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夏シリーズ

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夏の詩や小説
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2020年5月の記事一覧

小説:坂の途中

小説:坂の途中

 初めに宅間さんが立ち止まったのは、改札を抜け、階段を下りてすぐだった。
   目を細め、なにかを確認するように、雲の切れ間に覗く太陽を見上げていた。
 私の方はというと、太陽を見上げる宅間さんを見上げていた。
「行こうか」とふいに宅間さんが言って、私は「はい」とうなずいた。
   歩きだしてからも、私には紡ぐべき言葉がなかった。というか、言葉を探す努力をしていなかった。私たちの周りにあるのは、平

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