1泊2日のコルカタ旅行記〜2日目〜
インド西ベンガル州の大都市コルカタでの旅行記2日目。
1日目は以下記事をチェック。
登場人物
初めに、この旅で重要な登場人物のおさらい。
・バブー:1日目に出会ったちょっとやんちゃな青年。私のお酒に薬を盛った容疑で地元民から責められていたが、真相は・・・
・ラジュ:日本に数十年住んでいた日本語ペラペラインド人。現在はインドで複数お店を経営。
・スリシュ:ラジュのお兄さん。日本在住でコルカタには仕事兼バケーションで来ている。日本とインドで複数ビジネス経営するやり手。
・アラ厶:スリシュの部下。普段はラジュのお店を手伝っている。
2日目開始
怒涛の1日目が過ぎた。
目を開けると時刻は朝の6時。意外と早く目が覚めてしまった。眠り自体は深かったようで、特に疲れは感じない。
ホテルの朝食は8時か8時半だった気がする。
それまでベットで少しくつろぎながら、シャワーを浴びて身支度をしておく。
今日の予定は未定だが、スリシュが朝10時に迎えに来てくれる。
Breakfast at Kolkata
8時15分くらいに部屋を出てみる。廊下を抜けて共有ダイニングルームに出ると、奥にキッチンがある。
そのキッチンを覗き込むとスタッフが椅子に座って新聞を読んでいた。
「グッドモーニング、朝食お願いできますか?」と話しかけると、分かった。とすぐに支度を始めてくれた。
大きなダイニングテーブルの壁側の椅子に座って待つと、すぐに朝食が運ばれてくる。
薄切りパン、パパイヤ、パパイヤジュース、バナナ、バター、マサラオムレツ。そしてテーブルにはシリアルや調味料が色々置かれていた。
このオムレツが美味しい。小さくカットされたパプリカやエシャロットが入っていて、スパイスが効いたしょっぱめの味。
パンは普通の市販のものだけど、何故か美味しくて3枚くらい食べてしまった。
朝はコーヒー派なので、キッチンに戻ったスタッフに、ブラックコーヒーを頼んだ。
昨日の騒ぎが嘘のように平和な時間が流れる。
Meeting
朝食を終えた後、荷物をまとめてチェックアウトの準備をする。
待ち合わせの30分くらい前に、スリシュから15分遅れると連絡が来た。
それに合わせて、10時ちょっと前にチェックアウトをして待ち合わせ場所へ向かう。
ホテルまで来てくれるということだったが、細い路地内にあるし、かなり分かりづらいので大通り沿いの路地入口付近で待つことにした。
時折車やスーツ姿の人がこの路地に入っていく。入り口付近ではセキュリティの人が常駐しているので、その人の向かいに立ってスリシュの車が来ているか注意深く道路を眺める。
それから15分後、スリシュから、タイヤを修理している写真が送られてきた。
「パンクしたの?」の聞くと、「問題ない、すぐ向かう」と返信が。
何度か、「ホテルの名前を教えて。」とメッセージが来て、送ってはいるもののGoogleMapが正しいナビをしないようで、待てど暮らせど一向にスリシュが現れない。
私も日陰とはいえ立っているだけで汗が吹き出てくる状況で、これ以上待てないと思い、近くの店で休むことに。
周辺を5分くらい歩いていると、フードコートのような場所を発見。
中に入ってみると、きれいに陳列された可愛らしいインドスイーツがずらりと並んでいる。Haldiramという場所で、市内にいくつかある軽食屋らしい。
店内に入ると左手にデザート類が売られていて、右手にイートインスペース。奥にはフードが売られている。
カウンターで注文してレシートを受け取り、そのレシートを調理場カウンターの人に渡して作ってもらうような形式。パーキングエリアのフードコート的な感じ。
最初頼み方が分からなくてウロウロしていたら、デザート売り場の人が、あそこのカウンターで注文するんだよ。と教えてくれた。
汗だくだったので、とにかく飲み物がほしいと思い、コーラやレモンティーなど飲み慣れたものにしようと思ったけど、せっかくインドにいるからとラッシーにした。
飲み物を手に席につくと、スリシュから電話が。
「今どこにいる?ホテルの名前を教えて」と言われたので、「今フードコート的な場所で休んでます。場所送るから、この辺で会えますか?」と言って、GoogleMapで場所を共有。
すると、この場所は知ってるから、近くに着いたらまた連絡すると言われた。
それからすぐ、到着したと連絡が来る。
少し時間がかかったが、バス停近くに停めてあるスリシュの車を見つけ、ようやく合流できた。約束の時間から1時間半が経過していた。
聞くに、コルカタでは最近車の取り締まりが厳しいらしく、ちょっとの路駐でもすぐ罰金が取られてしまうらしい。
さらに、スリシュが泊まっていたホテルと私のホテルは目と鼻の先だったことが判明。何故かGoogleMapでのナビが細い路地に入る経路を示さず、近づくたびにルート変更がされていたようで、何度も同じ場所をぐるぐる回っていたらしい。
会ってすぐ、昨日の騒動について話した。薬が盛られたかどうかの話は濁しつつ、バブーと他の客や店員とのトラブルがあって電話した経緯を説明。
スリシュにもバブーから連絡は来ていないとのこと。
それから、日本でのトラブルの話とか、ビジネスの話とか色々な話を聞きながら向かった先は、ニューマーケット。初めて出会ったラジュのお店。
もはやこの場所は旅のセーブポイントになっていた。
マーケット付近の駐車場に車を停めると、バッグを車内に置いて店に向かって歩いていく。
Time for the Truth
店につくと、誰もいない。
二人で椅子に座り、少し休憩タイム。
バブーがどうなったか気になるけど、今日もアラ厶が旅のお供をしてくれるとのこと。
少しすると、バブーが店に現れた。
「心配したよ。大丈夫なの?」と聞くと、「あぁ」とバツが悪そうにしてスリシュの隣りに座った。
ベンガル語で二人が話しはじめ、時折スリシュが厳しい口調でバブーを叱りつけていた。
大人が大人に叱られている姿を見ることなんてほとんど無いから、なんだか不思議な感覚だった。
それから、あの夜何が起こったのかバブーが教えてくれた。
あの夜、私がトイレに立ったとき、バブーと険悪ムードだった顔見知りの客が、日本人がいるならオレたちの分の酒も払えと言ってきたそうだ。
バブーがそれを拒否すると、私の酒に薬を入れたという話をでっち上げ、責められたとのこと。
店員がそれを信じたのか、それともグルだったのかは分からないが、その後も寄ってたかってバブーを責めてきた野次馬含めすべて同じグループの人たちだった様子。
話が一段落したところでスリシュは仕事かなんかのため席を立ち、また夕方会ってご飯を食べようとなった。
その後ラジュと他の店員も店にやってきて、また少し雑談。
ラジュに今日の予定を聞かれたので、〇〇と〇〇に行くよ。というと、バブーに連れてってもらえば?という。
バブーは折角の休みだし、昨日大変だっただろうから私の旅行に付き合わせるのも可哀想かなと思ったが、バブーは「いいよ」と快くOKしてくれたので、バブーと行くことにした。
それからもう一度、昨日のことについて話した。
店を後にしてバイクで連れて行かれたあと、弟に電話をして来てもらったそう。それからは特に殴り合いなどなく開放されたが、お父さんにかなり怒られた。とのこと。
さらに、「そもそもカメラがあるから、俺が薬を入れてないことは明白だろうし、男相手に薬持ってどうすんだよ?って感じだよな。俺が囲まれてるとき、君が来てくれると思ってたけど・・。」というと、周りの人が私を気遣ったふりをして真実であるかのように事情を説明してきたことや、謝られたりもしたことを伝え、そんな状況で判断がつかず静観する他なかったとバブーに弁解した。
とにもかくにも無事に誤解も解け、バブーとの観光スタート。
A Star is Born
最初の行き先は『Indian Museum‐インド博物館』
チケットを買おうとしたとき、「俺はこの付近で待ってるから、見終わったら電話して」とバブーが言った。
「OK」といって一旦別行動に。
チケットを購入し、博物館に入っていく。
※外国人と現地人ではチケット料金が異なるので注意。
中庭が素敵なイギリス建築の歴史ある建物。
館内は絵画、化石、ミイラ、彫刻、アンティーク品など様々なセクションがあり、見応えがある。
展示も整理整頓されていて見やすい。
平日の昼間ということもあり、あまり混んでいなかったが、中には学校の課外活動なのか、制服を着た中学生くらいの団体と引率の先生がいた。
階段を登って2階の絵画を見て回っていると、現地の人からの視線を感じる。気にせずに絵画を眺めていると、そのうち現地の男の子たちのグループの1人から、「写真撮ってくれますか?」と言われた。
「君たちの写真を撮って欲しいの?」と聞くと、「いや、僕と一緒に」というので、一緒に写真を撮った。周りの人の視線が少し恥ずかしかったが、気にしない素振りでやり過ごした。
絵画セクションを後にし、今度は化石セクションへ。
ただの石ころみたいなのがたくさんあって、さっと流し見して回る。
次のセクションに行こうと外に出ると、学生のグループが向かいから歩いてきた。そのうちの1人が、通り過ぎ際に「コリアン?」と聞いてきたので、ニコっとしておいた。
次は動物の剥製・標本エリア。
興味深く眺めていると、先ほどの学生たちが来た。
さっき話しかけてきた子が、また「コリアン?ジャパニーズ?」と聞いてきたので、日本人だよ。というと、「僕は将来日本で働きたいんだよ」といった。
それから、何歳?どこからきたの?何してるの?など好奇心旺盛で無邪気な学生たちの質問攻めにあう。
最初に話しかけてきた子は11歳で、英語がかなり堪能だ。他の学生たちは、時折彼を介して私に質問をしてきた。
グループの中には僕は20歳だよという髭を蓄えた学生服の子がいて、冗談なのか本当なのか一瞬よくわからない人もいたけど、深くは考えなかった。
それからお決まりの写真撮影タイム。
ツーショットでそれぞれ撮影した後、グループ写真も撮る。
せっかくだからと私のスマホでも。
「楽しんでね。バイバイ」と一回お別れし、また別のセクションを見て回る。
インドの歴史のセクションでは、よく分からないものがたくさん並んでいた。そこを見て回っていると、またさっきの学生グループと遭遇。
あっという間に彼らに囲まれて、「これはインドの薬草だよ。これは稲だよ。これはコーン」など色々目につくものを指さして教えてくれた。
可愛いな。と思いつつも、この日はとにかく暑くて館内に冷房もなかったため汗ダラダラだった。そんな汗臭い自分と0距離で接してくる学生たち。少し気まずかったので、適当なところでまたお別れをして、1人歩き回る。
1階に降りて、廊下沿いの小さな展示物などを見て回る。
通路が狭い展示室もあり、そこでまたザーッと見て回っていると、向かいから3人の青年たちが。
彼らが通れるように横にズレて待っていると、また、写真を撮ってくれというお願いが。
お決まりかのようにツーショットとグループショットを撮る。
インドで外国人が写真撮影をお願いされるシーンはSNSとかでよく見かけていたので、「あぁ、これがそうなんだ。」くらいにしか思わなかった。
でも、この写真どうするんだろう。という疑問は残った。
最後に、彫刻セクションを見ていると、大学生位の人達がデッサンをしていた。覗いてみると、かなり上手。
博物館に行ってデッサンをするなんて、なんだか素敵だな。
辺りをぶらぶらしていると、またもやあの学生のグループがいた。
デッサンしている人を囲んで熱心に絵を見ていた。
私も彼らに近づき、「上手だよね」と話しかけた。
「もう帰るところなんだ。会えて良かったよ。」と伝えると、ヒヨコのように後をついてきて、「入場チケット買った?」と聞いてきた。外国人価格で買ったよ。というと、興味津々で見せてほしいとせがむ。
子供って本当に面白い。
その後、インスタやってないの?Facebookは?と聞いてくれたが、「ごめんね持ってない」と断ってしまった。
交換しても良かったな。と後になって思った。
Women Only
博物館を出て、バブーに電話をする。
「今終わったよ。チケット売り場で待ってるね。」というと、すぐに来てくれた。
私が博物館にいる間は、周辺のマーケットの知り合いのところにいたらしい。
次はコルカタの有名観光地の一つ、『Victoria Memorial-ビクトリアメモリアル』へ電車で向かう。
こちらの電車はまだチケット販売機がないため窓口に並び、行き先を伝えてチケットを購入する。
この日は9月末とは思えないほどカンカン照りでとても暑い日だった。
博物館にいたときから汗が滝のように出る。
チケットの列に並んでいるときも、バブーに「汗すごいね」と言われた。「インド人は汗かかないの?」「かくし、俺も汗かいてるよ。でも君ほどじゃない」なんて会話をしながらチケット購入まで待つ。
電車に乗ると冷房が効いていて涼しかった。
混むだろうと思い、車両の真ん中、長椅子の前の手すりに掴まった。
バブーは入り口付近に立っている。
バブーからなにか言いたげな視線を感じるが、左右に人がいるので身動きが取れずそのままの状態で数駅過ごした。
人が降りるタイミングで、バブーのもとに寄ると、「そこは女性専用エリアだよ」と。
見渡すと、たしかにWomen-Onlyと書かれていた。
地面にはピンク色の線も書いてあって、((あぁ、最初からバブーはこれを言いたかったんだ))と分かった。
日本にも女性専用車両があるが、インドには女性専用エリアが電車にあるんだな。
Victoria Memorial
Maidan駅を降りて、Victoria Memorialまで歩いていく。
ドーム型の屋根を持つ白大理石の博物館は存在感抜群。
何が展示されているか見ていないが、コルカタの歴史に関する展示がされているらしい。
入口付近には屋台があって、飲み物を買った。
チケット売り場に行くと、バブーが「俺はここで待ってる」と言ってタバコを更かしに木陰に向かった。
インド博物館のときも一緒に来るのかな?と思ったけど、まぁお金かかるしね。
チケット売り場ではグループ客が溜まっており、なかなか順番が来ない。
博物館のチケットの他、敷地内のガーデンだけのチケットも用意されていた。
ガーデンも素敵だろうなと思ったが、とにかく暑い。
本当に、立っているだけで汗だくなのに、庭なんて歩き回った日には服が絞れるくらいの汗が吹き出るのではないかと心配になる。
そろそろ忍耐の限界も来たので、並ぶのを諦め外観だけ写真に収め、次の目的地に行くことに決めた。
St.Paul's Cathedral
Victoria Memorialの近くにある『St.Paul's Cathedral‐セント・ポールズ大聖堂』に向かう。
ここも素敵な庭があり、コルカタを代表する観光地の一つ。
コルカタの寺院や建物はイギリスの影響を受けた物が多く、とても美しい。
チケットを払い(ここはバブーも払った)聖堂の中へ。
聖堂内の写真はNG。現在修繕中の真っ最中だったので、祭壇は工事用のネットがひかれ、足場が組み立てられていた。
ベンチは左右で男女分かれていた。
ここでしばらく休憩。
Before Lunch
朝、スリシュからお昼はここで食べるといいよ。おすすめされた場所があった。それはイスラム教のお祝いに欠かせない混ぜご飯、『Biryani‐ビリヤニ』
スリシュが教えてくれたレストランではないが、バブーがおすすめしてくれた有名なビリヤニのレストランに向かう。
流石に歩き疲れたので、協会からはUberを使って車移動。
道が混んでいるなと思っていたら、反対車線でプラカードを掲げながらデモ行進をする人々が。テレビカメラなどもいて、大々的に抗議をしていた。
こんな暑いのによく歩けるな。と他人事に感じてしまったが、自分たち市民の声を届けようとしている姿にエネルギーを感じた。
デモ行進を眺めていると、隣りにいるバブーが自分の娘とお嫁さんとテレビ電話をしはじめたので、私もちょこっと挨拶した。
長い渋滞を抜けようやくレストランに着いた。
Biryani
ムスリム地区にある有名なレストラン、名前は『Zam Zam Restaurant』
チキンとビーフのビリヤニがあり、2人共ビーフを頼んだ。
パラパラのお米の中にじゃがいもと牛肉の塊が隠れている。
味付けは意外にもあっさりめで、カレー風味。
店内はムスリム教の人だろうか。ムスリム帽や衣装を着ている人が大半で、みんな器用に手を使って食べている。
バブーも洗面所で手をあらい、手で食べ始める。
ご飯が届いたとき、店員さんが外国人である私に気を使ってかスプーンも用意してくれたが、「郷に入っては郷に従え」バブーの食べ方を真似て手で食べる。
左手は使わないということは知っていたが、お皿をおさえたり、肉やじゃがいもを千切るときも左手は一切使わず、本当に右手だけで器用に食べている。
片手だけで熱々のじゃがいもと牛肉をほぐしていくのは大変だった。
更に苦戦したのは食べ方。手でつまむようにして食べると、ほとんどご飯を掴めずに、一向に食べることが出来ない。
苦戦していると、バブーが食べ方を教えてくれた。
まずじゃがいもを少し取ってお米に混ぜる。それから指でお米を押しつぶしてまとまりを作る。
指は小指から人差し指で小さなお椀を作りご飯を乗っける。そして親指の爪のある部分で押しながら口に運ぶ。
さっきよりは取れる量は増えたが、それでもスプーンで食べたほうが断然早い。慣れが必要みたいだ。
なんとか食べ終わり、手を洗って店を後にする。
The Mother House Of The Missionaries Of Charity
本日最後の観光地「The Mother House Of The Missionaries Of Charity‐マザーテレサの家」
あのマザー・テレサが実際に活動していた場所。
中にはお墓や展示ブースが有り、日本語の本なども置かれていた。
また、この場所でボランティアを体験することもできるそう。
一見地味でこじんまりしている場所だが、とても平和な雰囲気。
ちなみに、レストランからマザーハウスまではリキシャに乗って行った。
リキシャは日本の人力車のようなもので、運転手が自転車で目的地まで連れて行ってくれる。
1人ならハードルが高くて乗れないが、バブーがいたからなんのトラブルなしに安価に体験することが出来た。
To the Market
さて、今日も色々な場所に行った。
「ほか行きたいとこある?」とバブーに聞かれたが、ちょうど夕方時なので、もう大丈夫だといって、一緒にセーブポイントであるマーケットに帰ることにした。
ひとしきり歩いた後、オートリキシャを捕まえてマーケットまで帰る。
オートリキシャはトゥクトゥクの小型版のようなもの。
派手なデコレーションにしたり、音楽を鳴らしたりと運転手の趣味全開の地元民のクールな足。
同じ方面に行きたい人が急に乗ってきたり、その辺の人に乗るか聞いたり、自由な感じでひたすら運転をしている。
これも土地勘と言語がわからないと、1人で乗るにはなかなかハードルが高い。
値段のルールもいまいち不明で、直接交渉で決まる様子。
とりあえず私はバブーがいるので安心してオートリキシャからの景色を眺めていた。
思い返すと、昨日と今日だけで船・電車・バイク・車・タクシー・リキシャ・オートリキシャとコルカタの交通網を網羅したと行っても過言ではない。
なんだかラッキーだな。
Kurta
マーケットに戻ってきた。
帰りの便は21:50だからみんなで軽くご飯を食べて帰る予定だ。
また、スリシュが空港まで送ってくれると言っていたので、マーケットでこのまま待つことに。
バブーはお店のバックヤードで昼寝をしだした。確かに、昨日は色々会ったし、今日も暑い中観光に付き合ってくれたので相当疲労が溜まっていたのだろう。
しばらく店でぼーっとしていると、店主のラジュが来て、今日の出来事などを話した。
最後に色々とマーケット内を見てみたかったので、話が一区切り終えたところで、マーケット散策へ。
地上から下の階がラジュの店があるエリアで、もう一つは地上から階段を上がったフロアがある。
どちらも洋服などがメインで、上の階を見ていると、早速店の人に声をかけられた。
「何を探してるの?」
めんどくさい勧誘かな。と思ったけど、実は探しているものがあった。
インド男性民族衣装の『クルタ』だ。
クルタを探しています。というと、すぐに「ついて来て」と言われ、店まで案内される。
暗い通路に入っていって、階段を降りると、なんとそこはラジュのお店のあるフロア。なんだ、また戻ってきただけか。
紹介されたお店はクルタ専門店で、ビッシリと商品が並んでいる。
店員のお兄さんが、色々と商品を取り出して見せてくれる。
襟辺りに模様がある民族チックなもの、シンプルで普段使い出来そうなもの、パーティー用のゴージャスなものなど様々。
色々と試着もさせてもらって、黒でシンプルなデザインのものを購入した。価格は1200インドルピーくらいだった気がする。だいたい2100円くらい。
コットン素材のものだと少し上がって1600インドルピーくらい。それでも3000円しないのだから、お買い得だ。
店員さんも、マーケットプライスだから、適正価格だよ。と言っていたし、本当に普段から着るかと言われると疑問だが、良い買い物が出来た。
店員さんに、日本人だというと、「この店のオーナーも日本に住んでいるんだよ!来週店に来る予定なんだ。」とのこと。
それから、案内人のおじさんからカシミアのお店も紹介された。
カシミアは買ったから要らないよ。と断ったけど、半ば強引に連れられた店はバブーの知り合いの店だった。
買うつもりは一切ないから、興味を示さなかったが、店員はカシミアを広げて見せてくる。
そうこうしていると、今度は別の案内人が西洋人の女性を店に連れてきた。
私は、「ほら、次のお客さんだよ」と言って店を出ていく。
それからラジュの店に戻ったが、案内人も入ってきた。
ラジュに買ったクルタを物色され、どういう経緯で私を店に案内してきたのかを聞いていた。と思う。
実際はベンガル語で話していたのでよくわからないが、日本人をカモにして色々連れ回すなと言っている用に感じた。
事実、案内人の人は引きつった顔をしていて、そそくさと店を出ていったからだ。
ふと見渡すと、店にはラジュの他、昼寝を終えたバブーと1日目で一緒に観光したアラ厶もいた。
アラ厶が「これ、君のバッグだよ」といって見たバッグは、朝スリシュの車においていたリュックサックだった。
スリシュがバックだけ届けに来たが、またどこかに用があったようで、現在渋滞のため時間内にマーケットに戻ってこれない。とのこと。
現在の時刻も18時になろうとしている。
そろそろ空港に向かう時間だ。
Goodbye Kolkata
ニューマーケットから空港までは1時間も見れば大丈夫だが、交通渋滞もあるので時間には余裕を持っておきたい。
Uberを呼ぼうとしたが、ネット環境が悪く、店のWiFiも繋がらないので、アラ厶に呼んでもらった。
ラジュに感謝を伝え、握手をしてお別れをする。
バブーとアラ厶は外で一緒に待ってくれた。
待っている間、近くの屋台で飲み物を買って、3人で乾杯。
Uberを呼ぶとき、出発地点と目的地を入れると最初から値段も確定されるのだが、到着したドライバーはそれに上乗せした値段を要求してきた。
値上げは時間帯や交通事情などの理由であったが、ここは交渉次第。
最初はアプリ内で確定している価格にしてよとお願いしたが、それなら乗せられない。と言われたので、時間もないし相手の言い値で承諾した。
アラ厶とバブーにハグをしてお別れ。
2人とは連絡先を交換しているので、いつでもまた会えると信じている。
To the Airport
向かう途中、いくつか空港があることが判明。
運転手が、「空港はあっち方面だけど、設定されている目的地は違うよ」と言った。
google mapで見ると、運転手の言う通りだったので、「友達が間違えて設定したみたい。悪いけどその空港に向かってくれる?」というと快く了承してくれた。
目的地を設定したアラムは「俺は空港には詳しいよ。前に海外旅行したからね。」と言っていたけど、見事に間違えていたようだ。
それから、交通渋滞に遭いながらも時間に余裕を持って空港に到着した。
運転手は、最初値段の交渉があったのでファーストインプレッションは微妙だったけど、親切な人だったので、言われた値段に少し色をつけて支払いをした。
じゃあね、と握手をして空港へ向かう。
At the Airport
空港内に入る前に、職員が扉の前にいて、航空券のチェックをしていた。
私もGmailに届いている帰りのフライト情報を見せると、中に入れてもらえた。
すぐさまチェックインカウンターに向かい、チェックインをしようとした時、さっき見せた航空券が見当たらない。
あれ?確かにメール内にあったはずなのに。
スターマークをつけていたにもかかわらず、探せない。
もしかして。と思ってゴミ箱を見ると、航空券情報が添付されているさっきのメールがあった。
あの職員、さっき見せた時ゴミ箱に捨てたな。
そんな事もありつつ、無事にチェックインを済ませゲートで搭乗を待つ。
Going Home
帰りは特にトラブルもなく、深夜2:10に私の現在の住まいであるベトナムのハノイに到着。
たった1泊2日の旅。
いつもの旅とは全く違う、冒険であった。
今後のインド旅行の序章にもなりうるコルカタ旅行、ここで出会った人との繋がりと思い出はずっと残るだろう。
おわり