見出し画像

自由記述欄

とりあえず書いたのですが、面接官に「うわめっちゃ際攻めてる奴きたwww瞬足かよwwww」「 コーナーで差をつけるんですかねwww」とか思われたら嫌なのでこれは提出しませんでした。そんな勇気はありませんでした。でも勿体無いのでここで供養します。


※面接官から出された題に従い、自由に記述してください。(2000字)

面接で「特技は?」と聞かれ、意気揚々と(育ちの良いお嬢様アピールも兼ねて)ピアノですと答えようとした矢先「あ、ESに書いてないやつね」。

んなもんあるか。

他人に言えないことなんて何百何千とあるだろう。そもそもESってのは己の持ちうる全ての要素を詰め込んだものであり、そこになければ無い。ないものはない。コンビニに行って肉まんが売り切れてたら新しいものを用意しろと店員にわざわざ言うタイプの人間なのか君は。

品行方正で控えめな儚げ美女のイメージをキープしつつ、面接官に興味を持ってもらえるものを必死に探す。しかし先述した通り、ないものはない。
考えること2秒。蘭姉ちゃんに名前を聞かれたコナン君の如く、咄嗟に面接官の持つ書類を見て「文章を書くことです」と口走ってしまった。

やらかした。Twitterです、と答えなかっただけマシだろうか。何にせよ、やらかしたことに変わりはない。

あわよくば「そうなんだ〜」って流してくれないだろうか。そんな期待も虚しく、「じゃあ次の時に何かエッセイ書いてきてね!」と快活に言い放たれた。さらっと次って言ったな。即時通知で合否が分かり、本来であればお好み焼きの上の鰹節の如く喜びの舞を踊るはずなのに気分は鬱蒼としている。

そもそもエッセイって何だ。

エッセイとは、特定の文学的形式を持たず、書き手の随想を思うがままに書き記した文章のことである。

weblio辞書より引用

じゃあTwitterで良いと思う。日々感じる人間の美しき絆や熱き友人との成長を綴っているのだから存分に見ればいい。

稀に「イニエスタがジェラピケ着てる広告が地下鉄にある」と聞いて、一部の顔面上流階級にしか着こなせないゆるふわピンクのモコモコパジャマを纏った彼をわくわくしながら探したとか、挙句ジェラピケとヴィッセル神戸のコラボだったらしく、思ったより普通でがっかりしたとか、脳死したツイートも散見されるがそんなもん後で抹消しとけば何とでもなる。

それなのに自由記述2000文字。こんな仕打ちあんまりじゃないか。一応Ctrl+CとCtrl+V駆使してES書いたのに。終わったらエルデンリングやろうと思ってたのに。読書感想文とか税の作文並みに書く気が起こらない。

読書感想文といえば、小3の夏休み明け、提出した作文用紙に赤で「主人公に共感したことを書きましょう」と書かれたことを思い出す。
主人公は親を殺され家を追われ妹を育てる、だったか。選書センスが絶望的なのはさておき、悪いがそこまでハードな人生は送っていない故、共感しようがない。むしろのうのうと暮らしてきた私に同情なんかされたら主人公が惨めになる。「お前に俺の何がわかるんだ!」って殴られそうだ。そんなモブ役は御免被りたい。私だってできることなら浜辺美波になりたい。たとえ主人公に共感した文章を提出したとしても嘘であることは明白だし、事実であるならば担任は早急に児相に電話したほうがいい。

さて。何を書こうか。実はメモには色々書いていたのだが、どれもこれも、とても採用ご担当者様にお見せできるものではない。

例えば「イカれた担任 ジェダイの逆襲」とか、「マッドフレンド 怒りのデス・ロード編」、「令和2年度ガチギレされたエピソードベスト20」等、おおよそESにはふさわしく無いのであろう。

学生時代の思い出と自己成長的な何かを探してみたがもう既に他の欄に書いている。再放送は避けたいものだ。ちゃんと書くつもりはある。書くよ。書けるもん。とりあえず 一息ついてYoutube見たらやるよ。

そんな決意も虚しく書いては消し、書いては消しを繰り返している。花垣武道よりタイムリープしている。そうこうしているうちにもう日付が変わりかけている。タイムリミットはもうすぐそこまできている。

優秀なApple Musicがくそ現代っ子ごみかす20代をタイムリーに流す中、もう字数制限も迫っている。結局何も論じていない。まずい。心のIKKOも「お手上げ〜!」と言っている。

ここまで読んでくださったのであれば、私に興味がないことはないだろう。ふざけてんのかてめえと言われるだろうか。しかし出された題が「なんかエッセイ書いてきて」であるならばこの書き方を貫くしかない。これが私の個性なのだから。

ただ万が一、お祈りメールが来た場合には、速攻シュレッダーにかけて、ブルーノ・マーズを爆音で鳴らしながら叶姉妹の如くファビュラスに登場する時の紙吹雪として再利用する所存である。

嘘です。採用してください。お願いします。こう見えて意外とちゃんと働くんです。バイト週7で入ってました。体力と根性はあります。お願いします。

どれだけ就活がクソであろうとも、敬愛してやまないナナミンこと七海建人が労働はクソだと述べても、人間やらねばならない時がある。好きなこと、やりたいことを思いっきりやろうと思えば、やりたくないことも思いっきりやらなければならないのだ。

まさに今。正念場。耐えろ、私。


さあ、肝心の文字数は………


211文字と面接官はどちらを消せばいいんだろうか

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?