★キャンピングカー生活まであと192日★「廃材アートで考える自然に対する視点」
あした何の日?
こんにちは。
本日は少し真面目な話。そして私のお知り合い紹介の記事になります。
現在、全国を回り「廃材アート」制作の活動をされている「綾海(Ayami)」さんです。
私はこの方の活動を非常にリスペクトしており、応援しております。
同時に私の夢である「軽キャンピングカーで日本を回りながら生活する」を既に体現している先駆者でもあります。
(私の移動生活への憧れはAyamiさんの影響によるところも大きいんです。)
6/24に渋谷のIKEAでAyamiさんがコラボセミナーをされるとのことで参加してきました。
今までオンラインでしかお話しできなかったので非常に刺激を受ける機会となりました。
その内容についてもシェアさせていただきます。
まずはIKEAの方によるパート。
今回のセミナーは、IKEAの商品開発とAyamiさんのエコアート(廃材アート)の共通項である「サステナビリティ」に主眼を置き開催されています。
コロナが落ち着きようやく実現したということで、本当に良いタイミングだったなと感じます。
IKEAも商品マテリアルの60%以上を再生可能素材としていること、エコで環境の良いものを馴染みのあるものにする取り組みなどをアピールしていました。
海洋ゴミを海の生き物が誤飲してしまう問題から、そのようなプラスチックゴミを再利用、無害化して子供用ぬいぐるみを作ったり。
ベトナム企業とタイアップで、余ったデニム生地の切れ端を無駄にせず、クッションを作ったり。
アイデア自体も現地ベトナムの市場で売られている工芸品などから着案しているそうです。
このように説明をしっかり聞かなければ気づかないぐらい、自然と商品に溶け込んでいる取り組みです。
食も例外ではありません。
IKEAレストランでも販売されているplant base food(植物性食品)の大豆ミートボールは通常のお肉だけのミートボールより製造過程のCO2排出量が96%カットされるんだそう。
(ほんとう...?と思ってしまいましたが、どうなんでしょうか)
しかしながらヴィーガンも着目されている現代ではIKEAはかなり世の流れを汲みとっているのではないかと思いました。
(あくまでも売上も考えなければいけないのが企業だから何か裏の顔はあるのかもしれないですが)
そしてMCの方がAyamiさんにマイクを渡し、セミナーが開始になります。
エコアートセミナー開始
Ayamiさんは作品に対する想いとして、常に「100年後の未来」の風景画を描いているんだそう。
今ある環境の姿がどうであれ、100年後は必ず来る。
1000年後でも1万年後でもいいけど、自分が想像できる範疇の100年後を考えながら、廃材とキャンバスに向き合います。
なぜ廃材で描くのか?
早速知りたいと思っていた核心の話に。
それは各地を回る時に地域の人々や専門家の方々の話を聞いて、自分ができることを見出して活動を始めたたんだそう。
その土地ごとの悩みがあり、そしてそれらは長くそこで過ごしている現地の方だからこそ気付けることもある。私たちと自然環境社会環境のつながりを伝えるためにアートという手段を用いているとのこと。
絵を描く時は、廃材の持つ特徴や、自然の中における本来の姿なども創造されているようです。
例えば今回のメインの作品では、鹿のツノが素材ですが、100年後に鹿が死に土に還ったところに新たな命として植物が芽吹くストーリーを絵画に織り交ぜているといいます。
確かによく見ると、立体的な「芽」がキャンバスから伸びているのが分かります。
ただ廃材を使い地球儀環境に切り込んだ活動というわけでなく、画家として作家として一流。
ストーリー性がある絵画、なんて奥深いんだろうと魅力に引き込まれていきました。
しかし「こういった環境でなければならない」とか「自然を元に戻さなければいけない」と思っているわけではないそうで、あくまで環境は変容する可能性があるものという認識だそうです。
例えば、ヘドロ(酸素を含まない栄養分の少ない土)も増えた有明海を目の前にして、その海から「海苔が取れなくなった」という事実はあるにしても、別の豊かさの観点があるかもしれない。
大事なのは「海苔が取れる」ミクロの視点ではなく「海が豊かであり続ける」こと。
視野を広く長期的に持ってらっしゃる方だなと感じました。
ちなみに我々が考えるヘドロのように異臭がするものではなく、地元の人は栄養が失われた土を全てヘドロと認識しているそう。これも地元の人との対話がなければ齟齬が生まれてしまう例の一つですね。
Ayamiさんはしっかりと知識を深めるために、地元の人を半年ほどの期間、何度も訪れたこともあるといいます。
その熱意は「その土地の歴史を知ることが大事、その上で事実や問題を判断すべき」という考え方からきています。
他に展示されている作品にも、土砂崩れの原因となる増えすぎた竹を使ったり、焙煎・抽出した後に残るコーヒーのカスを使ったりと、素材の種類は無限大です。
常に何か材料として活かせないか考えているそう。
さて、Ayamiさんの廃材アートは、廃材から塗料や材料を作るところから始まります。
実際、今回はセットで鹿のツノを砕いて塗料を作る体験もさせていただきました。
ちなみに「この鹿のツノは廃材なのか?」という問いですが、木の皮を剥いで枯らせてしまう「害獣」としての鹿を駆除しているジビエ屋さんからいただいているそうです。
絵画を通して「環境が変わっても別の形で、それに合わせた心の豊かさを見つけられるといいですね」と話すAyamiさん。
時代が目まぐるしく変換する現代において大事なのは自分自身で豊かさを能動的に見出すこと。
こと「自然」や「環境」に対しての取るべきスタンスについて興味深い切り口で話してくれました。
「自然を守らなければ」と思う気持ちが大事なのだと勘違いしている人が多いが、「なぜ自分は自然を大事にしなければいけないのか」を考えるべき、と話してくれました。
「自然」を主語に考えすぎるといずれ矛盾が生まれる。だから「自分にとって大事なもの」を主語に考えるといいます。
自分自身に落とし込んで自然を考えるには、普段の食生活だったり身につける物などが自分に悪影響を与えていないか?といったことを考えるところからだといいます。
普段何気なく過ごしていたら気づかない商品や食品のこだわりに今一度目を向けてみて、と続けられました。
さいごに、Ayamiさんは今後の活動の目標として「ほどほどを極めたい」とのことでした。
「人間に元々備わっている考える力や適応する力を引き出し、自然環境や社会環境についての対話を促す作品をつくりたい」といいます。
これは作品を見て解説を受ければ分かるのですが、キャンバスの中に引き込まれていく、画の背景というか、奥行きがあるんですよね。
Ayamiさんのテーマでもある「100年後の姿」に思いを馳せることで、自分の興味関心も深まり、より俯瞰した時の流れで自然環境を考えることができると感じました。
これまでもSDGsや地域に関するセミナーを受けたことはありましたが、今回のセミナーを通じて、より自分が環境に対してどのようなスタンスで対峙し、考え行動するべきかのヒントを得られたような気がします。
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人間も自然の一部