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北海道旅行記:晩秋の十勝を巡る旅(1日目:札幌⇒帯広⇒足寄)
旅の始まり
2022年10月中旬より、「全国旅行支援」が始まった。
私はこの施策には正直言って反対であり、道外からの旅行者が増え、観光地やホテルが混雑することを懸念していた。
そこで、全国旅行支援が始まって以降は、北海道旅行を自粛しようと思っていたのだが、まだ訪問できていないエリアもあるため、旅行すべきか迷っていた。
10月中旬のある日、ふとホテル予約サイトの「じゃらん」を確認してみた。
私がまだあまり行けていない、十勝地方を中心にホテルを見てみると、10月はあまり空きがなかったが、11月ならそこそこ空きがあった。
マスコミなどで当時よく報じられていた、「便乗値上げ」もなく、クーポン分を考慮するとかなり安い料金になっていたため、11月の中旬に帯広のホテルを4泊予約することにした。
旅の移動手段として、今回もJR北海道の「Hokkaido Love! 6日間周遊パス」を使う。
これに関しては、正直使うべきか迷いが少しあった。
というのも、札幌〜帯広間は「えきねっと」の「お先にトクだ値」ならば往復約7000円で済むからで、これは6日間周遊パス(12000円)より安い。
1ヶ月前から予定が決まっていたから、えきねっとで安いきっぷを予約することも得策ではあった。
ただ、この場合は乗るべき列車があらかじめ決まってしまうし、フリーきっぷではないから、普通列車には乗れない。
今回の旅では、普通列車に乗って帯広から豊頃町、浦幌町へ行くことも考えていたので、普通列車にも乗れる6日間周遊パスの方が都合が良い。
というわけで、若干割高にはなるが今回も12000円の6日間周遊パスを購入することになった。
なお、このきっぷは10月下旬で販売を終了している。販売終了直前に札幌駅でギリギリ購入した。
旅1日目(2022年11月13日)
直前まで予定が定まらない中…
前回の旅から、約1ヶ月ぶりの旅行である。本日の13日から、5泊6日で十勝地方を旅行しようと思う。
…のだが、1日目の移動については直前までほとんど決まっていなかった。
なぜかと言うと、13日には北海道地方に低気圧が接近していて、天気が荒れる可能性があったからだ。
低気圧によって天気が荒れることになれば、JRの特急は運休になり、帯広まで行くことはできなくなる。
低気圧は14日には抜け、それ以降は晴れが続く予報だから、14日以降は問題ない。
13日をどうするか、それだけが問題だった。
さて、先月予約した帯広のホテルは、14日からの4泊。13日は、別のホテルに泊まることになる。
泊まる場所の候補は、いくつかあった。具体的に言うと、
足寄(あしょろ)町
上士幌町
広尾町
以上の3つだ。足寄と上士幌は、町内に全国旅行支援(Hokkaido Love割)が使える宿があるのが主な理由。
広尾町には、全国旅行支援を使える宿はないが、帯広〜広尾は片道2時間以上かかるため、できたら町内に泊まってゆっくり広尾を見たいなとおもったのが理由である。
足寄と上士幌と広尾、どれが良いか。まず広尾町は、インターネットから予約できる宿がなく、宿泊料金も割高になるため、早々に除外することになった。
足寄と上士幌の2つに絞られたが、上士幌で全国旅行支援が使える「カミシホロホテル」はキャンセル料の発生が早く、予定が定まらない状況では予約しづらい。
したがって、最終的に足寄町に軍配が上がることになった。足寄町で全国旅行支援を使える「ホテルレウスアショロ」を検討することに。
さて、13日の朝になり、旅行出発の日になった。天気は予報ほど荒れておらず、道央や道東は特に問題ないようだ。
これなら行けると判断し、さっそく「レウスアショロ」の予約を入れた。
札幌から特急で帯広へ
ようやく予定が決まったので、さっそく地下鉄東豊線に乗り、札幌駅まで向かう。
地下鉄東豊線は、平日と土日の区別なく混雑する路線で、「まるで関東の南武線だな」と常々思ったものだが、今回は朝8時台であるせいかまだ空いていた。
※実際には、首都圏の混雑路線(JR南武線など)と比べると乗車率は低いが、札幌市民は電車内でリュックを前に抱えたり、座席を詰めて座ったりすることをあまりしないため、数字よりも混んでいるように見える。
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札幌駅から、特急おおぞら3号で、帯広まで行く。
特急は指定席を取っていたが、座席は意外と空いていた。おそらく、JR北海道の6日間周遊パスが販売終了したことも影響しているのだと思う。
札幌から帯広までは約2時間30分ほどかかる。近くもなく遠くもないという微妙な距離感である。
函館や釧路、稚内などと違い、帯広には札幌からの空路が存在しないから、どんな場合でも陸路を選択しなければならない。
午前11時半頃、ようやく帯広に到着。
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帯広からは、足寄方面のバスに乗るわけだが、発車までまだ2時間以上ある。
ちょうど昼だから、まずは昼ごはんを食べ、その後は適当に暇をつぶすことにしよう。
昼ごはんは、帯広駅の中にある「そば・うどん達福」というお店で豚丼を食べた。
帯広駅には他にも、「豚丼のぶたはげ」という豚丼専門店があるが、こちらは混んでいたのでやめた。
昼飯を食べたら、次は帯広駅のバスターミナルに行き、今日と明日使うきっぷを購入する。
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今回使うのは、十勝バスと北海道拓殖バスで使える「ビジットトカチパス」である。
ビジットトカチパスがお得過ぎる
ビジットトカチパスは、大人1日1500円、2日2500円で販売されており、それぞれ1日間、2日間十勝管内の路線バスに乗り放題となるというきっぷだ。
帯広から広尾は片道1910円、帯広から陸別は片道2300円かかるから、往復するだけで容易に元が取れてしまう。お得過ぎるきっぷである。
「十勝管内に在住している人は購入できない」という制約はあるが、十勝以外に住む道民や、道外から来た観光客は問題なく購入できる。
購入の際は、十勝管外在住であることを示す身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)と、十勝まで来たことを示すきっぷやチケットを提示する必要がある。
今回はJRで十勝まで来たので、「Hokkaido Love! 6日間周遊パス」と、特急の指定券を提示した。
十勝バスで、足寄まで行く
13時57分発、陸別行きバスで、目的地の足寄を目指す。
この路線バスは、かつてあった「ふるさと銀河線」の沿線地域を走るバスである。
帯広からJR札内駅、幕別駅、池田駅を経て、本別町、足寄町を通り、終点の陸別へと至る。
陸別では、北海道北見バスの北見行バスに乗り換えることができる。
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バスの車内は、こんな感じ。昨今の状況から、座席にはフィルムが設置されている。
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帯広から約1時間で、ようやく池田駅まで来た。特急なら20分で行ける場所だから、所要時間のギャップが大きい。
池田からは、「ふるさと銀河線」エリアを進む。乗客数は数人くらいという感じで、ガラガラの状態が続いた。
池田を出て約1時間、目的地の「足寄」バス停に着いた。
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足寄に着いた頃(16時頃)には、あたりは既に暗くなっていた。もう11月だから、日の入りが早い。
足寄バス停の近くには、写真にあるように「旧足寄駅」を再現した建物がある。
「ふるさと銀河線」時代の「足寄駅」は現在道の駅として使われている建物だが、「旧足寄駅」はそれより昔の駅舎を再現した、ということなのだろうか?
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「旧足寄駅」建物の裏には、一応駅名標もあるが、工事をしているようで近くには行けなかった。
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「旧足寄駅」の近くには、道の駅「あしょろ銀河ホール21」がある。
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足寄町出身の歌手「松山千春」の簡単なミュージアムがあったり、「ふるさと銀河線」の駅ホームが再現されていたりと、面白い施設だった。
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道の駅でマグネットを購入し、外へ出ると、建物がライトアップされていた。
さて、そろそろ夕飯を買い、ホテルを目指そう。夕飯は近くにあるセイコーマートで買う。
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セイコーマートへの道のり。16時台だが、ほぼ真っ暗だ。
Amazonで買っておいた懐中電灯が、ここで役に立った。これから更に日が短くなるから、懐中電灯は重宝しそうだ。
無事セイコーマートで夕飯を買えたので、ホテルへ行く。
今回泊まる「ホテルレウスアショロ」は、足寄の道の駅やバス停からは300mほど離れている。
ホテルの周囲は暗くなるため、バス停から歩いて泊まりに来る人は、安全のため懐中電灯などを用意した方が良さそうだ。
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数分ほど歩き、「ホテルレウスアショロ」に到着した。ホテルの建物は新しく、分かりやすく光っているので、夜でも見逃す心配はないと思う。
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部屋の様子。荷物が映るため、ほとんど撮れていないが、新しくきれいな雰囲気であることは伝わると思う。
このホテルには、足寄町で採れた木材が使われているらしい。なので鉄筋コンクリートというより、木造のホテルと言った方が良いのかもしれないが、周囲の音は特に聞こえなかった。(道路が近いため、車が通る音は聞こえる)
ただ、この日はかなり空きがあった(公式ホームページから分かる)ので、混んでいる日はまた変わってくるのかもしれない。
さて、長々と書いてきたが、今日はこれで終了。明日は、足寄を少し観光して、本別町に行きたいと思う。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。