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ワンランク上のオムレツを作るコツは15分前に塩を入れること

オムレツは卵料理の代表的存在。オムレツには焦げ目をしっかりとつける外国式の方法と、木の葉型に折り込み焦げ目をつけない日本式の2種類が存在します。後者のオムレツは僕が調理師学校に入った時の卒業課題の1つで、布巾を卵に見立てて、フライパンの柄をトントンと叩くのを練習したものです。

オムレツ 1個分
卵   3個 L玉使用
塩   小さじ1/4(1g)  (指3本でつまむとだいたい1gです)
バター 大さじ1(12g)

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今日は特になにも加えずに基本のオムレツをつくりますが、卵になにを加えるか、というので難易度と味が変わります。

『水(又は炭酸水)』を加えると加熱した際の蒸気が増え、大きな気泡ができるので軽く仕上がります。ただし、味が薄くなるのが難点です。

『牛乳』は水と同じようにふわふわ感が増しますし、さらにタンパク質が加わることで卵のタンパク質の結合が阻害され、やわらかめに仕上がります。

牛乳+脂肪の『生クリーム』はよりリッチな仕上がりに。脂肪分によってタンパク質の結合がさらに阻害されるので、より滑らかな仕上がりになります。

『角切りのバター』は初心者におすすめの材料で、生クリーム以上の脂肪分がやわらかさに貢献し、さらに温度も下げることができるので卵の半熟状態がつくりやすいです。生クリームの代わりにバター+牛乳もおすすめです。

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卵3個を溶きます。泡立て器を使うな、とか空気を入れるな、とかうるさい人は言いますが、仕上がりにはさほど関係なく、大事なのは白身と黄身という凝固温度の異なる物質を均一に混ぜること。むしろ泡立て器を使ったほうが白身と黄身が均一に混ざるのでいいでしょう。そんなことよりもコツは次の工程にあります。塩を小さじ1/4加えたら、15分間、放置するのです

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左が塩を入れた卵で、右が入れてない卵。色が違うのがわかりますか? 塩を入れた卵の色に透明感が出たのは、塩を加えることでタンパク質の網目が緩み、そこに光が通るようになったから。今回は牛乳や生クリームなどの副素材を加えていませんが、塩を加えて15分間置き、タンパク質の構造を緩ませるだけで、仕上がりのふんわり感が変わりますし、離水もしづらくなります。

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さて、テフロン加工のフライパンを中火にかけ、大さじ1(12g)のバターを溶かします。箸の先に卵液をつけ、底をひっかいた時にすぐに固まるくらいが適温です。ある程度、フライパンの温度が高くないと、水蒸気の蒸発による気泡ができず、ふんわり感が出ません。つまり、火加減は中火〜強火。強い火だと焦げるリスクも高くなるので、技量にあわせて調整してください。

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卵液を注ぎます。

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フライパンを前後にゆすりながら、手早く混ぜます。卵液は外側から固まってくるので、内側に入れるようにするのがコツです。

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これぐらいの状態にまで固まったら箸を抜いて、一呼吸置きます。これで底に薄い層ができます。その前に半熟にできない、という場合にはこんな方法があります。

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途中で卵液が固まる前に、一度ボウルに取り出すのです。

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それを箸で攪拌すれば細かなスクランブルエッグ状になります。これをフライパンに戻し、固めれば大丈夫。つまり、オムレツは薄い卵の層に包まれたスクランブルエッグなのです。

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さて、底に薄い層ができたら巻き込みに入ります。ここで火を弱めておくといいでしょう。通常のオムレツは手前から奥に卵を流して、木の葉型に成形します。しかし、簡単なやり方は横に巻き込む方法です。もちろん、奥に卵を流して柄をトントンしてもかまいません。

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フライパンを右に45度以上傾け、右側で木の葉型に成形します。

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箸で底を持ち上げるようにして、今度は反対側に45度以上フライパンを傾けます。これでオムレツがひっくり返ります。

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最後にもう一度、45度以上フライパンを右側に傾けると、オムレツがころがって底の継ぎ目が上にくるはずです。そうしたらフライパンと皿をV字にするようにして、盛り付けます。

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出来上がり。調理師学校では鉄のフライパンでなければオムレツはつくれない、と教えられましたが、焦げ目をつけないオムレツはテフロン加工のフライパンで作ったほうが、むしろ簡単です。(あまり強火にできないのでふんわり感はやや減りますが、ソフトな仕上がりになります)事前に卵に塩を入れておくのは、簡単なコツですが案外知られていないので、ご紹介しました。

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樋口直哉(TravelingFoodLab.)
撮影用の食材代として使わせていただきます。高い材料を使うレシピではないですが、サポートしていただけると助かります!