作 / 日本)

  • ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー~(2018年製作 / イギリス)

  • マフィオサ(2016年製作 / アメリカ)

  • Lionheart / ライオンハート(2018年製作 / ナイジェリア)

  • ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow(2019年製作 / 日本)

  • 列車大行進 大手私鉄コレクション 関西編(2018年製作 / 日本)

  • 列車大行進 大手私鉄コレクション 関東編(2017年製作 / 日本)

  • れっしゃだいこうしん 2019キッズバージョン(2018年製作 / 日本)

  • ワイルド・ストーム(2018年製作 / アメリカ)


2019年の『ダーク・スクール』は、名門寄宿学校で不良少女たちに襲いかかる恐ろしい出来事とその真相を描いたサスペンス・ホラーです。

主演は『チャーリーとチョコレート工場』で勝ち気な少女バイオレットを演じたアナソフィア・ロブ。さらに、『エスター』のイザベル・ファーマンや『キル・ビル』『パルプ・フィクション』のユマ・サーマンなど、次世代とベテランの掛け合いが楽しみなキャスティングです。

ただ、閉鎖的な学園内の雰囲気はあるものの、展開の意外性はそれほどでもなく、真相の印象がやや薄く感じました。また、イザベル・ファーマンの役どころが目立たないため、注意して見ていないと本人だと気が付かないのが少し残念です。

このような学園ホラーを見ると、ダリオ・アルジェント監督の『サスペリア』を思い出します。『サスペリア』は、猟奇的な描写の衝撃もありますが、映像美や音響効果が魅力的なので、終始画面から目が離せません。多少ストーリー展開が強引でも、それ以上に引き込む力がありました。


一方、2019年公開の『ワイルド・ストーム』は、『ワイルド・スピード』『トリプルX』のロブ・コーエン監督が手掛けた作品です。それで、邦題タイトルは『ワイルド・スピード』に寄せた感じのネーミングなんですかね。もちろん関連性はありませんし、ヴィン・ディーゼルは出ていません。

舞台は史上最大規模のハリケーンが襲来したアメリカ西海岸沿いのとある街。住民たちが逃げ惑う大混乱の中、武装強盗集団が財務省の紙幣処理施設を襲撃します。しかし、街に取り残された気象学者と元軍人のラトリッジ兄弟、財務省のセキュリティ担当ケーシーの3人が強盗団と激しい攻防戦を繰り広げます。果たしてハリケーンの脅威から逃れつつ、強奪を阻止できるのでしょうか。

今作はディザスター・パニックにクライム・アクションを掛け合わせた欲張りな内容です。斬新さはそれほどでもありませんが、ハリケーンが吹き荒れる中での強盗団との攻防戦はなかなか見応えがありました。ハラハラドキドキなエンターテイメント作品という印象です。


■2000年~2009年公開の映画


2000年代の1月4日に公開された映画は3本ありました。

【2003年】

  • Reset2 足軽-ashigaru(2002年製作 / 日本)

【2007年】

  • こほろぎ嬢(2006年製作 / 日本)

  • 虹色★ロケット(2006年製作 / 日本)


■1990年~1999年公開の映画


1990年代の1月4日に公開された映画は3本ありました。

【1990年】

  • 海だ!船出だ!にこにこぷん(1990年製作 / 日本)

【1991年】

  • 時が乱吹く(1991年製作 / 日本)

【1997年】

  • 平成名探偵 阪田京介(1997年製作 / 日本)


■1980年~1989年公開の映画


1980年代の1月4日に公開された映画は2本ありました。

【1986年】

  • トスカの接吻(1984年製作 / スイス)

【1988年】

  • 王様の映画(1986年製作 / アルゼンチン)


■1970年~1979年公開の映画


1970年代の1月4日に公開された映画は3本あり、全て成人映画でした。

【1973年】

  • おさな妻の告白 衝撃 ショック(1973年製作 / 日本)

  • 新色暦大奥秘話 花吹雪おんな事始め(1973年製作 / 日本)

【1974年】

  • ドキュメント・ポルノ トルコテクニック大全集(1974年製作 / 日本)


1974年の『ドキュメント・ポルノ トルコテクニック大全集』は、山本晋也監督が手掛けたキュメンタリータッチのエロドラマ。ソープランドの元祖であるトルコ風呂を通して昭和風俗をコミカルに紹介していく作品です。トルコ嬢、中村順子を追い、彼女たちの織り成すトルコ四十八手の魅力に迫ります・・・、・・・、・・・。

ふと、「自分はいったい何を書いているのだろう?」と思いますが、70年代、80年代の公開日をリサーチしていると、こういう日の遭遇することも結構あります。特に一般家庭にビデオが普及する以前、日本映画の黄金期を支えた日活がエロ路線にシフトチェンジするなど、成人映画が盛んに作られていたようです。なんだか、悶々とした昭和時代のエネルギーを感じますね。


■1960年~1969年公開の映画


1960年代は1月4日に公開された映画がありません。


■1950年~1959年公開の映画


1950年代の1月4日に公開された映画は15本ありました。

【1951年】

  • 愛と憎しみの彼方へ(1951年製作 / 日本)

  • 深夜の非常線(1951年製作 / 日本)

【1952年】

  • 快傑ダルド(1950年製作 / アメリカ)

  • 剣侠ロビン(1950年製作 / アメリカ)

  • 血と砂(1941年製作 / アメリカ)

  • レッドスタリオン 荒原の凱歌(1947年製作 / アメリカ)

【1953年】

  • 血闘(1952年製作 / アメリカ)

  • 世界を彼の腕に(1952年製作 / アメリカ)

  • 超音ジェット機(1952年製作 / イギリス)

【1954年】

  • 楽しき我が家(1953年製作 / アメリカ)

【1955年】

  • 長い灰色の線(1954年製作 / アメリカ)

【1956年】

  • 08/15(1955年製作 / ドイツ)

【1957年】

  • 八月十五夜の茶屋(1956年製作 / アメリカ)

  • 友情ある説得(1956年製作 / アメリカ)

【1958年】

  • 女の防波堤(1958年製作 / 日本)


1952年の『剣侠ロビン』は、ロビンフッドの息子が暴政に立ち向かう姿を描いた冒険物語です。今作の位置づけを現代風に表わすとスピンオフですかね。全然関係ないですけど、バットマンの相棒ロビンを主役にしたスピンオフなんか、きっと面白いと思うのですが・・・話を戻します。

舞台は13世紀のイギリス。父親に劣らず剣豪として有名なハンティントン伯ロビンは、税金取り立てを拒否したことでジョン王の兵に捉えられてしまいました。しかし、ロビンに想いを寄せるマリアンヌ姫によって牢から脱出し、父のかつての仲間を集めてジョン王打倒に立ち上がります。想像通りの展開が期待できる勧善懲悪のストーリーです。

一方、1956年公開の『08/15』は、元ドイツ国防軍の砲兵将校だった小説家ハンス・ヘルムート・キルストの同名小説を映画化した戦争ドラマです。映画は小説と同様に3部作のシリーズとなっていて、今作はその1作目に当たります。

物語は第二次大戦の前夜、国防軍のとある砲兵隊兵営が舞台です。若い訓練兵たちの反抗や恋愛模様など、等身大の青春を描きつつ、その背景にあるのはナチズムの権威主義や戦争の虚しさ。キルストの視点は反ナチズムというよりも反戦で、実際ドイツ再軍備反対運動にも力を入れていたそうです。

タイトルの『08/15』には、「月並みなもの」や「ごく普通なもの」という意味があり、軽蔑的なニュアンスを含んでいます。もともとドイツ軍で使用されていた機関銃「MG 08/15」に由来していて、この機関銃を使った長く単調な訓練にうんざりした兵士たちによって使われるようになったスラングと言われています。まさに戦争への皮肉を込めた今作にぴったりのネーミングではないでしょうか。



■1940年~1949年公開の映画


1940年代の1月4日に公開された映画は4本ありました。

【1941年】

  • 花嫁穏密(1941年製作 / 日本)

【1949年】

  • 結婚狂時代(1949年製作 / 日本)

  • 天狗飛脚(1949年製作 / 日本)

  • 夢よもういちど(1949年製作 / 日本)


1949年の『天狗飛脚』は、主演予定だった阪東妻三郎が病気で降板し、市川右太衛門に急遽変更になった時代劇です。

足の速いことが裏目に出て仕事が続かない長太。ひょんなことから飛脚「天狗屋」でエースとして活躍するようになります。しかし、江戸を荒らし回る俊足の怪盗に目を付けられたことから、身代わりとして悪い噂を流されてしまい・・・。果たして長太は自身の疑惑を晴らし、町の平和を取り戻すことができるのでしょうか。

時代劇といえば侍を中心に展開していく作品が多いですが、今作の主役は飛脚。派手なチャンバラシーンが一切ない代わりに、飛脚たちのスピーディーな疾走シーンが見どころです。舗装もされていない道を飛脚が砂埃を上げて走り抜けていく姿はなかなか爽快でした。

主演の市川右太衛門はこの時40を過ぎた頃と思われますが、急なオファーでよくこんなに走れるなというくらい走りまくっています。銀幕のスターは、きっと普段から身体作りを徹底しているんですね。自分も運動しなきゃなって、少しだけ思いました。



■1930年~1939年公開の映画


【1939年】

  • エンタツ・アチャコの忍術道中記(1939年製作 / 日本)


1939年の1月4日に公開された映画『エンタツ・アチャコの忍術道中記』は、大正から昭和にかけて活躍した漫才コンビの横山エンタツと花菱アチャコが主演しています。

内容は、父の仇討ちのため怪盗を追う若侍と目明しの珍道中を描く喜劇活劇です。目明しとは、江戸時代から明治時代にかけて存在した非公認の捜査官で、「岡っ引き(おかっぴき)」とも言われています。

エンタツ・アチャコは、それまでの「萬歳」に代わり、現在の漫才の基礎となる「しゃべくり漫才」のスタイルを発明した、お笑い界のパイオニアと言える存在です。彼らは今作をはじめ、俳優としても数多くの映画に出演しており、こうした作品に触れることは、当時のお笑いやエンタメを知る意味でも興味深いですね。



■1920年~1929年公開の映画


【1926年】

  • 黒白双紙(1926年製作 / 日本)


1926年の1月4日に公開された映画『黒白双紙(こくびゃくぞうし)』は、大正時代を代表するサイレント映画の1つと言われている喜劇です。ちょうど日本映画黄金期の前夜というところでしょうか。

警官から監督に転身した異色の経歴を持つ曽根純三の作品で、主演は当時、唄う青春スターとして知られた杉狂児と、後にその妻となる金谷たね子がヒロインを演じました。

タイトルの黒白とは、隣り合う二つの店を表わしたもので黒が炭屋、白が洗濯屋です。店の主はお互い仲が悪いのですが、実はその息子と娘が恋仲という設定。父親の喧嘩に振り回される二人の様子を面白おかしく描いています。

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