Wel_Nocリプレイ 「ゲットバック・ヨリ」
はじめに
注・本ノートはTwitter小説「ニンジャスレイヤー」(以下ニンスレ、アカウントは https://twitter.com/NJSLYR )が原作である「ニンジャスレイヤーTRPG」の非公式プラグイン「ウェルカム・トゥ・ノクターン・シティ」のソロアドベンチャーを作成しそれをテストプレイした筆者と、それがメイキングしたニンジャ、アイアンアサシンを元に執筆した二次創作の二次創作の二次創作、言うなれば四次創作小説です。
本作品に登場するニンジャら登場人物、そして地名などは本編にも登場する場合がありますが、本作品はニンスレ本編とは関係しておりません。ご了承ください。
キャラクタービルド、そして今回のニンジャ
キャラクタービルドはWel_Nocルール、つまり「ふわふわローン使用禁止」「生い立ちを独自のものよりセレクト」の下で行われ、
◆??? (種別:ニンジャ)
カラテ 4 体力 4
ニューロン 4 精神力 4
ワザマエ 3 脚力 2
ジツ 0 万札 0
◇装備や特記事項
装備:トロ粉末
ダイス試行の結果以上の基礎ステータスが生じました。
そして生い立ち選択、ダイスの結果は5。シンジケートを裏切りヌケニン行為という暴挙に走った「出奔ソウカイニンジャ」です。
「出奔ソウカイニンジャ」が得られるボーナスは以下の3つ
・精神力の最大値に+2
・カラテ、ニューロンの2項目に“4点”のスキルポイントを割り振りできる(ex.カラテに2点、ニューロンに2点、あるいはカラテに1点、ニューロンに3点など)。これでいずれかのステータスが7を超える場合、どちらか1つだけ成長の壁(1)を取り払ってよい。
・初期装備可能なサイバネ(テッコ、クロームハートなど)のいずれか1つを最初から所持、置換している。
初期状態から上限12を得られる上にサイバネ置換済は大判振る舞いですが、決して軽くないデメリットも獲得しています。
・【警戒度】が2からスタートする
・特殊条件がない限りソウカイヤのニンジャに最優先で狙われる
基本的にソロアドベンチャーでは関係のない要素ですが、後々まで響く厄介なペナルティ(にするつもり)です。
◆??? (種別:ニンジャ)
カラテ 4→7 体力 4→7
ニューロン 4→5 精神力 4→7
ワザマエ 3 脚力 2→4
ジツ 0 万札 0
◇装備や特記事項
装備:トロ粉末、サイバネ『戦闘用バイオサイバネ』
スキル:『連続攻撃2』、『懸賞金』
生い立ち:5『○出奔ソウカイニンジャ』
◇出奔ソウカイニンジャ
シンジケートに対する重大な裏切り行為が発覚し、現在追われる身です
『精神力』が+2され、『カラテ』『ニューロン』に計"4"点スキルポイントを分配できます
初期装備可能サイバネを一つ所持しています
ペナルティスキル『●懸賞金』を所持しています
◇懸賞金
ソウカイ・シンジケート所属のニンジャはこのニンジャを最優先で狙います
このスキルを持つニンジャが複数人いる場合、イニシアチブが低いものから狙われます
備考:
シンジケートは裏切り者を生かしておきません
このニンジャは動向を探られており【警戒度】が2からスタート
あとはニンジャネームだけ……今回は公式ルールブックの無料公開プレイガイド「自作ニンジャの名付け方ガイド」を用いて決定してみました。
ニンジャ名Aパート
2d6 = 5,3 = "アイアン"
ニンジャ名Bパート
2d6 = 1,3 = "アサシン"
つまり彼のニンジャネームは「アイアンアサシン」です。
◆アイアンアサシン (種別:ニンジャ)
カラテ 7 体力 7
ニューロン 5 精神力 7
ワザマエ 3 脚力 4
ジツ 0 万札 0
DKK 0
◇装備や特記事項
装備:トロ粉末、サイバネ『戦闘用バイオサイバネ』
スキル:『連続攻撃2』、『懸賞金』
生い立ち:5『○出奔ソウカイニンジャ』
備考:
シンジケートは裏切り者を生かしておきません
このニンジャは動向を探られており【警戒度】が2からスタート
シンジケートのヌケニン、アイアンアサシン。サイバネ選択で戦闘用バイオサイバネをピックしてしまったのでネームと実情がややチグハグですが、かえって味があると思うのでこれで決定します。
イントロダクション
いわゆる前説、アイアンアサシンとは何者なのか。
01010101010101...
……アイアンアサシンが己の根城に帰ってきた時、真っ先に抱いたのは漠然とした違和感。「ヨリコ?」己が囲い込んでいた豊満なオイランを呼びかけチャブ上のIRCチャネルも開いたが……応答がない。その足跡が、そして彼女の所持品が消えている! 使い古された灰皿も、忽然と……。
『ドーモ、アイアンアサシン=サン』突如UNIXに映った、シンジケートのニンジャ。「……ドーモ……ネウトルス=サン。何の用だ」『ヒヒ……とぼけちゃいけねえ。シンジケートはお前を始末したいってよ』「!」
カラテを構える。いつの間にかアパートを囲む剣呑なアトモスフィア……おそらくはニンジャ、それも複数人!『見ちまったのさ! お前が同僚を狙った、あの瞬間を』UNIXに映るのは決定的瞬間、ヤクザを狙うと見せかけて背後から投擲されたスリケンと、それを片手でいなす重甲冑のニンジャ……!
『お前の命も実際終わりだ。ケチな欲目が仇になったな』「……ヨリコはどこだ」『ああ、あのオイラン。さすがは"次期シックスゲイツ"の女……遥かにいい』「嘘だ!」
『ヨリコ=サンから伝言もあるぜ』"オタッシャデー"UNIXをたった一行が淡々と流れる。『いい女を持ったよなあアイアンアサシン=サン! ……安心しな、次は俺がネンゴロにしてやるよ』「嘘だ嘘だ……嘘だ! ……ヨリコ! どこだヨリコ!」アイアンアサシンはリビングへ通じるフスマを開き……
KA-BOOOM! UNIXが、冷蔵庫が、チャブが、タンスが。室内ありとあらゆる地点に仕掛けられていたバクチク・トラップがそれを封切に連鎖爆発を起こした。「グワーッ!」火達磨になりながら転がり出たアイアンアサシンを挟むように現れた、シンジケートのニンジャたち……。
01010101010101...
「サヨナラ!」朦朧とする視界の先で、ニンジャが一人爆発四散した。アイアンアサシンは失神寸前の意識を手放すまいとZBRを取り出し、首筋に注射!「グワーッ!」ニューロンに走る情報量に身もだえながら、それでも前後の記憶を取り戻していく……。
ここはムコウミズ・ストリートの地下駐車場、逃亡し、追い詰められた彼は追っ手ニンジャに敗北し、死を覚悟した刹那……今に至った。「……む、お前もソウカイニンジャか?」ザンシンを解きこちらへ振り向いた者もまた、ニンジャ。「ドーモ、モンスメグです」透き通った声。
「もう一度問うぞ、お前もソウカイニンジャか?」「俺は……」爆発に呑まれたか、その後の乱戦か。ニンジャ装束に留められていたクロスカタナ・エンブレムはいつの間にか散逸していた。「……命だけは!」「ム……」
女ニンジャは面食らった……アイアンアサシンが己の頭を地に擦り身体を折りたたんだまま動かなくなったからだ。ドゲザである!
……しばしの沈黙の末、女ニンジャが口を開いた。「そのまま名乗れ」「アイアンアサシンです」「追われているのか?」「ハイ」「……ヌケニンか」「ハイ」「クズめ」「……ハイ」
何かが床に落ちる音。「頭を上げろ」目と鼻の先に、スシ・タッパー。「土地勘はあるか」「! ハイ」「……条件がある」
01010101010101...
ソロアドベンチャーパート開始
当初の想定を外れた戦力としてザイバツ・シャドーギルドの秘密ミッションへと参加することになったあなたのニンジャ。
「ヌケニン……」「ハイ。胡乱な輩ですが、カラテは確かです」正座させられたアイアンアサシンの前で己を品定めする二人のニンジャ。片方はモンスメグ、アイアンアサシンを拾った女ニンジャ。もう片方はヘルダイバー。どうやら彼女の上司にあたるらしいが……。
「アジトも見つからぬ内からシンジケートとのトラブルを起こすわけにはいかない。ここで殺した方がよいのでは?」「それは……確かに」「マッタ!」たまらず頭を上げるアイアンアサシン。見下ろすヘルダイバーの視線は無感情だ。
「なにかね」「お、お前たちが何者かは知らない、詮索もしない……」「それで」「俺は知っている! 身元不詳のニンジャだろうが潜伏できる地区を!!」「……ほう」ヘルダイバーの目の色が変わった!
「その場所の名は」「……コメダ・ストリート!」
コメダ・ストリート……ネオサイタマの中でも特に治安が悪い無法地帯の一角、「安普請と?」とポップ体で書かれたネオン看板の店の斜向かいにある雑居ビル「コメダ・キツネ総合ビル」。本来の権利者が不慮の事故で亡くなった後も取り壊されることなく屹立しつづけるその理由は……。
ヤンク上がりのヨタモノたちがこのビルディングを不法占拠し、調査に訪れた不動産職員を血祭りにあげたからに他なりません。
そして二人のザイバツニンジャとあなたのニンジャがコメダ・ストリートに足を運んだ理由こそがこのビルディング、利権の空白地帯です。あなたのニンジャがやるべきことは一つ。4階建てビルディングを占拠する非ニンジャのクズを『きれいさっぱり掃除する』ことです!
そしてアイアンアサシンはコメダ・キツネ総合ビルの見える路地裏に配置されていた。ヘルダイバーとモンスメグはいない。メンポに小型カメラとマイクをつけさせ、そして別地点から彼の動向を監視しているのだ。
「アイエエエエエエエ!」総合ビルの入り口から若い女性が飛び出し「ヒャホーッ!」BLAMBLAM!「ンアーッ!?」……脚を銃撃されて倒れ伏した!「逃げちゃダメよ……俺たちまだまだ遊び足りないの、ワカル?」
(ヨリコ!?)アイアンアサシンは思わず瞠目し……すぐに首を振った。ヨリコではない、知らない女だった。シンジケートを追われ、もはや再会など望めないかつての女に未だ執着している身の上。「……ブザマだ」
「アイエエ……助けて、だれか助けて……」首を掴まれ引きずられる女性に応えるものはいない。コメダ・ストリートの住民は皆こうしたインシデントに「反応しない」ことこそが明日を生きる秘訣だと理解しているのだ……。
「まさか助けようとは思っていないな? ……ウン、よろしい。だがせっかくだ、アレの後ろをついていこう」
「ハイヨロコンデー」ヌケニンした身でこのチャントを返すこととなろうとは。アイアンアサシンは呼吸を殺し、その気配を影に溶かして後をつけていく……。
ビルディング1F
側頭部を剃りこんだヨタモノの後ろを音もなくついていったあなたのニンジャは、角を曲がった通路、エレベーター前に別のヨタモノが立っていることに気づいて身を隠します。
その会話をニンジャ聴力で聞き取ったあなたのニンジャは、「先ほどの女性は心を折るために敢えて逃がされたこと」「複数人のヨタモノがドラッグ・パーティを行っている一室があり女性はそこに連れていかれること」を把握しました。エレベーターが閉じ、上昇していきます……。
「……フン、エレベーターには見張りが一人か。武装しているようだが、ニンジャの敵ではないな。スリケンかクナイで片付けてしまってもいいが……ここは一つ、君の『カラテ』を我々に見せてくれないか」
モンスメグはあなたのニンジャの『カラテ』の質を見定めようとしています。『カラテ』に応じた回数、ダイスを振ってください。難易度はNORMAL、4以上が1度でも出たならば成功です。
7d6 = 2,4,3,3,1,5,6 = 成功!
「イヤーッ!」「……アイエッ」エレベーター警護ヨタモノはまず困惑した。余所見はしていなかった。ただ一度マバタキをすると、眼前にメンポをつけた男が一人。「アイエッ」「イヤーッ!」真正面からカラテ・ストレート!「グワーッ!」首が180°回転、即死!「弱敵!」
一度はシンジケートでのし上がりを目指した己がたかがヨタモノ相手のカラテを試されている! 憮然としながらも、アイアンアサシンはエレベーターをチェックした。
あなたのニンジャはエレベーターの操作盤を一瞥しました。外から確認した通り4階建て、地下階はなく……側頭部剃りこみヨタモノが操作したきりのエレベーターは「3F」で止まっています。
(あの女は3Fにいる……それがなんだというのだ。集中せよ、アイアンアサシン!)
「要望に応えてくれてありがとう。どうやら地下階はないようだ、2階から順に掃除を始めていこう。本来ならば多少は周りの目を気にしなければいけないものだが……コメダ・ストリートはどうやら”我関せず”の街と見た。派手にやろう!」
あなたのニンジャは指示に従い、2階のクリアリングを開始します……。
ビルディング2F
エレベーターから出たあなたのニンジャは「中華料理 ブッダ亭」と書かれたノーレンと、それの先にある電子ロックされたドアを発見しました。型落ちしたセキュリティはこの地区の治安が今より幾らかよかった頃の店舗であることを窺わせます。
ドア越しに耳を澄ますと……何やら笑い声や怒号、それをたしなめるコトワザが聴こえてきます。
どうやらヨタモノたちはカードゲームに興じているようです。物音を立てずに解錠できれば一網打尽できるでしょう!
電子ロックはシンジケートで活動していればかえって見る機会のないような、年代物のアンティークだった。ドア全体が鉄板で補強されているが……ニンジャのカラテは想定されていないようだ。モンスメグから通信が入る。
「ずいぶんと旧式のロックだな。正確なパスをハックするまでもなくUNIXそのものに過負荷をかければ解錠できるだろう。私だったらそのままドアを破壊……なんでもない。君のハッキングの腕は如何程のものかな?」
「ハッキングの腕か」『そうだ』「手段はどうする。IRCへの直接攻撃か、それとも物理タイプか」『えっ』沈黙。『……ヘルダイバー=サン』『……君が一番自信のある方法を取ってくれ。下手に失敗されて警報を鳴らされても困る』「ハイヨロコンデー」
以下の3通りの解錠ができます。
・『ニューロン』を使用する。ドアのUNIXにハッキングしこれを解錠します。
・『ワザマエ』を使用する。数字ボタンを複雑に連打することでUNIXを爆発させます。
・『カラテ』を使用する。力任せにドアを破壊し突入します。
……何を使うか、決まりましたか?
アイアンアサシンは……カラテを構えた。
『カラテ』を使用する
電子ロックに対する技巧的解錠の全てを放棄! カラテあるのみ! ……こころなしかモンスメグもうれしそうです。動かない的を壊してしまえばいいだけなので難易度はEASY。『カラテ』分ダイスを振り、3以上の目が出れば成功です。
7d6 = 6,1,3,2,3,5,4 = 成功!
「……イヤーッ!」タメから繰り出された、しなやかなケリ・キック! UNIXもろともにドア完全崩壊!「これに尽きる」「なっ……ナンオラーッ!?」「ザッケンナコラー!」「……ヤクザ・ワナビーめが。まとめてかかってこい」
ドアを蹴り破ったあなたのニンジャに一瞬驚いたヨタモノたちですが、すぐさま短剣を構えて襲い掛かってきます! 難易度はNORMALなので一番高いステータス分ダイスを振り4以上が出れば回避成功、しかし今回相手は2人のため、失敗したら『体力』に2ダメージを負ってしまいますよ!
7d6 = 6,1,3,2,3,5,4 = 成功!
「イヤッ、イヤーッ!」空中水平二回転!「「アバーッ!」」断頭殺!
「よくやった! 君の実力はしかとみせてもらったよ。メンター……ヘルダイバー=サンも君を評価している。次へ行こう」
「メンター?」『……なにか』「いや……」詮索をゆるさないアトモスフィアを感じ、黙り込む。次は3F、呼吸を整え、エレベーターの前に立つ……。
ビルディング3F
「アバ……オゴゴーッ……」「ウーム……」
エレベーターを出たあなたのニンジャの眼前には脱力してへたりこむヨタモノたち、そして一つのドアが映ります。本来であれば貸し事務所めいたフロアなのかもしれませんが、今はヨタモノたちの巣窟です。
『ドラッグか』「そのようだな。イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」
あなたのニンジャは次から次へと前後不覚のヨタモノを殺害していきます。先ほど手に入れた情報通りならばこのフロアはドラッグ・パーティの会場。彼らはオーバードーズに耐え切れずブレイクタイムのために外へと出ていたのでしょうが、結果的にそれが命取りとなりましたね。
「惰弱なクズ! こんな奴らに……」『どうした、アイアンアサシン=サン』「……なんでもない」防音扉の向こうから微かに聴こえてくるのは、ゴア重点のBGMと、ヨタモノたちの浮かれ騒ぎ。
「モシモシ、ヘルダイバーだ。連中ときたらカーテンすらかけず開けっ放しでな。隣のビルから乱痴気騒ぎを観測しているが……ヨタモノたちの中にショットガンを抱えた者が何人かいる。舐められることを嫌う彼らの性質から考えるに、本物だろう」
「ニンジャといえど全方位から銃撃されれば実際ただでは済まない。先に4Fを制圧し、騒ぎが落ち着き気が抜けたところを我々と二正面制圧した方が無難だ。そうしたまえ」
ドア越しに耳をそばだてたあなたのニンジャはヨタモノたちの歓声、チャカ・ガンから放たれる空砲、機械の重い駆動音といった無秩序な音声の中から……女性のものと思しきか細い悲鳴を拾いました!
「……」関係ない女だ。ヨリコではない。
先ほど脚に受けていた負傷も、モータルならば決して無視できないもの。もしかしたら、放っておいてる内に衰弱死あるいはヨタモノたちの慰み物にされ惨殺されてしまうかもしれません!
アイアンアサシンが気に掛ける道理はどこにもない。
「どうした。4階へ行かないのか? ……私の命令は不服か?」
収音マイクでその声を拾ったヘルダイバーが不機嫌そうな声であなたを促します。まるであなたのニンジャがその女性を助けることを避けているかのようですが……?
ヘルダイバーの指示には何ら誤りがない。作戦行動を行う上で事前に間取り図などを把握できていたシンジケート時代とは違い、扉の先は実際闇だ。ヘルダイバーらの方から観測できない殺人的トラップがもしもあったなら……?
あなたのニンジャは幾つかの選択をすることができます。
選択肢
1.ヘルダイバーの言うことはもっともだ。あなたのニンジャは4階へとエレベーターを操作した。
2.義侠心か力への驕りか、あるいは女性への下心? なんにせよ、あなたのニンジャはヨタモノたちの巣窟へと続く扉を開け放った!
3.これほどまでに人数が揃っているなら、まとめて始末すればブラッドバスだ! あなたのニンジャはエレベーターを背にし、強行突破に向けてカラテを漲らせた……!
どうするか、決まりましたか? 選択に応じて行動していきましょう。
アイアンアサシンは……
2.を選んだ
あなたのニンジャは
「……マッタ!」チャントと共に、勢いよく扉が開け放たれた。「エッ?」「……誰? おまえ呼んだ?」「いや……」
ドアを開け放ち、室内の状況を把握すべく暗がりを見渡しました。スモトリ・ワナビー、スラッシャー気取り、ペケロッパ崩れ……多種多様、反応も様々なヨタモノたちに混じり……剃りこみヨタモノに抑え込まれている女性を見つけました!
「ニン、ジャ……?」「ドーモ……アイアンアサシンです!」
夥しい出血で既に瀕死の女性は、あなたのニンジャと目を合わせるなり意識を失ってしまいます。
『アイアンアサシン=サン!?』『なんのつもりだ!』アイアンアサシンは答えない。(黙ってみていろ、根無し草ども!)「ニンジャナンデ!?」「アイエエエ!」ヨタモノたちは突然のニンジャ侵入者に戸惑っていたが……「ウロッタエンナコラー!」
その中の一人、スラッシャー気取りのタフガイ風が一喝する。実際それなりのソンケイを持っているのだろうか、ヨタモノ達が徐々に気勢を取り戻していく!「囲んでスイスチーズ重点、シマッテコーゼ!」……アイアンアサシンは不遜なカラテ警戒! 彼らが武装を整える今に至るまでスリケンすら投げず!
あなたのニンジャは8人の……全員チャカ・ガンやショットガンで武装したヨタモノに囲まれています!
「ドッソイ!」一人のスモトリ・ワナビーがチャカを構えつつ立ちはだかる。彼に庇われている三人のショットガン装備ヨタモノを先に狙うことは難しいだろう。
『カラテ』『ニューロン』『ワザマエ』の内最も高いものを用いて銃撃を回避します。ですが地の利は完全に相手にあり、難易度はHARD。回避に失敗した場合8+1×3の11ダメージを受けてしまうでしょう! 回避に成功する度に反撃を行い一人、また一人とヨタモノを始末していき銃撃のダメージも減りますが、ショットガンを持った3人のヨタモノはスモトリ・ワナビーに阻まれており最後まで倒すことができません。つまり最後の3人になるまで常に人数+3ダメージの危険が伴い、残り3人以降は一人減る毎に追加被弾ダメージも1減ります。
「……来い、ヤンク崩れども。俺が貴様らのソツギョウ・リチュアルだ」「ザッケンナコラー!」銃撃開始!
現在8人、11ダメージ
7d6 = 6,6,5,6,2,4,2 = 成功!
BLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAM……「イヤーッ!」銃撃の隙間を縫ってペケロッパ・ヨタモノをイポン・セオイ!「ペケロッパ!」即死!
現在7人、10ダメージ
7d6 = 5,2,1,4,2,4,2 = 成功!
襲い来る銃撃を連続側転で紙一重の回避、勢いを殺すことなくコンクリート打ちっぱなしの壁面に飾られた悪趣味オブジェを蹴りトライアングル・リープ!「イヤーッ!」急降下チョップ!「グワーッ!」即死!
現在6人、9ダメージ
7d6 = 1,6,4,2,4,2,5 = 成功!
「イヤーッ!」連続バック転からスリケン投擲!「グワーッ!」即死! アイアンアサシンは己の身にカラテが満ちていくのを確信していた。負け犬のセンチメンタリズムに陥っていたヌケニンはもういない、己はアイアンアサシンだ!
現在5人、8ダメージ
7d6 = 6,2,5,4,4,6,4 = 成功!
そして理解した……女を連れ去ったヨタモノに抱いた感情の正体。嫉妬、羨望、憧憬……非ニンジャのクズに、抱いてしまった!「イヤーッ!」「グワーッ!」背後を取ろうとしたヨタモノをバックキック、当然即死!
現在4人、7ダメージ
7d6 = 3,4,3,5,4,4,5 = 成功!
「ドッソイオラー!」スモトリ・ワナビーがリロードの間に突撃!「イヤーッ!」「ドッソイグワーッ!」アイアン・クロー! スモトリ・ワナビーは頭を握られ、ニンジャ筋力だけでは説明のつかない腕力でリフトされていく……!
「イイイイイイイイイヤーッ!」「アバババババババーッ!」ナムサン! アイアンアサシンのニンジャ装束をつき破り現れたのは、黒鉄めいて色素沈着したバイオ筋肉の隆起!「死ねーっ!」凄まじい握力でスモトリ・ワナビーの頭部が粉砕、即死!
現在3人、6ダメージ
7d6 = 5,2,5,3,2,5,1 = 成功!
「あ、アイエエエ……」ショットガン装備ヨタモノを阻むスモトリ・ワナビーは既にいない。「イヤーッ!」戦意を取り戻す前にその死体を叩きつけ、「アバーッ!」圧殺!
現在2人、4ダメージ
7d6 = 1,6,3,1,6,2,2 = 成功!
「イヤーッ!」「グワーッ!」スラッシャー・タフガイ気取りのヨタモノが死に、アイアンアサシンと側頭部剃りこみヨタモノ、名も知らぬ女だけが残った。「ナ、ナンデ……」「非ニンジャのクズどもが……」「ニンジャ、ナンデ!?」
現在1人、2ダメージ
7d6 = 3,6,6,6,6,2,6 = 成功!
「非ニンジャのクズどもが、俺の持たぬものを持っていいわけがあるか! イヤーッ!」「アバババババババーッ!」正中線から真っ二つにする異常発達筋肉チョップ!「……」女は未だ目を覚まさない。あるいは生死の境なのか……アイアンアサシンは応急処置だけを済ませ、エレベーターへと向かった。
『……アイアンアサシン=サン』「ハイ」ヘルダイバーの声色は恐ろしく冷ややかだ。『何故命令を破った』「デキルところを見せた」『残念ながら君の行動を評価するわけにはいかない。我々はヤバレカバレを歓迎しない』「ハイ」『……次だ』
さあ、4階へと進みましょう。
ビルディング4F
「な、なんだお前!?」かつての管理人室で仮眠をとっていたヨタモノのリーダーと思しき男はあなたのニンジャの来訪に驚き、はね起きました。どうやらショットガンで武装していますが……先手必勝! 『カラテ』をお見舞いしましょう。難易度はNORMALです。
7d6 = 6,5,3,3,3,1,2 = 成功!
……おめでとうございます、アドベンチャー・クリアです!
「清掃」完了!
実際、あっけなく終わった。痙攣していたがやがて動かなくなったヨタモノ・リーダーをよそにアイアンアサシンは室内のクリアリングを行い……「あった」ZBRアドレナリンのアンプルを入手した。未使用のものがあったのは実際ラッキーと言えよう。
あとは3Fに降りるだけ。アイアンアサシンはエレベーターへと足を運び……「ドーモ」開いたドアから現れた女ニンジャと鉢合わせた。その背には先ほどの女性が負われている。
「モンスメグ=サン」「お前が爆発四散した時のためにと私だけビルに向かっていたが……要らぬ心配だったな」ゆっくりと仮眠ソファーに降ろされた女性に、アイアンアサシンがZBRを注入する。「ンアーッ!」
「おい!」「これに尽きる」「ニ、ニンジャ……」女性は横倒しの視界に立つ二人のニンジャを見て再び気を失いかけて……「マッタ!」「アイエッ!」「気をしっかり持て、寝たら実際死ぬぞ」アイアンアサシンに揺さぶられ無理矢理覚醒する。
「知り合いか?」「……」「エット、私は……アイエッ」「ヨリコ」名乗ろうとした女性の口を押え、アイアンアサシンは押し殺すように呟いた。「……コヨリだ。こいつの名前は、コヨリ」口を塞がれ意味のない声を漏らす女性に構わず、アイアンアサシンは言葉を続ける。
「俺のオイランだ。いなくなったと思ったらこんなところにいた。サイオー・ホースな」「信じるとでも?」コヨリと名付けた女を一瞥する。平坦ではないが、豊満でもない。面構えも整っているが……ヨリコには程遠い。「……そうでもなければヤバレカバレなどするものか」
「そういうことにしておいてやろう」三人の背後から新たなニンジャのエントリー。ヘルダイバーだ。「君のヤバレカバレはそこの女が君の知古であった故で、君は今後いかなる命令違反も慎む。そうだね?」「……そうだ」「よろしい」「メンター!」「モンスメグ」「……ハイ」
不満そうなモンスメグを制し、ヘルダイバーはアイアンアサシンに向き直る。「"ギルド"へようこそ、アイアンアサシン=サン」取り出された菱形エンブレム、レリーフされた"罪"と"罰"。彼はようやく謎めいた二人のニンジャの正体に気づき……
「マッタは、なしだ」「……ハイ」そして、己の選択の取り返しのつかなさに気づいたのだった……。
シナリオ「コメダ雑居ビル入居者希望有」 成功度の判断基準は以下の通り。上にあるほど評価が高い。
A:指揮官ニンジャの指示に従い、ミッション完遂。
B:指揮官ニンジャの指示に逆らい全モータルを殺戮、ミッション完遂。
C:指揮官ニンジャの指示に逆らいモータル女性を救出、ミッション完遂。
D:警報を鳴らされ撤退。指揮官、副官ニンジャ両名と再挑戦。
C:「ギルドは君の母親ではない。あんな無謀は今回限りにしてくれ」
モータル女性を治療するために出費がかかり、【万札】2が分配されました。【名声:罪罰】に変動はありません。
◆アイアンアサシン (種別:ニンジャ)
カラテ 7 体力 7
ニューロン 5 精神力 7
ワザマエ 3 脚力 4
ジツ 0 万札 5
DKK 0 名声 0
◇装備や特記事項
装備:トロ粉末、サイバネ『戦闘用バイオサイバネ』
スキル:『連続攻撃2』、『懸賞金』
生い立ち:5『○出奔ソウカイニンジャ』
備考:
シンジケートは裏切り者を生かしておきません
このニンジャは動向を探られており【警戒度】が2からスタート
◆コヨリ (種別:モータル)
カラテ 1 体力 1
ニューロン 1 精神力 1
ワザマエ 1 脚力 1
ジツ 0 万札 0
◇装備や特記事項
装備:
生い立ち:???
備考:
本名不明。
ありがとうございました。
以上で自作シナリオ「コメダ雑居ビル入居者希望有」のリプレイは終了です。回避ダイスが多いからと高をくくってジツもなしに踏み込んだばかりに一瞬死にかけましたが、どうにかクリアできました。せっかくなのでアイアンアサシンには今後も自作シナリオのリプレイを担当してもらうかもしれません。
Wel_Nocは現在ソロアドベンチャー、TRPGシナリオを「コメダ~」の他にも執筆中。興味を持たれましたら幸いです、完成に向けてガンバリマス。