黒部市吉田科学館(富山県)
※2023年4月当時
■機種・ドーム情報
🌟光学式:MS-20AT(コニカミノルタ)
🌟デジタル:ステラドームプロ(天文シミュレーションソフト)
🌟全天周3D映像:Mitaka(国立天文台4次元デジタル宇宙ビューワー)
🌟ドーム径:20m
🌟座席数:140
🌟配置:扇形
■値段
一般:300円
高校・大学生:150円
中学生以下:無料
■見た番組
宇奈月の大蛇伝説(春の星座紹介つき)
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私はここでの思い出が一生心に残るであろうことを予感した。
駅から線路沿いの開けたまっすぐな道を歩く。4月末日、もう初夏のような暑い日差しの中、道を歩く人は私しかいない。地元の人は車を使うらしい。
私は、この土地だけのプラネタリウム番組を楽しみにしていた。後続との関係で、その時間にピンポイントで見られるように計画してここへ来た。
しかし、科学館に到着すると、タイムスケジュールがWebサイトで見たものと異なっていて、その時間は他の番組が上映されることになっていた。駄目もとで私は施設の人へ「Webサイトと情報が違うんですけど…」と尋ねた。駄目もとだったので、半分諦めていたが、施設内の表示を変更して、Webサイト通りの上映をしてもらえることになった。ちなみに、客は私一人だった。
こんな大きいドームで私たった一人、一番見たかった番組を見られる。私はこの体験が、きっと一生忘れられないものになるであろうことを予感していた。
一人だと寂しいので、ドームの中心の座席に座り、隣に大きなバックパックを座らせた。これで、バックパックと二人ぼっち。膝の上のこぶしをぎゅっと握って、番組の始まりを待った。
投影されるのは、「宇奈月の大蛇伝説」と「春の星座紹介」。
宇奈月の大蛇伝説とは、その土地に伝わる様々な結末に派生した言い伝えである。
本筋は、黒部川中流に架かる愛本橋の近くに茶屋があり、そこの娘が川に住む大蛇に嫁ぐことになり水害を防ぐ話なのだが、娘は帰ってきたり、悲しい結末だったり、地域によって違う模様。
番組の中では、美しい男性に化けた大蛇と娘は幸せそうだった。星について教え合い、私もそれを聴かせてもらった。
北斗七星は、四三(しそう)の星ともいう。サイコロの四と三に似ているからだそうだ。⚃⚂
アークトゥルスとスピカは、夫婦星。アークトゥルスが男、スピカが女だが、西洋でも、うしかい座とおとめ座だから、日本も西洋もちゃんと男女の星が一緒。不思議だなあ。
たった一人宇宙にぽつんと浮いて(いやバックパックと二人で)、秘密の話を特別に聴けたみたいで、外の世界と切り離された素敵な時間だった。
■おまけ
某プラネタリウムメーカー直営店のような寝転びシートもあった。
魚津市立西部中学校から寄贈された五藤光学研究所のマーキュリーが展示されているのも見所だ!
この施設、展示は少ないが、実演できる実験器具を手作りされていて、公開理科実験をやっている。黒部のでんじろう先生だ、と思った。子どもたちに大人気。ピタゴラスのコップ。水圧は下の方が強い、それが浮力になる。水槽の下に穴をあけると浮力は働かない。私も言葉で説明できないことを見える化していて、こんな先生が子どもの時にいたらなあと思った。
それでは、次の旅で。