ドイツでの病院受診備忘録【ドイツ留学】
つい先日、ドイツで始めて病院に行ってきました。診断の結果、ただの粘膜の炎症とわかり少しホッとしています。せっかくなのでこの体験談を含めドイツでの医療制度や受診方法などを記しておこうと思います。
一般的な薬の処方・購入
解熱鎮痛薬 (イブプロフェン, アセトアミノフェン) やアレルギー薬 (ロラタジン, セチリジン塩酸塩)、睡眠改善薬 (コハク酸ドキシラミン) などの薬は薬局 (APOTHEKE) で購入できます。
普段必要となるような薬は処方箋が必要なく、自由に購入できます。さらにAPOTHEKEであれば必ず薬剤師さん (Apotheker) が常駐しているので。症状に合わせて的確に処方して頂けます。
私の場合、自分の症状をGoogle翻訳でドイツ語に訳して薬剤師さんに見せました。日本で使っていた風邪薬の成分がわかっていれば、それを指定する方法もあります。私はイブクイックをよく使っていたので、イブプロフェンの薬を処方して頂きました。
しかし、ドイツと日本では成分の量が異なります。
日本 ドイツ
イブプロフェン 75mg 400mg
酸化マグネシウム 50mg なし
無水カフェイン 40mg なし
※1錠あたりの量
ドイツはイブプロフェンの量が多い一方、胃を保護する成分 (酸化マグネシウム) が含まれていません。400mgは明らかに多すぎるので半分にカットするなど量を調整しなければなりません。私はそのまま飲んでしまったせいで胃の粘膜に炎症が起こってしまいました。つまり、今回の受診の原因です。皆さんは気をつけてください!
病院で処方され、薬局で調剤してもらう場合もあります。公的保険の場合、処方薬は基本的に無料で受け取れますが、場合によっては5〜10ユーロの追加料金 (Zuzahlung) がかかるそうです。
また、APOTHEKEによっては自然療法やホメオパシーの薬もおいてあります。流石発祥の地なだけありますね (私は使いません)。
ドイツの医療制度
・家庭医 (Hausärzte)
・開業専門医 (Fachärztin)
・病院 (krankenhäuser)
・大学病院 (Uniklinik)
の4区分があります。初診は必ず家庭医 (かかりつけ医) を受診し、症状が重篤であれば専門医や大学病院を紹介するスタイルだそうです。
早く治療してもらいたい側からすれば手間でしかありませんが、専門医の負担を低くするという意味では重要なのでしょう。また、急患の場合は直接病院や専門医を受診できるそうです。
ドイツの医療システム (出典:ドイツニュースダイジェスト)
家庭医でも公的健康保険を受け付けていない場合があるので、私はAOKの方から頂いた病院リストからかかりつけ医を選びました。また、お医者さんの評判や得意な分野はjamedaなどの口コミサイトで確認できます。
かかりつけ医を選んでみよう
AOKの方から大学の近くの家庭医の一覧を頂きました。
家の近くだけでも3軒あります。口コミを調べて1つ選んでみました。その病院での受診やかかりつけ医登録などについては「実際に受診してみた感想」の節をご参照ください。
病院の予約方法 (オンライン)
今までは電話での予約が一般的だったそうですが、今はjamedaなどのウェブサイト上で予約できます。ドイツ語が全くわからない自分としては本当にありがたいです。
しかし、残念なことに私の近所ではウェブ予約可能な家庭医は見つかりませんでした… 全て電話での予約だそうです。結局ドイツ語は必要なんですね…
オンラインでの予約方法はゲッティンゲン大学医学部のgeina100さんが詳しくまとめてくださっているので、是非ご一読ください。
他の病院の種類
一緒に病院の種類を勉強しましょう!
・Zahnärzte: 歯医者
・Augenheilkunde: 眼科
・Hals-Nasen-Ohren-Arzt (HNO-Ärzte): 耳鼻科
・Physiotherapie: 理学療法士
・Psychiatrie: 精神科
・Orthopäde: 整形外科
・Gynäkologie: 産婦人科
他のわからない単語はGoogle翻訳をどんどん使っていきましょう。文明の利器バンザイ!
実際に受診してみた感想
3月22日に病院を受診しました。というのも、3月19日ぐらいから便意に関わらず強い腹痛が慢性的に続いたからです。この症状は3日間イブプロフェンを服用した後に発生したので、副作用による胃潰瘍だと推定しました。
ドイツ語での予約方法や診察の流れはこちらのサイトで説明されています。このnoteでは私の経験を元に解説していきます。
1. 電話で予約
まず近所で評判のいい病院に電話しました。「Do you speak English?」と聞いたところ、「Yes!」と心強い回答が返ってきて嬉しかったです。
質問された内容は次の通りです。
・Is this first time? (Yes/No)
・First name, Last name
・Birthday (Day/Month/Year)
・Phone number
・Symptom
・診察の時間
2. 診察
予約した時間に余裕を持って到着します。受付では「予約の時間」「名前」を伝え、健康保険の会員証を機械で読み込みます。あとは質問表にアレルギーの有無などを記入して待つだけです。
時間になると担当のお医者さんに呼ばれます。
・症状
・いつから始まったか
・思いあたる原因はあるか
・普段服用している薬はあるか
などの質問の後、触診などで病気の原因を診断します。ここは日本とほとんど変わりません。今回私は胃潰瘍だと思っていましたが、みぞおちを押しても痛みが無いことから胃粘膜の炎症だとわかりました。
3. 診察後
日本では待合室で支払いまで待つことになりますが、ドイツでは診察後は何もしないで帰れます。最初の受付も2, 3分で完了するので、あまりの早さに頭が追いつかないほどです。
また、処方箋が出された場合は近くの薬局に持参して薬を購入します。
まとめ
始めてのドイツでの診察で内心不安でしたが、日本と同じようなホスピタリティ溢れる雰囲気で居心地が良かったです。支払い等がない分日本よりも滞在時間が短いのも嬉しいですね。
唯一の関門は電話での予約ですが、質問される内容は決まっていますし、担当の方が英語を話せなければ別の方に代わってもらえばOKです。もし病院や診察のことで質問があってもAOKならメールで問い合わせることができるので安心です。
病気というものは突然起こるもの。健康な内に診療の予約や当日の流れなどを確認しておいて損はありません!
このnoteが未来の留学生たちの参考になって頂けたら幸いです。