XQ1の修理をしてみた話
以前中古で買ったFUJIFILM XQ1のFPCケーブルを自分で交換してみましたので、その記録です。
なお、この記事をもとに修理を行う場合は自己責任でお願いします。
発生していた症状
中古で手に入れたXQ1ですが、購入時より主に2つの症状が発生しておりました。
コマンドダイヤルの不具合
ボタン類の無反応or誤反応
1.についてはネットでも散見される不具合です。具体的には、ダイヤルを回すが反応しない、または左に回そうが右に回そうが一方向にのみ反応する、といった挙動が発生します。つらい。
2.については、コマンドダイヤルと同面についているボタン類(再生、録画、DISP/Back、Fn)およびコマンドダイヤル4方向の押下が反応しない、あるいは別の入力が反応する(Fnを押すと録画が始まるなど)といったものです。そこそこつらい。
XQ1のサポートはすでにEOLですので、これらを修理したいとなると、受け付けてくれる修理店を見つけて持ち込むか、自前で修理するしかありません。
(少なくとも私の購入時は)そこまで高価なカメラでもないこともあり、今回は自分で修理することに決めました。
結論から言うと、今回の修理にて改善したのは 2.のみになります。
参考にした情報
1.の症状が厄介すぎるので、そちらを直したくネットを色々漁っていたところ、以下の動画をみつけました。
内容的には2.の症状に関するもののようで、内部のフラットケーブル(以下FPCケーブル)を交換したらいいよ、とのこと。
ただ、どういうFPCを用意したのか、どのように修理したなどは言及がなく(もしかしたらされているのかもしれませんが)、実際に修理に踏み切ることはしませんでした。
更に後日、以下の動画をみつけました。
どうやら上記のFelix Katze氏の動画を見たうえで、FPCケーブルの情報無いじゃんか、と改めて交換に必要な情報を紹介してくださったようです。
修理に必要なFPCケーブルの情報が絞れましたので、私も試してみることにしました。
必要な道具
箇条書きでまとめます。
FPCケーブル 12pin 0.5mmピッチ A型
Y字ドライバー(Y0~Y00ぐらい)
プラスドライバー(PH000ぐらい)
ピンセット
FPCケーブルは動画内だと0.5cmと表示されてますが、おそらくピッチとケーブル幅を混同されたのかと思われます。
私が購入したものは以下になります。長さ60mmですがこれでも余るため問題ありません。
ドライバ類も同じくAmazonで適当なものを購入しました。
修理記録
作業準備
作業の前にバッテリーおよびSDカードを取り外しておきます。
ケース分解
まず左右+下部+サムグリップ裏のネジを外しケースを開けます。
ダイヤル部の基盤取り外し
ケースを外すと、ダイヤル部と本体基盤に接続するFPCケーブルが見えます。このケーブルが今回交換する部分になります。
黒いテープ(帯電防止テープ?)を剥がすとケースとダイヤル部基盤を止めているネジが見えますので、これも外します。
ケーブル交換
あとは基盤からFPCケーブルを取り外し、新しいケーブルを挿入します。
ソケットにロック機構はないので、単純に引っ張る&差し込むだけで大丈夫です。
ただ、このままだと本体基盤へのFPCケーブルの挿入が難しいことがわかりました。ピンセットを用いてもうまく差し込めるほどの作業空間がありませんでした。
もう少しパーツを分解すれば作業はしやすいですが、あまり大掛かりに分解すると意図せぬトラブルが生じる可能性がありますので、今回はディスプレイ部のみを取り外すことにしました。
ディスプレイ部はフレームにノリで圧着されているのみですので、慎重に持ち上げてやることで外れます。
ディスプレイからもFPCケーブルの接続はありますので、切断しないように気をつけます。
これにより若干作業空間が生まれましたので、あとは頑張ってピンセットでケーブルを挿入します。
無事に交換が完了したら、あとは逆手順で組み立てていきます。
動作確認
組み立てが終わったら、バッテリーを挿入して無事に起動するかを確認します。
また、症状が改善しているかを確認します。
おわりに
ケーブル交換であわよくばダイヤルの不具合も直ってくれないかと期待しましたが、そちらは全く変わらずでした…
おそらくロータリーエンコーダー自体がダメになっているので、修理するとなると基盤からとなりそうです。となるとリフローやらそもそもパーツを見つけないとやらでコストが見合わなさ過ぎなので、これ以上は求めないことにしました。長く使えるといいな。