乗継割引、往復割引廃止…
本日2024年12月2日、JR各社が往復乗車券の廃止を発表した。
これに伴い、きっぷの往復割引も廃止されることになる。
2024年春に乗継割引が廃止されたのに続き、今度は往復割引まで廃止になる。
いったいJRの狙いは何なのか。今回は自分なりに思考実験をしてみようと思う。
結論から言うと、JRはきっぷそのものを廃止しようとしていると思う。
「きっぷ」そのものを廃止したい↓
きっぷからネット予約、QRコード乗車券へ誘導する必要↓
きっぷを使うと得をする仕組みを徐々になくしていく↓
乗り継ぎ割引、往復割引の廃止(ついでに実質値上げもできる)↓
障害者割引は残るが、紙のきっぷではなくネットで予約するよう誘導がなされる
障割は現在「えきねっと」や「e5489」でネット予約可能、今後はJR東海系の「スマートEX」でもネット予約が可能になるだろう
学割も障害者割引と同様残るが、ネット予約限定になるなど制度の仕組みが大幅に変わる可能性がある
まだ残っている「きっぷを使うと得をする仕組み」は何か?↓
それは、「特定都区市内制度」と「途中下車制度」
JR各社はこれら2つの制度を徐々に骨抜きにしていくか、一気に廃止しようとしてくるはず↓
つまり、例えば東京⇒岡山のきっぷを買って名古屋で途中下車をするという旅はできなくなる。名古屋で降りたい場合は、東京⇒名古屋、名古屋⇒岡山でそれぞれ別に列車を予約する必要が出てくる
特急、新幹線(「のぞみ」含む)が全席指定席化されるのもその布石で、JR優等列車の「飛行機化」(予約必要、途中下車不可、ダイナミックプライシングの導入?)が進む
個人的に一番恐ろしいと思っているのは、JRが航空各社と同様のダイナミックプライシングを導入し、障害者割引の安さが失われてしまうという点。JALのように早割と障害者割引を併用できればまだましだが…
(希望的観測)現在ではJR北/東とJR東海/西/九州の間でネット予約サービスがバラバラになっているが、今後は統一化が図られるかもしれない
ネット予約サービスをJR6社で統一(あるいは統一に近い状態)させ、ネットだけでも色々な乗車券、特急券を発行できる状態にする
ただし、乗り継ぎ割引や往復割引などかつてあった割引制度がネット予約で復活するかと言われれば、おそらくそれはない(実質値下げをJRがやるとは思えない)
企画乗車券(青春18きっぷ等)は残るが、紙の切符からQRコード乗車券に置き換わっていく(18きっぷの制度変更も、省人化やネット予約への置き換えを見据えたもの)
こうして紙の切符を使うと金銭的に得ができる制度をなくしていき、在来線特急や新幹線をネットで予約、決済するのが当たり前という状況にしたいのだと思われる。