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なぜ「SIMULATIONごしょがわら2035」を作ろうと思ったか episode0
■簡単な自己紹介など
私は青森県の五所川原市役所に勤務しています。一応管理職という立場です。現在、「SIMULATIONごしょがわら2035」という財政シミュレーションゲームを、庁内有志と開発中です。試作版までは完成し、テスト段階という時期に、新型コロナウイルスが青森県でも流行し、密になりやすいゲームだけに、現在収まるのを待っています。
元々は電算要員として入庁し、長年電算業務に携わってきましたが、他の部署への異動などにより、平成26年に人材育成を所管する課の管理職となりました。
ちょうどその時期に、趣味の合唱関係者との連絡に必要ということで、Facebookを始めました。そうなると、合唱関係だけではなく、仕事に関連する方々とのつながりも、どんどん増えてきます。
縁あって、東北まちづくりオフサイトミーティング(東北OM)という私的勉強会にも参加することによって、今度は東北各地の同業者との交流も生まれてきました。
■「SIMULATIONごしょがわら2035」開発のきっかけ
そんな中、平成28年7月に、「SIMふくおか2030」を開発された、福岡市役所の今村寛さんを招いて、「財政出張講座+SIMふくおか」体験会があることを知りました。
秋田市はちょっと遠いけど、前から興味があり、一度体験してみたいと思っていたので、何とか日帰りできるならということで、仲間に声をかけて、その講座に2名で参加してみることにしました。
そこで、財政基礎講座とSIMSIMふくおか2030を初めて体験することになります。
このゲームは、短い時間の中で、同じグループの人と対話しながら政策を選択・決定し、その後説明する必要がある他、様々な選択の結果、最終的に自分たちが目指したまちの姿になったかどうかが問われるものです。
初めて経験したSIMふくおか2030は、短時間で求められる判断や、それに対する説明が難しく、あまり上手くできなかったな・・・という気持ちが残りました。初めて経験する人は、恐らくみんな同じような感想を持つと思います。
実際にゲームを体験して思ったのは、財政基礎講座とセットでゲームを体験させれば、自分の市の財政を理解してもらうための職員研修に応用できるのではないかということや、まちの将来を考えるツールとして使えるのではないかということでした。
自分で五所川原版を作って、職員研修に使ってみたい・・・という気持ちは、その時に生まれました。
■財政シミュレーションゲーム開発の効果
財政シミュレーションゲームは、「対話」、「納得」、「合意形成」、「政策選択」、「説明責任」といった、行政職員に必要なあらゆる要素が詰まっており、それを疑似体験できるのです。
そして、自分がプレーヤーとして意思決定に関わることによって、今まで他人事だったことでも、自分事として捉えられるようになってきます。これを経験することにより、今後の物の見方、仕事の進め方に変化が生まれればいいなと考えています。
私自信は財政の専門ではなかったものの、職員でも、「市にはお金がない」の意味を、ちゃんと理解していないのではないか?という疑問が出てきました。これって、お金がないわけではないんです。これまで実施してきたことを維持するお金はある。でも、経常収支比率が高いと、お金はあっても使い途が決まっていて、「お金がない」の意味は、「新たな施策のために自由に使えるお金が少ない」というのが正確な言い方になるでしょう。
そして、このゲームの有用性に目を付け、ゲーム発祥の本家である熊本県庁版や初期の派生である福岡版以外にも、各地でご当地版が作られています。
そして私が何より今回目指したのは、ゲームの完成はもちろんなのですが、五所川原市役所には自主勉強会のようなものがなかったので、所属や立場を越えて対話する場を設定したかったということが一番かもしれません。
今後、実際に開発の経過を、備忘録的に、不定期に書いていきます。