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【wave2】ICPを活用したプロダクトアイデア10選

今回はブロックチェーンの社会実装に向けたものをテーマにアイデア出ししてみました!だんだん壮大な話になってしまってます!
※詳細な構成等はリンク先にまとめております

1,安心な相続を実現するアカウント管理

 私たちは現在大量のデジタルアカウントと共に生活している。所有者本人死亡に伴うアカウントへのアクセスロスト可能性が高まっている。そこで1で紹介したvaultサービスに加え、閾値暗号署名・IIを利用した安全なパスワードの保管・遺族への復旧サービスを提供する。

 また、特徴的な点として「意図的なロスト」を発生させる機能が挙げられる。一般的にはデジタルアカウント利用者本人死亡後、当該アカウントは生き残り続ける。しかし、「黒歴史」として世界に残したくないアカウントが存在する場合も多々存在する。

 そこで、遺族による復旧操作が行われた際に復旧させたいアカウントのパスワードについては復旧させるとともに、消去したいアカウントについては通信を行い自動で消去の指示を出す。(消去機能に対応するようサービス側で対応が必要)
 サービス提供側にとっても生存・死亡状態確認を弁護士等第三者を交えた形で安全にオンラインで参照、対応できる仕組みは社会に求められていると考えられる。

2,安全な相続・資産管理を実現するデジタル貸金庫

 暗号資産に触れる層が広がっている現在、所有者本人死亡に伴う秘密鍵の紛失&資産へのアクセスロスト可能性が高まっている。また、解決策の1つとして考えられていた銀行貸金庫への秘密鍵封入についても安全性に疑問符がついた今デジタル上の資産をいかに安全に管理するかというのは重要な課題。

 ICPの特徴的な仕組みの1つでもあるII(Internet Identity)を活用し、暗号資産に詳しくない遺族の方でも安全かつ誰でも簡単に利用できる資産管理システムを提供。

3,ICPを活用したNFT取引コスト低減施策

 ERC721,1155などのトークンは取引にはガス代として多額のコストがかかってしまう。一方でETHチェーンNFTの人気は根強い。
 ICP上にNFTカストディキャニスターを設置し、代替トークンを発行することでERC721,1155トークンをオンチェーン上で安全に管理しつつ流動性を確保する。

4,NFT AMMソリューション

 3にてICP上の代替トークン化されたNFTの流動性をサポートするために一般的にDEXにみられるNFT取引に特化したAMMを実装する。

 NFTホルダーにとってはNFTを流動性提供することでLP報酬を受け取ることが可能に。また「今すぐに売れる・買える」流動性が確保されることでコレクターのUXを改善。

5,スタジアムのシーズン券のUXを改善

スポーツスタジアムの運営において、稼働率は重要なKPIの一つ。安定した集客を確保するため、「シーズン券(シーズンシート)」という仕組みがあり、特定の座席をシーズンを通して販売している。
 しかし、仕事などの理由で試合に行けない場合、座席が空席となってしまったり、シート利用権の譲渡や転売が困難。などの課題が存在する。

シーズン券をNFT化することで、シート利用権の二次流通が容易になり、空席を効率的に活用できる。ホルダー向けの特典として、限定イベントへの参加権などを付与しやすくなるなど、コアなファンに向けた新たなサービスや施策の展開が容易になる。

6,AIを活用した分散型ブロックトレード秘匿化ソリューション

 ブロックトレード、(俗にいう大口取引)の意図が市場に露見すると、不利な価格形成が発生する。具体的には目論んでいた買い注文を全て執行し切るまで価格を釣り上げられ、最後に高値で掴まされるなど。

 金融の世界ではセールストレーダーがこうした大口取引を捌いている。運用資金が多い場合はこうしたプロに頼むことも可能だが、一般的なユーザーが利用できるのはパターン化された分割執行程度。パターン化された分割執行は取引意図の特定リスクも高くAI化が求められる。
 オンチェーンにて資金の受託・執行・払い出しを完結したサービスを提供することで安全な取引執行を実現する。

7,ブロックチェーンを活用した医薬品SCM

 昨今叫ばれているサプライチェーン混乱についてブロックチェーンを用いた業界横断型SCM(Supply Chain Management)システム導入により解決する。各ステークホルダーに参画してもらいサプライチェーンをオンチェーン上で「デジタルツイン」のような形式で再現。擬似的な垂直統合を目指す。
 擬似的な垂直統合を行うことで仕入れの流動化だけでなく在庫最適化・資本効率の最適化を達成することが可能だ。

 必ずしも用途を医薬品に限定する必要はないが市場調査したところ、以下の要件において医薬品と今回は限定した。

1,OEMなどが活発でサプライチャーンが複雑
2,安全で安定した在庫管理が求められる
3,終端部である薬局・病院においても活用可能性が高い
4,終端部での販売価格が基本的に同一で統合管理が容易

以上のことから医薬品分野のSCMが最も効率が良いと考えた。
 ブロックチェーンを利用する理由としては、zkの仕組み等を活用し匿名性・事業機密を保護しながらも、効果的にサプライチェーンの見える化を行うという2つの目標を達成するためである。

8,(医薬品SCM導入後)医療機関・卸間における在庫状況共有と融通システム

 昨今薬局や病院など医療機関において医薬品不足が喫緊の課題である。根本的な課題としては薬価の問題などが存在するが、今回は物流網上の在庫の偏在を原因としたものに焦点を当てる。
 7のアイデアが実現され、医薬品サプライチェーンが全てデジタルツインとしてオンチェーンデータとして取得可能になったと仮定する。勿論本システム独自で構築することも可能だが7の仕組みと組み合わせると「why ブロックチェーン」を効果的に説明可能である。
仮に終端となる薬局にて在庫不足が発生した際には、即座にSC上の最適な余剰在庫の融通可能拠点を検索し、配送依頼、決済、検収までを一括して実行可能である。

 この仕組みは医薬品に限らず、需給ギャップにより在庫が最適な流通をしていない商品。例えば最近足りないことで話題の米などにも応用可能であろう。

9,(医薬品SCM導入後)新薬開発における投資商品組成

 新薬開発は数千億円単位のハイリスク・ハイリターンな投資である。当たれば莫大な売り上げが手に入る一方、失敗すれば巨額の投資が無に帰す。
 その結果新薬開発は複数の巨大投資を並行して行うことが可能な巨大製薬企業、もしくは単一の医薬品に絞って半ば博打の開発を進めるバイオベンチャーに別れる。

 そこで新薬開発に際して受益権をトークン化、資金調達をオンチェーンで行う。その結果製薬会社としてははリスクの外出し、柔軟な資金調達が可能になる。また投資家としては、新薬開発という景気動向に左右されないオルタナティブ資産でかつESG投資としても意義のある投資エクスポージャーへの盛り込みが可能になる。
 サプライチェーンは全体がオンチェーン化済みのため、収益分配等も全て自動かつ透明性を持って実現可能だ。

※証券関連の法律との兼ね合いもあり、当局と打ち合わせながら推進すべき

10,AIサービス事業者への決済取次サービス

 LLMの発展とともに各種AIサービスが隆盛している。しかし、こうしたサービスで活用されているAIの利用にはAI-API使用料、演算装置使用コストがかかる。
 一方、現在のAIサービスの殆どはクレジットカードによる月次払込で利用料を受け取っている。

 同じようなサービスを運営した経験から以下のような課題を感じた
1,Txあたりの決済コスト・手数料
2,決済失敗・リアルタイム性の問題
3,チャージバック対応、支払い管理など運用コストの問題

これらの課題に対し、ICPを活用したトークンベースの決済取次サービスを提案する。このシステムには以下のメリットが存在する。
1,クロスボーダー対応が容易
2,確実な入金
3,少額決済も問題なし

決済取次サービスとして展開することで業界標準的な決済プラットフォームとしての成長も期待している。

まとめ

 ブロックチェーンの社会実装に向けて様々なアイデアを考えてみました。
「別にブロックチェーンで無くてもいいけど。。。」のようなユースケースを、敢えてブロックチェーンを活用してみることで新たなプロダクトが思いついたりしました。
 それではwave3のサンプルキャニスターデプロイ楽しみにしています!

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