見出し画像

マネージャーとリーダーの3つの違い」

ある若手マネージャーが、「リーダーシップについて学び、様々なアイデアを実践しているが、マネージャーからリーダーへと移行したとどう判断できるのか」と質問してきた。この問いに対して、マネージャーとリーダーの違いを見極める三つの指標を提示した。

1. 価値の計算 vs. 価値の創造
マネージャーは価値を数えるが、リーダーは価値を創造する。例えば、ダイヤモンドの研磨職人に15分ごとに報告を求めると、集中力が削がれ、生産性が落ちる。これでは価値を削ぐだけである。一方、リーダーは「Aを任せるから、その間にBをやる」といった形で、チームの生産性を高めることに貢献する。行動によって人を導くことが、リーダーシップの本質である。

2. 権力の輪 vs. 影響力の輪
マネージャーは「権力の輪」を作り、直属の部下に指示を与えるが、リーダーは「影響力の輪」を広げる。自分の直属の部下以外からも相談を受けるかどうかを確認することで、リーダーとして認識されているかがわかる。影響力を持つ人は、組織の枠を超えて人々に頼られる存在となる。

3. 人を導く vs. 仕事を管理する
マネジメントとは、目標達成のためにグループやプロセスを管理することだが、リーダーシップは、人々を動機づけ、影響を与え、組織の成功に貢献する力を指す。権力や統制ではなく、影響力とインスピレーションが、リーダーとマネージャーを分ける。インド独立運動のM.K.ガンディーは、民衆を鼓舞し、共に歩むことで国を導いた。問題の先を見据え、ビジョンを持ち、人々に挑戦を機会へと変えさせることが、真のリーダーの姿である。

筆者は、若手マネージャーに「チームメンバーと対話する機会を増やすこと」を勧めた。もしメンバーが日々の業務ではなく、ビジョンや目的、目標について話し始めたら、それはリーダーへと移行した証拠である。リーダーシップとは、単に仕事を管理することではなく、周囲に影響を与え、人々の意識を高めることなのだ。


いいなと思ったら応援しよう!