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【旅行記】秋田実験旅行2日目:男鹿線の旅

朝6時頃起床。
朝飯は東横インの無料朝食を食べる。
コロナ禍中(正確には感染症法「5類」移行前)は、バイキングを盛り付けるときに手袋をつける必要があったが、今は特にそのような案内はされていなかった。
朝食は2階のフロントでも食べられるが、専用のトレイに入れて部屋で食べることもできる。私はもちろん部屋に持って帰った。


男鹿線に乗って男鹿駅へ

ホテルでほんの少しだけ仕事をしたのち、JR秋田駅へ向かう。
秋田駅から、9時11分発の男鹿線男鹿行きに乗車する予定だ。

秋田エリアでは、男鹿線の全線、羽越線の秋田~新屋間、奥羽本線の追分~秋田~和田間で交通系ICカードが使える。
なぜ男鹿線だけ全線でICカードが使えるのだろうか?

ちなみに男鹿線では、最近「無賃乗車」が問題になっているらしい。
無人駅⇔無人駅を移動する場合、運転手にバレずにタダで列車を乗り降りすることができるという認識が、地元住民の一部に広がっているようだ。

首都圏なら鶴見線、札幌なら学園都市線など他のエリアにもキセル乗車ができそうなスポットはあるが、分かっていてもやらないのが常識だろう。

発車までしばらく時間があるので、駅改札内を散策する。

駅ホームに向かう通路にこのような写真が並べられていた。
駅前の芝生広場は最近できたばかりらしい。
以前は駐車場だったことを考えると、広場ができたことで回遊性が増し、歩行者が駅前を歩きやすくなったことは大変素晴らしいことだと思う。

1番線に男鹿線の列車が入線してきた。

男鹿線の車両

車両は蓄電池車の「EV-E801系電車」。
以前はキハ40という古い車両が使われていたが、数年前に新しい車両に置き換えられた。

男鹿線の車両

赤と青の鮮やかなデザインの車両だが、なぜか外から車両の中の様子が見えないほど窓ガラスが黒い

車内にて

男鹿線はローカル線だし、ボックスシートがあるかなと思いきや、まさかのオールロングシート
キハ40時代はボックスシートがあったのに・・・。

車内には新車特有の匂いが漂っている。
北海道でいうと、H100形と同じような匂いだ。

平日だがそこそこ人が乗っていて、行楽か何かで男鹿方面に向かうと思われる地元のおばさん連中がやけに盛り上がっている。

9時24分に始発の秋田駅を発車。
私の周りには優先席に座るスーツ姿の中年男性と、高校生らしき男子、そして旅行客のような雰囲気の中年男性がいる。
生憎私のすぐ向かい側に人がいるので、車窓は極力見ず寝たふりをする。

秋田の隣、泉外旭川(いずみそとあさひかわ)は最近できた新駅
今回は乗降がなかったが、朝夕の通勤通学で利用されていそうだ。

秋田の2つ隣、土崎で数人の乗客が降りたが、私の真ん前にはまだ人がいるので、寝たふりを続ける。

追分で奥羽本線と分岐。
ここでも下車があったが乗ってくる人もいる。
私の真ん前の人は引き続き大股を開きながら座っている。

追分から男鹿線に入ると、列車は快調なスピードで飛ばしてゆく。
左窓には海が見えてくる頃合いだと思われるが、ロングシートなのに加えて窓ガラスが暗く加工されているので、景色を楽しむのは難しい。

追分の隣、出戸浜駅。
浜と名の付く駅だが特に海は見えない。
ここでも乗車あり。
男鹿線の利用者は意外と多いようだ。

上二田駅周辺も住宅街が広がり、単調な景色が続く。
私の真ん前の乗客は近くに高校生が乗ってくると、大股開きから足組みモードに変更。
この駅からお婆さんがすぐ近くに乗ってきたので、さらに景色が見づらくなる。

二田、天王駅も引き続き住宅街
乗客はさらに乗ってくる。
まだ座る席はあるが、詰めて座る文化のない地方都市なので、立ち客も現れ始めた。

天王駅を超えると、船越水道を渡る。
この付近には巨大なまはげがあるようだが、徒歩ではアクセスしづらい場所にある。

船越水道を渡るとすぐに船越駅に着く。
この駅周辺も住宅が多そうだ。
船越では結構な数の客が下車。
同時に乗車する客もいたが、乗車率は幾分下がった。

脇本駅まで来るとようやく住宅が少なくなり、田んぼが広がり始めた。
駅名標はなまはげ仕様になっている。

終点の一つ手前、羽立駅に向かう車窓には一面田んぼが広がる。
ようやく見応えある車窓になってきたが、相変わらず私の真ん前には大股開きの客がいる。

田んぼを抜けると林のような景色になり、トンネルを超えて男鹿市の中心部へと走り抜ける。
羽立駅周辺は田んぼと年季のある住宅が共存する、日本の原風景のような場所だ。

車内にはまだそこそこ人が乗っている。
男鹿まで行く人がこんなに多いとは意外だ。

男鹿の街並みが見えてくると、終点の男鹿駅に到着。
海が近いイメージだったが、海だけでなく山もすぐ側にあるエリアだ。
車窓からは古いホテルの建物も見えた。

男鹿駅ホーム

男鹿駅で下車した乗客のほとんどが観光客のようだ。

行き止まりになっている線路

盲腸線特有の頭端式ホーム。
何となくJR稚内駅と似ているような雰囲気だ。

Suica専用改札をタッチし、駅の外へ出る。

男鹿駅前の広場

駅から外に出ると、目の覚めるような気持ちの良い広場が我々を出迎えてくれる。
すぐ近く(茶色の建物)には道の駅もあり、鉄道利用者とマイカー利用者がここで一堂に会する。
北海道にも鉄道駅と道の駅がお互いすぐ近くにある駅というのはいくつかあって、例えば稚内駅、木古内駅、浜小清水駅などが挙げられる。

男鹿駅の駅舎

この駅舎は最近建てられたばかりのようで、個性はあまりないが新しく綺麗な風貌をしている。

男鹿駅周辺散策

とりあえず男鹿駅周辺の街を散策してみる。

神社とお寺がある。
突然急な坂が現れるが、平地ばかりの地域に住んでいるから、坂があるだけでなんだか高揚感が湧いてくる。

登りがいのある上り坂だ。
気温は25度前後になっており、関東や東海、関西と違って災害級の暑さにはなっていない。
雨も降っておらず曇り空のため、散策には最適な天候だ。

梅雨といえば紫陽花
札幌ではあまり見かけることがない(もしかしたらどこかに咲いているのかもしれないが)ので、とても珍しいものを見たような気分だ。

高台からの見晴らしも良い。

お寺を見たら、引き続き男鹿市内の中心部を適当に歩いてみる。

スナックや居酒屋などのお店が立ち並んでいて、小さな歓楽街が形成されている。

長い歴史を感じる建物も。
このビルディングはまだ現役なのだろうか。

本州の街並みといえば瓦屋根のある家々の存在が欠かせないが、このエリアは比較的新しい建物が多く、瓦屋根はあまり見られない。

秋田の市外局番は018
北海道と青森、秋田、岩手の市外局番は01から始まっている。

バス停を見かけた。
やはり本数はそれほど多くはない。

川の流れる美しい道。
とても風流な場所だが、道路の道幅はかなり狭くなっていて、すれ違いが大変そうだ。

男鹿市役所付近には中川公園という公園があり、この階段を上ると公園まで行けるようだが、何となく虫が多そうな気がしたので行かないことに。

市役所の建物が見えてきた。

市役所を正面から撮影。
五階建てのかなり立派な建物だ。
男鹿市の人口は約2万2000人らしいから、建物のデカさと人口とのギャップに驚かされる。

市役所前の中心市街地の様子。
車は通っているが、人の姿はほとんど見られない。
とりわけ「若者」がいない。

男鹿市は秋田市から比較的近いところにあるから、進学や就職などで秋田に出る人が多いのだろうか。

ドラえもんが見守っている。

中心市街地は綺麗に整備されていて、車の運転もまともだなと思っていると、突然「ピーッ!」というクラクションが。
所々道が狭い箇所があるから、慎重な運転をしなければならない。

再び路線バスのバス停を発見。
バスで行こう」はもちろん理想だが、地方都市に住むほとんどの人が「車で行こう」になってしまっているのが悲しい。

男鹿市立図書館。
公民館と同じ建物に入っているようだ。

図書館の隣には市のコミュニティセンターがあった。

図書館の向かい側には「ドジャース」というスーパーがある。
ドジャースは秋田市を中心に展開するディスカウントスーパー。
店名はもちろん「ロサンゼルス・ドジャース」から来ている。

男鹿市はなまはげの町。
至る所になまはげが描かれている。

さて、男鹿市の中心市街地は一通り見終わったので、次は道の駅に行こう。

道の駅の近くには、このような線路が敷かれている。
かつて男鹿駅と船川港を結ぶ貨物線があったらしい。
貨物線が廃止になったのは2002年。意外と最近まで残っていたのか。

道の駅周辺にはさらに、「船入踏切」という踏切もおかれている。

貨物線に設置されていた踏切で、現在は踏切として機能していないが、貨物専用線があったことを今に伝える貴重な代物だ。

道の駅でトマトとラスク、おやき、チーズパンを買ってきた。
出費は合計1000円ほど。
昼飯で1000円とは贅沢な話だが、昨日は300円しか使わなかったから平均値で言えばまだ600円くらいだ。

できれば北海道にあるような「道の駅マグネット」が欲しかったのだが、見つからなかったので買えず。

駅前広場のベンチで昼飯を食べる。
トマトのクオリティがとても高かった。
スーパーと同じくらいの値段なのに、ヘタが取りやすく、皮が歯にくっつきにくく、さらに程よく熟れていて美味しい。

男鹿駅前の自販機で水を買っていたら、近くに来た女性2人組がなまはげの顔ハメパネルについているボタンを押していた。
ボタンを押すとなまはげの肉声が流れるのだが、日本語だけでなく英語や中国語、韓国語にも対応している。

彼女らは初め韓国語の音声を、後から日本語のそれを流し、「あっそういうことを言ってたんだ。○○(韓国語の単語)って「ゆっくり」って意味だもんね」などと話していた。

私も韓国語はほんの少しだけ分かるが、「ゆっくり」を韓国語で何というのかは知らなかった。まだまだ勉強が足りない。

昼飯を食べたら道の駅を後にして、海の見えるスポットに行く。
あの有名な「ゴジラ岩」は男鹿市にあるのか、それは知らなかった。

バス会社の倉庫のようなところを通る。
緑色に統一された鮮やかな色合いの車体と、もはや使われなくなった大量のバス停が並べられている。

男鹿みなと市民病院の建物。
1980~90年代頃に建てられたような外見をしている。
(調べてみると、1998年にこの地に新築移転したらしい。)

OGAマリーンパークという所にやってきた。

街の中心部からは若干外れたところにあるので、人は全くいない。

この階段を上ると、日本海の景色が見られる。

天気は曇り空だが、それでも申し分ない景色だ。
やっぱり海を見ると落ち着く。

そういえばここ1~2年、ほとんど海を見ていなかったような気がする。
最後に見たのは2022年12月、北海道の標津町に行った時だろうか。

私の住む札幌市には海がないので、気軽に海を見に行くことができない。
近隣自治体の小樽や石狩には海があるが、小樽は観光地で混んでいるし、石狩は車じゃないと行きづらい。
それ以外となると、積丹や苫小牧・室蘭、留萌方面まで足を延ばさなければならなくなる。

まあ同じ小樽市でも銭函や蘭島あたりならそれほど観光客はいないから、行くとしたらその辺りが狙い目か。

徒歩で羽立駅まで


さて、ここからは徒歩で男鹿の隣駅、「羽立駅」に行こうと思う。
Googleマップによると、徒歩45分程度でアクセスできる。
これなら行けると思い、出発することにした。

なぜわざわざ隣の駅まで徒歩で行くのか?
特に理由はない。
強いて言うなら、次の列車までまだ1時間くらい時間があるから、40分歩いて隣の駅まで行った方が時間を有効活用できると思ったからだ。

美しい海の景色、そしてしっかり整備されたスロープ。

線路沿いを走る道路沿いを歩きながら、羽立駅を目指す。

消防署や公園の脇を通る。
関東以西と比べればかなり涼しい(札幌とほぼ変わらない)とはいえ、若干蒸し暑く感じてきたので、持ってきたタオルで汗を拭う。

大通りから外れ、羽立の集落の方向へと進んでいく。

歩道はかなり狭いが、一応ガードレールがあるのでそれほど危険ではない。

静かな住宅街の中を歩く。
道路が狭いので、車が来なければいいなと心の中で思いながら。

男鹿線の線路

男鹿線の線路が見えてきた。

ここからは線路沿いを歩く。

ふとGoogleマップを見ると、嫌な予感がした。
「もしかしたら、歩道が行き止まり?」
Googleに嵌められたか?と思い先へ進むと・・・

「警告」と書かれた看板

突然「警告」と書かれた看板が目に飛び込んできた。
男鹿保線区、男鹿市がこの看板を設置したと思われる。
男鹿保線区」について調べようと思いGoogleで検索したのだが、ページが1つもヒットしない。
国鉄時代には保線区があったのだろうか?

ここは良い撮り鉄スポットになりそうだが、列車の本数はそれほど多くないので、結局通過する車両を見ることはできなかった。

鬱蒼とした茂みの中を歩いている。
街灯は全く設置されていないから、夜間ここを歩くのは困難だろう。
というか、昼間ですら何だか怖い雰囲気がある。

線路沿いの歩行者専用道路には人も車もいない。
こんな道があるとは、実際行ってみないと分からない発見があるものだ。

橋の下を潜ると、ようやく羽立駅が見えてくる。

駅前駐輪場には多くの自転車が停められている。

簡素な駅舎だが、自販機とゴミ箱があるのは良いと思う。
駅前には公衆トイレもある。

駅舎の中の様子も見たかったが、既に女性がいたので諦めた。

なまはげ仕様の駅名標。

帰りはひたすら後面展望を見ながら秋田駅へ向かった。

秋田市の歓楽街(川反)を見る

すでに1万歩以上歩いているが、まだ体力が有り余っているので、ついでに秋田市の歓楽街を見ていこうと思う。

昨日は駅前の繁華街(青色で囲ったところ)を見たので、今回は川沿いのエリア(赤色で囲ったところ:川反(かわばた)という地域)に行ってみる。

Googleマップによれば、徒歩20分ほどで「川反」の入口付近までたどり着けるらしい。

秋田県立美術館の脇を通る。

ラブホテル検索サイトの広告が現れ始めたことから察するに、歓楽街はすぐそこだろう。

狭い道を歩き切り、ようやく川の近くまで来ることができた。

工事中のため通れる道が少なく、悪戦苦闘しながらようやく川を渡る。

いよいよ「川反」エリアに突入だ。
相変わらず道が狭く、しかも路駐している車がいるから歩きづらい。

新政」とは?
建武の新政の「新政(しんせい)」ではなく、秋田県の酒造会社「新政(あらまさ)」を指している。

昼間なので当然人はほとんど見られないが、夜になると賑わいそうだ。

さらに先へと進み、よりディープなエリアもついでに見てみる。
道路を車がビュンビュン走っていて、ここまで来るのに苦労した。
客引きが1人だけ居て、「お店どうですか」という声が聞こえたが、声の主がどこにいるのかは分からなかった。

ちなみにもう少し路地裏に行くと、より多くのお店を見ることができたのだが、店を利用しない人間が行くには不自然なので、そこには立ち入らなかった。

歓楽街は道が狭くて歩きにくかった。
駅前とはえらい違いだ。
場所柄、再開発のしづらい土地だろうから仕方がないが、ここまで歩きにくいと飲酒運転が多発していないか心配になる。

あとは特にやることがないので、遠回りしながら秋田駅へ戻る。
平田篤胤終焉の地」という看板が目に入る。
平田篤胤って誰だっけ?確か片山杜秀先生の本で見たような記憶が。

秋田市内の道路は所々狭く、くねくねとしていて結構分かりにくい。
札幌のまっすぐな道路に慣れてしまったせいか、結構疲れた。

千秋公園のハス

Googleマップで秋田市内の様子を調べてみたら、千秋公園という大きな公園があることが分かったので、寄ってみることに。

思ったより広い公園で、もう少し奥まで行かないとメインのエリアまでたどり着けなさそうだ。
もう2万歩近く歩いて疲れたから、ここで退散しよう。

ハスがたくさん咲いているのは見応えがあった。
私の地元の公園もハスが有名だが、こちらの方が遥かに有名なのだろう。

秋田駅西口

秋田駅に戻ってきた。

駅前では自衛隊の勧誘チラシを配っている人がいた。
私には特に無反応だったことを考えると、高校生から二十歳くらいの人を中心にリクルーティングしているのだろうか。
「ALS」(アルス)という駅ビルに入っているマツモトキヨシで酔い止めを買い、駅の内部にある「NEW DAYS」で夕飯を買った。

NEW DAYSはJR東日本エリアにしかないので当然ながら久々の利用となったわけだが、魅力的な商品はそれほどなかった。

レジ待ち中、私の2つ前にいたスーツケースを引く女性が、自分の持っていた商品を戻そうとこちらの方向にやってきたのだが、商品をギューッと押し付けるような形で戻していたので、「うわっ」と思った。
しかも店員の愛想が今一つだったので、少し残念な気分に。
まあ鉄道会社がやってるコンビニだからこんなもんか。

本日の出費(ホテル代除く):4247円
内訳
交通費:1452円
食費:1677円
飲み物代:240円
その他(マツモトキヨシ):878円

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