北海道旅行記:「ありがとう、どうみん割」の旅(5日目:北見市常呂、佐呂間町浜佐呂間を散策)
旅5日目(2022年10月9日)
旅も5日目。今日は、北見市常呂(旧常呂町)に行って、サロマ湖でも見たいと思う。
朝食は、ルートインのバイキング。メニューがたくさんあって、ボリュームある朝食をいただくことができた。
朝8時の北見駅前。今日は天気がとても良い、行楽日和だ。
北見駅前のバスターミナルから、8時10分発の「常呂」行きに乗車。今日はバス旅だ。
北見~常呂間は本数が非常に少なく、8時10分発を逃すと、次は14時までバスがない。
運賃も非常に高く、片道1870円もかかる。ただ、今回は往復でたったの2000円で済んでいる。
それはなぜか?「北海道北見バスフリーパスチケット」を使っているからだ。
このチケットを使うと、2000円で1日中、北見バスと北見市営バスの路線バスに乗り放題となる。とてもお得なきっぷだ。
常呂行きのバスは、5~6人の乗客を乗せて北見を出発。途中の乗降はほとんどなく、ほぼ全員が終点の常呂交通ターミナルで下車した。
常呂交通ターミナルは、旧国鉄湧網線の常呂駅があった場所にある。
北海道北見バス、網走バス、北見市営バスの3社が乗り入れる、まさに「ターミナル」である。
網走バスの窓口もある。日曜祝日はお休み。
網走バスは、網走から常呂へ至るバスを運行している。この区間は、旧国鉄湧網線が走っていたところ。
鉄道廃止代替バスだから、窓口もしっかり置かれているということなのだろうか。
さて、常呂交通ターミナルを出発し、サロマ湖へ向かう。ここから先は徒歩旅だ。
「オホーツクサイクリングロード」が整備されている。常呂のターミナルにレンタサイクルがあればいいなと思っていたが、やっぱりなかった。
このサイクリングロードは、旧国鉄湧網線の線路が通っていたところをなぞっているらしい。
日曜日だが、サイクリストの姿は見かけない。
カーリングホール。常呂はカーリングで有名な街だ。
途中、セイコーマートで昼ご飯と飲み物を買っておく。ここから先はコンビニはおろか、商店もあまりない地域だから、食料を買っておかなくては。
その後はひたすら、栄浦方面に進んで行く。
車はビュンビュンと通るけど、人はほぼいない。
サロマ湖は夕日が有名なのか。国道238号は、「オホーツク国道」という愛称が付けられているらしい。
ここからは国道238号を外れる。正面のお店では、沢田研二の「TOKIO」が流れていた。
道を歩いていて思ったが、この辺は人が少ない割には、ゴミが結構落ちていた。
空き缶、ペットボトルが多かった。それほど汚れていないから、海や湖から流れてきたものでもないはずだ。
まさか、車からゴミを投げ捨てる輩でもいるのだろうか?そんな人間が自動車免許を持ち、車を乗り回しているのなら、そいつらは羆より厄介だろう。
サイクリングロードはまだまだ続く。脇を通る車は、ビュンビュンと通り過ぎて行く。
この景色を独占しているのは、私だけだろう。車旅では決して味わえない贅沢だ。
史跡常呂遺跡。この辺りの「オホーツク文化」は勉強してみると面白そうだ。
サロマ湖は近い。交通量はそれほど多くはなく、落ち着いたウォーキングができる。
熊は出ない地域だろうが、少し心配なのでスマホで動画を流しながら歩く。
歩いていると、バス停が見えてきた。
「トーフツ」というバス停だ。網走バスと、北見市営バスのバスが通る。
サロマ湖周辺の美しい景色を見ながら、ウォーキングを楽しむ。
車こそ通るが、人は全くいない。人っ子一人いない場所を歩く楽しさは、何にも代えられないと思う。
栄浦の集落が見えてきた。
「ワッカ原生花園」という名所があるが、シーズン外なのでスルーした。
栄浦のバス停。網走バスと、北見市営バスが通る。まだ「常呂町」の表示が残っている。
「サロマ湖」という名称が入っている網走バスと、ただ単純に「栄浦」という名称の北見市営バス。両社の違いを考えてみると面白い。
先ほども書いたように、網走バスは網走から常呂、そしてここ栄浦までのバスを走らせている。
網走から直接行けることもあり、観光客が訪れることも少なくないのであろう。だからこそ、道内随一の観光名所である「サロマ湖」の名が入っているのだと思う。
一方で、北見市営バスは常呂から栄浦までを結ぶバスを走らせている。このバスを使うのはほとんどが地元の人と思われ、観光客が乗る機会は少ない。
そのため、集落の名を冠した「栄浦」という名称を採用しているんだろう…
栄浦は結構大きな集落だ。宿泊施設もいくつかある。
これは「船長の家」という民宿。
向かいには、「サロマ湖鶴雅リゾート」という高級そうな宿もある。
鶴雅リゾートの近くに休めそうな場所があったので、ここで昼休憩。常呂の交通ターミナルから2時間ほどかかった。
先ほどセコマで買った昼ご飯を食べ、少し休憩してからウォーキングを再開。
この近くには、「ところ遺跡の森」というスポットがあるらしい。東大の研究室がこんなところにあるのも面白い。
「ホタテ養殖発祥の碑」があった。
裏側から見るとこんな感じ。
先に進んで行くと、サロマ湖駐車公園が見えてきた。ここから見るサロマ湖の景色は素晴らしい。
駐車公園なので、車が何台か停まっていた。私はそそくさと先へ急ぐ。
サロマ湖を横目に見ながら、佐呂間町方面に進む。素晴らしいウォーキングコースだ。
時折車がすぐそばを通る。ドライバーは私を見て何を思うのだろう?
この辺の車はだいたい50~80km/hのスピードを出しているから、私の姿は一瞬しか見えないと思うが、「何か歩いている人いるよ」くらいしか思わないかな。
「密漁注意」の看板もある。
もう結構な距離歩いてきているのだが、不思議と疲れは少ない。絶景を見ながら歩いているからだろうか。
栄浦から30分~1時間くらい歩くと、「サロマ湖入口」のバス停が見えてきた。
これはGoogleマップにも登録されていない、知る人ぞ知るバス停だ。
最終的にはここから常呂までバスで戻るのだが、バスの時刻(15時ちょうど)まではまだまだ時間がある。
その先、「浜佐呂間」方面に行ってみる。ここからは国道238号に戻る。
日曜ということもあり、238号はたくさんの車が通っていた。
ここを北に進むと、稚内まで行けるらしい。そりゃバイクや行楽客が多いわけだ。
サロマ湖入口のバス停から徒歩10~15分ほど、北見市と佐呂間町の境界線に到着。
佐呂間町は、公共交通機関を使う旅行者にとって、非常に行きづらい自治体だ。
おそらく、北海道内で最も(公共交通機関)で行きづらい自治体だと思う。
その具体的な説明は機会があればまた別の時にしたいと思うが、簡単に言うと、「バスが全然走っていない」のだ。
「バスがないなら、車か徒歩で行けばいいじゃない」とは言いたかないが、今回は仕方なく徒歩で佐呂間町に行くことになった。
佐呂間町に入っただけでは面白くないし、バスまで時間があるから、「浜佐呂間」の集落まで行くことにする。
佐呂間町と北見市の境界から10分ほど、ようやく街が見えてきた。
浜佐呂間はそこそこ大きな集落で、セイコーマートはないが、個人商店や、宿泊施設がある。
なかでも「サロマ湖ゲストハウス さろまにあん」はGoogle口コミで星4.7という超高評価である。今回はスルーするが、いつか泊まってみたい。
「魚の安い店」と書かれた、「斉藤商店」という商店が繁盛していた。
浜佐呂間には公園もある。東屋がある立派な公園、ここで少し休む。
佐呂間町にはかつて国鉄湧網線という路線が通っており、網走や常呂から鉄道で直接行くことができた。
鉄道が廃止されて以降も、しばらくは常呂から佐呂間町へ行く代替バスが運行されており、一応はしっかりした公共交通が残っていた。
しかし、2010年には代替バスさえも廃止され、現在は平日、わずかにスクールバス(一般人も乗車可)や、通院用のバス(こちらも一般人乗車可)が走っているのみ。
このような経緯で、佐呂間町は北海道で一番、公共交通で行きづらい自治体となってしまった。
昔は鉄道、バスで行けたのに、今は徒歩くらいしか移動手段がないなんて。
日本は豊かになっているどころか、少しずつ衰退しているんだなあと思った。
日曜日なので、公園には高校生くらいと思しき若者がいたが、私が来るタイミングで誰もいなくなった。人を寄せ付けない能力がここでも発揮されてしまったか。
疲れも取れてきたので、またサロマ湖入口のバス停まで来た道を戻る。徒歩20分ほどの道のりだ。
ありがとう、さらば、佐呂間町。頼むからもう少しバスを走らせてくれ。
サロマ湖入口のバス停は、常呂町「岐阜」という地域にあるらしい。岐阜県と何らかの関わりがあるんだろう。ちなみに常呂には「土佐」という地名もある。
バス停には14時30分頃到着。バスが来るまで30分、適当に待つか。
バスを待っていると、突然昭和のクラシックカーが大挙して押し寄せてきた。
↑の写真に写ったような車が10~20台くらい、連続して道を走って行った。
交通量はそれほど多くはない道だから、何があったのかと驚いた。日曜日だから、趣味で車を乗り回す人たちが集まって企画でも開いていたのだろうか。
Twitterで検索してみたが、それらしい書き込みは全くない。正体は不明である。
15時過ぎ、北見市営バスがやってきた。乗客は0人。20分ほど乗車し、常呂交通ターミナルで下車。
常呂からは、15時52分発の北見行きで帰る。バスまで30分くらいあるので、ターミナルから近いオホーツク海を見に行く。
常呂交通ターミナルの近くには、立派な温水プールがある。日曜日だが、休館日だった。
常呂交通ターミナルは、オホーツク海から非常に近い場所にある。
もし常呂駅が現在まで残っていたら、「北浜駅」などと同様に、「海が近い駅」としてもてはやされていたに違いない。
鉄道が廃止され、バスになったが為に、観光客やマニアのほとんどから見向きもされなくなってしまう。
それはそれで悲しいが、逆を言えば、観光客が少なく、快適に海の景色を楽しめるということでもある。
オホーツク海もいいな。
あの海の向こうには何があるのだろう?
バスの発車はもうすぐ、15時40分過ぎ、ターミナル前には北見行きバスが停まっていた。
15時52分、常呂交通ターミナルを発車。
始発の時点で乗客は4~5人、本数が少ない割には意外と利用者がいる。
途中、「仁頃町」のバス停で2人増え、「のんたの湯」から3,4人乗ってきた。
その後も乗客は増え、終点の北見に着くころには10人以上になっていた。
17時03分、北見着。夕飯は駅前のセイコーマートで買い、ホテルに戻った。
6日目の様子は、次の記事でお伝えします。最後までお読みいただきありがとうございました。