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色々な意味で「安い街」になっている札幌

最近、またまた札幌で、世間を賑わす一件があったようだ。

地下鉄に乗っていた観光客の女性が、マスクをしていなかったという理由で、乗客の一人が激怒し、非常停止ボタンが押されるまでに至ったという。

私はこの話題を聞いてふと、札幌が色々な意味で「安い街」になっていて、それが市内における治安悪化を進めているのではないかと考えた。

急速な円安により、日本という国自体が「安い国」になって久しいが、札幌は、とりわけ安い地域であると言える。

ここで言う「安い」というのは、何も地元民にとっての話だけではない。
観光客にとっても、札幌は「安い街」になりつつある。

例えば、本州から北海道へ行く場合、
LCCを使えば、片道数千円程度で新千歳に行ける。
新千歳へは、国内各地から飛行機が出ている。
そして、札幌へは新千歳から片道30分、1000円ちょっとでアクセスできる。

つまり、道外から札幌に行くという行為は、別に特別お金がない人でも余裕でできてしまうことなのだ。

しかし、これが例えば知床とかになれば、話は若干変わってくる。

知床の場合、最寄りの空港は女満別空港になる。
女満別に飛ぶLCCはなく、JALやAIr Do等を利用する必要が出てくる。

女満別についても、知床までの道のりは長い。
レンタカーにせよ、バスを使うにせよ、ある程度のお金がなければ、現地に辿り着けないのは言うまでもないだろう。

宿泊施設についても、同じことが言える。
知床など、観光地としての知名度があっても、
街の規模が小さいエリアの場合、安い宿はそれほど多くはない。
そのため、滞在したければそこそこの金額を宿に支払う必要が出てくる。

一方で、札幌の場合は状況が全く異なる。
札幌市は政令市であり、日本を代表する五大都市。
国内旅行やインバウンド需要の回復で、宿泊施設の料金は上がりつつあるが、それでも安い宿は選ばなければたくさんある。

カプセルホテル、ドミトリー、そして宿ではないが、ネットカフェを使うという手もある。

食べ物に関しても同様だ。
観光客向けの、価格が高い店でなければ、安くご飯を食べることはもちろん可能。

つまり、札幌に訪れ、観光をするというのは、貧乏旅行者でも充分に可能だということである。
ゆえに、札幌は観光客にとっても、「安い街」であると言えると思う。

まあ、今回の一件では観光客の方が「被害者」であったわけだが、
これからは観光客が「加害者」となるケースも起きかねないと思う。

さて、日本国内でも特に貧困率の高い北海道は、古くから「安い」地域であったと推測される。

北海道特有の「来るもの拒まず」の精神や、出稼ぎ労働者が多かった歴史も手伝って、北海道はさまざまな属性がごちゃ混ぜになった、「なんでもあり」の地域となっている。

それ自体は悪い面ばかりではないのだが、やはりどうしても「変な人」への遭遇率は(地方にしては)高くなる。

そんなわけで、今回の一件のようなことも、上述の北海道特有の事情が関係してくるのだろうか、と考えてしまう。

「札幌」と聞くと、東京や大阪などとは違う、広々とした平和な都市というイメージを抱くかもしれない。

しかしながら、札幌の貧困率は大阪市に次いで、政令市ワースト2位
の地域でもある。
要は、外面は綺麗だが、
奥深くには色々とどす黒い部分があるということ。

札幌観光は楽しいものだけれど、時として変な人に遭遇する可能性はあるので、ほどほどに警戒しながら行動してほしい。

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