30 Day Song Challenge Day 27
Day 27 A song that breaks my heart(心が砕けそうになる曲)
〇Oh My Little Girl/尾崎豊
また尾崎。breaks my heartをうまく日本語に直せなかったけど、heartbreakと同じような心理的効果をもたらす曲という解釈をしてます。これめちゃくちゃ沁みますよね。すごくすごく個人的になんですけど、神楽坂の通りを歩きながら夕方これ聴いてるとめちゃくちゃ沁みてきます。ああいう街がすごく似合う曲。尾崎もやっぱりすごく東京を描くのがうまい。
どうしてだろう、俺はこの子を愛しているんだと、幸福そうな歌詞なのに、どこか終わりを予感させるんですよね。しんみりしている。この時がいつまでも続いてはいかないことを、この主人公も相手もわかっていて、そのうえで刹那を楽しもうとなんとか頑張っている、みたいな切なさを感じます。I LOVE YOUとかもそう。僕が僕であるためにとかもそう。青春の歌なんですよねだから、いつかは終わってしまうとわかっているものに対して、儚さを感じる風流な感性がある。そういう意味では大人びている歌だと思います。楽しんでいる最中にはそのことに夢中で、先のことなんかあまり考えないのが大多数の青少年だけど、尾崎はいつもそうではなくて、図書館で借りてきた本みたいに、いつかは返さなくてはならないことを前提に女の子と付き合っていることが多い気がする。
愛するというのは悲しいことだ、しかしそれを乗り越えていかなくてはならない、というのは尾崎の愛の歌に共通したメッセージなのかなと思います。いつも悲劇から始まっていて、というか愛はどう頑張っても悲劇にしかならなくて、ハッピーエンドは想定されていなくて、愛し始めた時が最も幸福、あとは急降下していくだけの人生で、そんな中を心を粉々に打ち砕きながらもなんとか懸命に食らいついて、強く生きていこうとする。尾崎作品に描かれたそんな青年のあり方は、青年らしくめちゃくちゃ過激ではあるけれど、いくつになってもわたしの心をうち続ける美しい人間像として、いきいきと生き続けています。