北海道旅行記:渡島・檜山を巡る旅(7日目最終日:木古内⇒函館⇒丘珠)
旅7日目(2022年7月11日:最終日)
今日は旅の最終日。木古内から函館空港まで行き、飛行機で札幌に帰る予定だ。
まずは、木古内駅から「道南いさりび鉄道」に乗車し、函館駅まで行く。
並行在来線の不条理
「道南いさりび鉄道」は、北海道新幹線開業とともに誕生した第3セクターの鉄道。
もともとはJR北海道が運営していた、江差線の五稜郭~木古内間が、北海道新幹線の「並行在来線」とされ、JRから分離されることになった。
国は、整備新幹線が建設される場合、その「並行在来線」を、JRから地元自治体等で組織する第3セクターに経営を移管することを定めている。
わざわざ並行在来線をJRから切り離す論理的根拠としては、「整備新幹線が誕生すると、並行在来線は需要が急減する。需要の少ない並行在来線をJRが維持管理するのは重荷であるから」としている。
ただ、個人的には、「JRは整備新幹線によって追加の収入、恩恵を得ているのだから、並行在来線の損失は相殺されるどころか、むしろプラスになる」
と考え、並行在来線を第3セクターに押し付けるのは、JRが一人勝ちし、地元自治体が更なる負担を背負わされることになるだけに終わると思っている。
現に、「需要が少ない」とされる並行在来線を管理する第3セクターは、財政的に厳しい状況が続いている。
よく考えれば当たり前のことなのだが、世間には「赤字=悪」という「黒字至上主義」的価値観が蔓延しており、「赤字にしかならない状況で、黒字を求められる」というどうしようもない状況下、ただただ足掻き続けるしかない第3セクターが多数存在している。
県庁(道庁)所在地を通らず、沿線に大きな都市も少ない道南いさりび鉄道も、まさにそのような状況と言えよう。
鉄道があったりと廃止されてしまう北海道では、たとえ民営企業でない第3セクターが運営していようとも、鉄路の未来は明るいとは言えない。
過去には、国鉄から路線を受け継いだ第3セクター路線、「北海道ちほく高原鉄道 ふるさと銀河線」が廃止されるということもあった。
道南いさりび鉄道がいつまでも末永く残ることを願って、今日は木古内から全線乗車する。
木古内から函館空港へ
使用するきっぷは、「いさりび1日きっぷ」。道南いさりび鉄道全線が1日乗り放題というきっぷで、大人700円で購入できる。スマホからも購入可。
木古内~五稜郭間の運賃は980円だから、片道乗車するだけでも元が取れてしまうのだ。これは利用しないほかない。
朝7時前にホテル「クラッセイン木古内」をチェックアウトし、木古内駅に行く。
飛行機に乗る時間は遅くても良いのだが、航空券を「スカイメイト」で購入するため、早めに空港へ行っておきたいのだ。
木古内駅には、地元の鉄道にまつわる展示が置かれていた。
07時12分発、函館行き普通列車に乗車。始発の木古内では、乗客は両手で数えられる程度。
木古内を出ると、列車は北斗市を通り、函館市へと至る。
途中、北斗市で最も栄えている「上磯」を通る頃には、乗客は増え、立客が出るほど混雑していた。朝だから、通学で利用する学生も多かった。
木古内から約1時間で、終点の函館着。
函館駅から、空港連絡バスに乗り、函館空港へ急ぐ。
函館空港で時間つぶし⇒丘珠空港へ
朝9時だというのに、もう函館空港に着いてしまった。さっそくカウンターに行き、13時15分発の丘珠行きチケットを無事購入。
まだ飛行機まで4時間ほどある、空港で適当に時間をつぶそう。
函館空港は丘珠よりもちろん規模は大きく、飲食店やお店も結構充実している。
フライト情報を示す表示機(上の写真)は、昔懐かしい「パタパタ式」(正式には、「反転フラップ式」)が使われている。
空港から外に出て、飛行機を眺めることができるスポット(送迎デッキ)もある。この日は暑かったが、外にいる方が何となく落ち着くので、ここで1時間近く滞在していた。
飛行機を見ながら、ひたすら時間をつぶす。
送迎デッキには、ベンチもいくつか置かれている。今日は暑く、日差しも強かったため人は少なめだった。
そろそろ昼が近づいてきたので、昼ご飯。空港内にある、「HAKOYA」というお店で、海鮮丼を食べた。それほど高いわけでもなかったが、味はとても良かった。
昼ご飯を食べたら、空港の片隅でぼーっとして、保安検査場へと行く。
行き(丘珠⇒函館)はリーマンで混雑していたが、今回は午後発ということもあってか、乗客は少なかった。もちろんボックス席でもなかった。
前回とは打って変わって、快適な空の旅を楽しむことができて良かった。
旅の終着点、丘珠空港に戻ってきた。
空港から東豊線栄町駅まで、連絡バスが出ているのだが、ちょうどきた北都交通のバスは交通系ICカードに対応しておらず、小銭が必要だったので歩くことにした。
丘珠空港から栄町駅は、徒歩10~20分程度。冬は雪がひどく、歩くのは厳しいと思うが、夏ならば問題ない。
旅の総括
今回は、6泊7日で渡島・檜山地方を巡った。
訪れた自治体は、以下の通り。
乙部町(1日目:宮の森公園などを訪問)
江差町(2日目:姥神大神宮、開陽丸、フェリーターミナルなど)
厚沢部町(3日目:道の駅、水の環境公園、図書館など)
鹿部町(4日目:町役場、道の駅、鹿部駅など)
北斗市(1~5日目:新函館北斗駅、東横イン)
函館市(1日目、7日目:函館空港、函館駅)
七飯町(4日目:道の駅)
木古内町(5~7日目:木古内駅、道の駅、みそぎ浜など)
上ノ国町(5日目:湯ノ岱温泉)
知内町(5日目:知内町の中心部を散策)
松前町(6日目:松前城、旧松前駅など)
福島町(横綱記念館、青函トンネル記念館)
7日間という長い旅で、たくさんの自治体に訪れることができた。
飛行機、鉄道、バス、新幹線と、多種多様な交通機関を楽しむこともでき、充実した旅だったと思う。
今回の旅行記はこれで以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。