オプㇱヌプリで月を見る
オプㇱヌプリは、北海道沙流郡平取町を流れる沙流川(二風谷)を代表するアイヌ伝承地です。
毎年夏至の頃、沙流川の右岸にある山間の隙間に太陽がすっぽりとおさまるように沈んでいきます。
(2007年には文化財保護法に基づく重要文化的景観に選定されています)
詳しい伝承は、平取町立二風谷アイヌ文化博物館のホームページにある解説や下記YouTubeをご覧ください。
また、ここからダウンロードできる「北海道平取町文化的景観解説シート」の「B区域、44 オプシヌプリ」にも詳しい解説が載っています。
今は谷のようになっていますが、明治31年までは上部がつながっていて、本当に穴になっていたようです。
このオプㇱヌプリ、夏至の日に太陽が沈む姿を見ようと多くの人が訪れるそうです。
そんなオプㇱヌプリですが、「夏至の日に太陽が沈むなら、冬至前後に月が沈むんじゃないだろうか?」と思い、シミュレーションソフトを使って調べてみました。
太陽の南中高度が最も低くなる冬至の頃、逆に月の南中高度は高くなります。冬至を挟む前後の満月の入りは、夏至の太陽のそれに近くなることが上の画像からわかると思います。
12月にもチャンスはあったのですが、天気が思わしくなかったので断念
1月は三連休の初日で明け方5時過ぎには雲が切れる予報だったので、行ってきました。
帰省していて話をすると同行するという勇者?を一人乗せ、車を走らせること2時間半。目的地に到着した時は雲が切れ始めていました。
白道の傾き的にもう少し南にずれる必要がありましたが、ほぼドンピシャ
そして事前のシミュレーション通り、朝6時半ごろ、オプㇱヌプリに2023年最初の満月が沈みました。
写真だと月が白く飛んでしまっていますが、肉眼では日の出前の朝焼けの中、月の模様もしっかりと見えてとても幻想的な月の入りでした。
この時の気温は氷点下10度前後、風がなかったのが幸いでした。
2kmほど川を降ったところにある二風谷コタンに移動すると、沈みゆく満月に再び出会えました。
コタンの上に沈む満月もまた、幻想的な風景でした。
今度は夏至の日に来てみたいと思いました。
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