▼社員や部下が成長しないのは・・・
今年に入ってからサッカー日本代表に呼ばれていない、鎌田大地選手が、所属するイタリアの強豪クラブ、ラツィオで、今年の3月の終わり頃から先発出場の機会に恵まれることになり、以降、目覚ましい活躍をしてくれています。
先日のベローナ戦後には、現在のイゴール・トゥドール監督からも、大地のような選手が10人ほしいと絶賛されているようです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/622f5ba7fb3d809119cff9e01a4ee0878459a20b
今年のアジアカップの戦いで、鎌田選手が選ばれていればと思う場面もいくつかあっただけに、今後の日本代表の復帰もあると思うので、嬉しい限りです。
鎌田選手は、3月上旬に辞任したマウリツィオ・サッリ監督には、フィットしなかったようです。
サッリ監督は、銀行員から、ナポリ、チェルシー、ユベントスを率いてタイトルを獲るまで登りつめた希代の戦術家で、素晴らしい監督には間違いありません。
ラツィオでも、昨年はイタリアリーグ、セリエAで2位の好成績でした。
新監督の元での鎌田選手の活躍を見るにつけ、サッリ監督は戦術家としての成功体験も多い分、その戦術が健全に機能しなくなった時の組織マネージメントの難しさは、どの世界でも共通なんだなあと思いました。
ビジネスの世界でも、過去に成功体験をもつ上司や幹部は、その戦術を繰り返し、上手くいかなくなっても、なかなか修正できず、同じ戦術を強要するパターンを経験された方もいるのではないでしょうか。
私もそういう光景を何度も見てきました。
大体のおいて、その組織に属する社員は次々に去っていき、その組織は消えて行くか小さな成功止まりでだったりします。
サッリ監督の元での鎌田選手の気持ちを察しても
・モチベーション
・明確な目標や期待
・適切なフィードバック
・機会損失による組織サポート
などが欠如する中、成長機会を奪われたと感じるのは、スポーツでもビジネスでも共通かと思います。
事実、新監督になるまでは、ラツィオを去るのは時間の問題とされてきました。
スポーツの世界では、成績が傾くと選手の前に、まず指導者が責任をとり、去っていくことになりますが、ビジネスの世界では、そうも行きません。
特に、小さな成功をもたらしたマネージャーは擁護されがちです。
一方で、こういったことに陥らないように工夫している企業が、大きくなっていく様も見てきました。
それらの企業に共通するのは、幹部の傾聴力でした。
マネージャーも社員も、誰もが、ものを言える環境を用意して、組織単位ではなく、フラットに集約、それを幹部がしっかり把握し、適正に判断し、常に対策を打っていた企業もありました。
その企業は上場するまでにスケールしていきました。
監督交代も、選手の入れ替えも、簡単にできないし、ましてや、少子化環境下で今後は採用も一層厳しくなるビジネスの世界では、社員や部下が成長しないと嘆く前に、幹部がちゃんと社員や部下と適切に向き合える仕組みが機能しているのか、問われているんじゃないかと感じました。
自戒も込めて。
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