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NFTで実現する、新しいスタジアム座席の所有・利用体験
あるべき姿:シーズンチケットを訪問者にとって使いやすく
現状:シーズンチケットは訪問者にとって使いにくい→販売不調
課題:そもそもシステムが想定していない、転売防止との兼ね合い
施策:オンチェーンでチケット管理
期待される効果:より使いやすいチケットに、コアファンへの付加価値付可
1. 解決したい課題
スポーツビジネスにおいて、スタジアム運営(スポーツチーム運営)とファン、双方が抱える課題が存在する。
運営側のKPIの1つとして、座席稼働率をいかに100%に近づけることができるかというものがある。その解決策の1つとして、座席を一定期間使い放題ないし優先予約することのできるシーズンチケットを販売しているチームが存在する。
しかし、ファンにとって仕事や予定で観戦できない試合のチケットは無駄になってしまうシーズンチケットは柔軟性に欠けている。
この「運営は安定した稼働率の確保を望み、ファンは柔軟な利用を望む」というジレンマを、テクノロジーで解決できないかと考えた。
2. ソリューション
2.1 概要
シーズンチケットをNFT化、シーズンチケットNFTを元に当日入場用QRコードSBTを発券し対応。
NFT化することで利用しない期間は他人へレンタルしたり、入場券を売却したりすることが可能。
2.2 主な特徴
所有権(シートNFT)とアクセス権(入場QRSBT)の分離
レンタル機能による柔軟な活用
試合中止時には自動化された払い戻し処理
通信輻輳時に各自な入場を実現するオフライン対応の入場システム
シートNFT(一次層)
年間の座席所有権を表す
譲渡・レンタル可能
シーズン単位で発行
入場QR SBT(二次層)
既存のQRチケットに適応可能
各試合の入場権を表す
試合中止時は運営による払い戻し機能あり
3. システム設計
3.1 主要コンポーネント
NFT管理システム
座席に紐づいたNFTの発行・管理
所有権の移転・レンタル状態の管理を行う。
マーケットプレイス(外部実装可能)
シートNFTの売買プラットフォーム
レンタル取引プラットフォーム
入場管理システム(オフライン実行可能なよう技術選定を行う)
オフライン対応の認証システム
QR SBTの発行・検証
不正利用防止機能
3.2 重要な機能の詳細設計
レンタル・売買フロー(図解付き)
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オフライン認証の仕組み(図解付き)
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払い戻しフロー(図解付き)
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3.3 ICPを活用することならではの強み
HTTP Outcalls機能
オフライン認証システムとの連携に不可欠
QR NFTの生成と検証に直接活用可能キャニスター間通信
完全にオンチェーンで複雑な処理が可能
二層NFT構造の実装に最適
アトミックな取引処理の実現Internet Identity
セキュアな認証基盤として活用
ユーザー体験の向上
セキュリティの確保
不正対策