モテないと感じている女性に国際恋愛を奨める理由・その(2)
男性には2種類いる。日本人男性と、それ以外である。
と言いたいくらい、両者の女性に対する態度、恋愛における行動ははっきりと異なっている。日本にいるあなたに、恋人が欲しいのにいないとしたら、原因はあなたではなく、男性一般の在り方の方にある可能性がある。
日本の20-40代未婚の男女のうち恋人がいるのは30%に過ぎないという統計がある。日本では、若者にとってすら恋愛は「特別なこと」である。これが日本以外の多くの(非常に多くの)場所と違う点だ。
『なんで(年下の)外人とばっかりつきあうの?』にも書いたが、日本人男性は内気で自信がなく女性を畏怖している(人が多い)ので、恋愛を始める力が世界でもトップレベル(ボトムレベル?)に低い。これは文化全体、日本の(特に都会の)人間関係に根ざす傾向だと思う。
海外に一歩出てすぐ感じることは、とにかくやたらにナンパが多いことだ。これはアジア、アメリカ、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、アフリカ等どの地域にもおしなべて言えることである。
飲食店、娯楽施設、ビジネスシーン、ジム、往来、公共交通機関、スーパーマーケット等等、およそ人のいる所ならどこでも、男性が声をかけて来る。食事やお酒の直接的なお誘いもあるが、自然な感じで挨拶され、雑談へと進むことが、日常的に起こる。そこからデートに誘われたり、連絡先を訊かれたりすることもある。そんな風だから、旅先でも短期間の滞在先でも、とにかくデート相手には困らないし、長期的な関係に発展することもある。40代になってもそうだったし、50を過ぎた今でもそうである。
そんなお出かけ先の雑談は、ときめく出逢いに発展することもあれば、雑談だけで終ることもある。色めいたことは抜きに、いきつけのお店などの店主、店員となじみになることもある。タクシー運転手と雑談に花を咲かせることもある。
ーータクシーと言えば、初めて訪れた土地、久々に再訪した土地で運転手と雑談するのを私はとても楽しみにしている。空港から宿までのタクシーで運転手とするおしゃべりが、地元の人の生活感覚などに初めて触れる機会になる。土地のニュースを聞き、久しぶりに話す言語のウォームアップをする。
さて海外では、異性だけでなく、見知らぬ同性と出先で会話することもよくある。スーパーで売り場を訊かれたり、いつまでも来ないバスについてこぼしあったり、服装を褒めたり褒められたり、ファーマーズマーケットで情報交換をしたり。連絡先を交換することもあるが、その場限りのおしゃべりを楽しんで終りのこともある。
日本に住んでいて、どのくらい見知らぬ人に声をかけられるだろうか。異性でも同性でも、最後に知らない人に話しかけられたのはいつですか。あなたはレストランや書店や電車内やスーパーや公園で、どのくらい知らない人と雑談をしますか。
ことほど左様に、日本と日本以外では人同士の距離感が違う。日本で人と近づきになるのは海外より難しいと感じることが多い。それは畢竟私の心の開き方の問題だと思うが、仮に私の心が全開でなくとも、相手の方が開いていれば、それだけつながるのは容易になろう。
見知らぬ相手だけでなく、学校、職場などで顔をあわせる機会の多い人々との距離感も、日本では遠めだなーと感じる。一体、友達になることなく恋人になることが出来るだろうか。雑談で盛り上がることなく恋愛に発展出来るだろうか。
海外で日本人女性が人気であるというのは、今も事実であると私は感じている。しかしそのことより以前に、男性全般が女性に対して積極的である、少なくとも女性を前にして萎縮していないということが、恋愛の開始にとって非常に、非常に重要だと考える。そして男性がそのように振る舞えることの基礎は、人と人との距離が近く、大半の人が他人に対してオープンであるという社会全体のメンタリティ、行動様式に求めることが出来るだろう。