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結婚出産再就職、スペインワーホリのジレンマ~ギリホリ~
2024年の年末、久しぶりに大学の友人たちと東京駅で再会した。
年末の忙しさが感じられ、歩く人々の足取りは急ぎ、サラリーマンたちは「この忙しさを乗り切らなければ」という気持ちで過ごしているようだった。
薬局の前では「飲み会前にウコンはいかがですか?」と宣伝しているのが見え、年末らしい風景だった。
久しぶりに会う友人たちは、ほとんどが結婚しており、子供がいる人もいた。
また、家を持っているか、これから買う予定があるか、同棲している人もいるなど、それぞれが確実に自分の人生を歩んでいる様子だ。
私は、スペインにギリホリした一人である。
30歳間近でワーキングホリデーというと、「ギリホリ」と呼ばれ、世間の目は冷たいこともある。
特にSNSでは、辛辣なコメントが飛び交っていることも多い。(ワーホリだけでもかなりネガティブだ)
「さっさといい会社に入って正社員になったほうがいい」
「帰国して仕事が見つからなかったらどうするのか?」
「結婚は早い方がいい、年齢を重ねると子育てが大変だ」
(高齢出産にリスクがあることは避けられないのだが)
など、そういった声を耳にすることは少なくない。
私は30歳を過ぎて独身で、貯金を使ってスペインに渡り、現在は無職である。
それでも、同窓会には自分から積極的に参加したし、久しぶりにみんなに会えることを楽しみにしていた。
「同窓会は人生の通知表だ」と聞いたことがある。
学生時代の仲間たちと再会すると、つい自分の人生を他人と比較してしまうのだろう。
友人たちがどんな仕事をしているのか、家族はどうなったのか、どんな生活をしているのかを知ることで、自分と比較してしまい、焦りや不安を感じることがあるらしい。
「結婚して子供を持つことはいいことだよ」
「子供がいる生活はとても幸せだ」といった話を耳にするのではないかと思ったが、
友人たちは「自由にできるうちに、やりたいことをやったほうがいいよ」と言った。
そんな風に言ってくれる友達がいてよかったなと思った。
「隣の芝生は青い」という言葉があるように、誰しも選ばなかった方の人生を考えて、「あのときこうしていたら」と思うことがあるだろう。
私もその一人だし、誰もがそう感じる瞬間はある。
「選択のパラドックス」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
例えばスーパーマーケットでジャムを選ぶ時、種類が多すぎると、逆にどれを選べばよいのか決められず、選んだジャムに満足できないことが増えるという心理学的な現象がある。
人生も同じで、選択肢が多すぎると、どれが最も自分に合っているのかが分からなくなり、後悔や不安が生まれることがあるらしい。
もし私が結婚して子供を持っていたなら、きっと「スペインに行けばよかった」と後悔していただろう。
実際には周囲の人から「自由に世界を旅できるなんて、うらやましい」と言われることもあり、そうした言葉には少しだけ嬉しい気持ちも抱く。
一方で、家庭を持って子供を育てることに興味があり、家族と過ごす日々がどんなものか、とても気になっている自分もいる。
家族を持つことがうらやましいと感じる瞬間も、確かにある。
おそらくこの記事にたどりついたのも、自分の選んだ人生の選択が正しかったのか不安になったことがあるひとではないだろうか。
しかし、どんな選択をしても、それが正しいかどうかを後から振り返ることはできる。
大事なのは、「この選択でよかった」と思えるように、これからの人生を歩んでいくことだと、私は思う。
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