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日本人はルールが好き?がんじがらめ?
東南アジア、といっても、僕が行ったのはベトナムとカンボジアだけだが、交通事情にはルールがないように思える。
もちろん法律はあるだろうが…。
特にベトナムだが、スクーターがとてつもなく多く、文字通り四方八方から押し寄せてくる。
あるとき土産物屋で目にしたTシャツに書いてあった絵柄が忘れられない。
そのTシャツには信号が描かれており、緑・黄・赤の部分にそれぞれ文言が書かれている。
緑:I can go(進める)
黄:I can go(進める)
赤:STILL I can go(“まだ”進める)
もちろん観光客用のジョークTシャツだが、実態がジョークではない。
赤信号は大通りでもない限り、たいてい無視されている。
もちろんそうならざるを得ない背景はあると思う。
専門家ではないので断片的な情報からの推測になるが、ベトナムはドイモイ政策(簡単に言うと市場開放と対外開放)により、経済の発展が著しい(東南アジア各国に見られる発展と言えるかもしれないが)。
それもあってか、むしろこちらが早いのか、人口が増え、所得が増えてスクーターに乗る人が激増したのだ。
あるサイトには「国民の2人に1人がスクーターを持っている可能性がある(人口が約1億人のため、スクーターが5000万台)」とまで書かれていた。
大量のスクーターと車が行き交い、信号無視や逆走なんてことも日常茶飯事。
しかし、それに慣れた歩行者は見事なまでに荒れ狂うスクーターと車の間をすり抜けて道を渡る。
長々とベトナムの交通事情について書いたが、要は「これはこれで機能している」のだ。
日本は事細かく決められたルールに加え、暗黙のルールもある。
その中で、人々がルールを守ることで社会が機能しているように思える。
当たり前のことだが、ルールがあることは素晴らしい。
ルールがなければただの無法地帯、国なら崩壊しているし、スポーツならそもそも成り立たない。
だが、日本のようにルールを決め過ぎている(僕の感覚)のも、それはそれで大変ではないだろうか。
ルールを逸脱すれば、問答無用でルール違反のレッテルが貼られ(もちろん裁判では、違反者の背景なども考慮されるだろうが)、場合によっては袋叩きなんてことも。
まぁ、袋叩きにあっても仕方のない人もいるし、犯したルールの割に罰則が緩いと思ったら僕も「ざまぁみろ」と思う。
しかし、その一方で会社での「暗黙の了解」や、学校での「校則」のように、ルールに息苦しさを感じる人も多いと思う。
ベトナムで一度、交通事故を見かけた。
高校生くらいの女の子が乗ったスクーターがタクシーに突っ込み、タクシーの後部を見事に凹ませた。
どうなるんだろうと見ていたら、タクシーの運転手が「別にいいよ」というそぶりを見せて終わった。
見ていた僕の方が「いや、その凹み方は良くないだろ!」と思うくらいだった。
日本ならたとえ突っ込まれた方が「いいよ」と思っても、後から問題にならないよう警察が呼ばれ、お互い長い時間拘束されることだろう。
最後に、僕が日本の宿でバイトしていたときに聞いた興味深い話を書いておきたい。
その宿の主人曰く「無料のアメニティやお菓子を部屋に用意したとき、日本人はほぼ100%全部取っていく。外国人は全部取る人もいれば、必要な分だけ取る人もいるし、全く取らない人も大勢いる」。
ルールで決められているならOK、という日本人的感覚、
ルールで決められていようが自分はどうなのかが基準、という外国人的感覚、
上記のエピソードが僕にはそう思えた。
ちなみに僕は迷わずに全部取る派だ。