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ロードムービー

はじめに。
この記事は、年寄りめいた昔話とピントがめちゃくちゃで主題すらあるようなないような組写真で構成されています。
日曜日も終了間際、時間を持て余してどうしようもないという方は是非、ゆっくりお楽しみ下さい。


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写真が好きです。
17歳で初めてのMy一眼レフを手に入れるまで、家族のコンパクトカメラを常に持ち歩いていました。そして近所のありふれた田舎風景を撮っては、今や懐かしの現像同時プリントに出して「おかしいなぁ、こんな風に撮りたかったんじゃないのになぁ」と首を傾げる日々を送っていました。なけなしのお小遣いは大量の駄作に変身し、本棚には整理しきれないネガプリント袋が無惨に積み上がっていたものでした。

高3直前の春休み、破天荒な父親から高校生には不相応な額の臨時収入を得ました。私は学校帰りに制服姿のまま、念願の一眼レフカメラを買いにウキウキとお店に走りました。
店員さんは優しく「分からないことがあればいつでもおいで」と、丁寧に使い方を教えてくれました。
父はぶっきらぼうに「カメラで稼げるようになれ」と、書店の紙袋に入った2冊の一眼レフ入門本を突き出してきました。
私の父は愛情表現が下手くそな人です。
そんな風に、中学生から芽吹いていた私の写真活動は本格的な幕開けを迎えることとなったのでした。

※ ちなみに当時よりは立派な機材を迎え入れた今も度々「おかしいなぁ、こんな風に撮りたかったんじゃないのになぁ」と対峙しています。
写真の良さは、機材の良さと必ずしも比例しません。狙い通りの写真とは、基本の引き算をはじめとした綿密な計算の上に成立するものです。その最適解のあり方と、そこに着地するための計算式こそが個性であり、センスであるとも言えます。私の「おかしいなぁ」「しまったなぁ」は、ひとえに私の勉強不足と注意不足による計算精度の低さに由来すると言えるでしょう。

昨日、得意先への移動で助手席に乗りました。
不定期で入るその仕事はおおよその枠組みが決まっていて、何度となくなぞった手順。わざわざ現地打ち合わせ前に運転席と摺り合わせるような議題もなく、はるばる1時間半の道中。カーナビに映る再放送番組もいまいちで、私はすぐに手持ち無沙汰になってしまいました。

外は小降りの雨。退屈。私はスマホで、車外の風景を撮りました。


高速移動しながらスマホで写真撮影すると、光量やシャッタースピードが十分でも被写体が歪んで撮れることを知っていますか?
例えばこんな感じに。

欄干が////状になっているのは橋の仕様ではありません。
元々デジタル分野にやや弱い私には、スマホカメラに何が起きてこんな風に写るのか分かりません。無精者なのでググりません。
ただ、以前この空間の捩れた不思議な写真が撮れて、今日もまた面白い写真が撮れないかなぁという期待でスマホの撮影ボタンを押したのです。


撮れませんでした。
撮れたのは、外の景色が車窓の雨粒でまだらに汚れているだけの、くすんだつまらない写真でした。
私のスマホでは、もといXPERIA Z3compactのプリインストールカメラでは、シャッタースピードも絞りも露出も数値で設定できません。また、画面タッチで指定するピント位置も対象が小さいと認識してくれません。
探せばそんな機能も揃ったアプリがあるかも知れませんが、今まで使ってきた歴代の携帯・スマホのカメラにはそういった機能はなく、製品広告でどんなにカメラ品質が謳われていても付かない機能なら、きっと多くのユーザーにそのニーズがないんだろう。そう諦めて、もう探さなくなりました。

思い通りに撮れないという歯がゆさは、昔、写真屋さんで受け取ったプリントを確かめながらしおしおと萎んでいく期待に溢れた心を思い出させます。
多分、少し前までスマホカメラを過度に蔑んできたのも、CONTAX U4R(懐かしい!)が購入して間もなく棚のオブジェになってしまったのも、それを心の何処かで引き摺っていたからではないかと思うんです。
しかし今の私は、ここ最近その小さなトラウマを克服し、「スマホカメラの能力範囲で何回も試せばそこそこには撮れる(笑)」という寛容の心を手に入れ、スマホカメラライフが最高潮に盛り上がっているのでした。

1枚切ったシャッターを皮切りに、私は何度となく窓の外に向かってシャッターボタンを押しました。
何枚撮っても、長いシャッタータイムラグとXPERIAの気分次第の合焦距離のおかげで、変テコな写真ばかりが撮れ続けます。
運転席は半ば呆れながら、車酔いで仕事に支障ないように、と言いつつ自由にさせてくれました。優しい。
私は思い通り撮れないブレブレ写真をひたすら撮り続け、目的地に到着し、打ち合わせでルーティンの確認をしてから今度は大きな仕事用カメラを出し、1000回を優に超える回数の自分が切ったシャッター音を聞きつつ大汗をかき、疲れたー!!と言いながら、帰り道も再びスマホカメラでパチパチパチパチと暗くなった窓の外を撮りました。
多分どうかしてます。


ここから先、本当に、何も面白くない写真がひたすら並びます。こんな初夏の休日の夜、暇で暇でしょうがないという方はどうぞご賞味ください。












































最後のカットは、車から降りてパシャリ。その後、昨日のコメント付きの一枚に繋がります。

写真が好きです。大好きです。
それでも、こんなにこんなに好きでも、ビールを2~3杯も流し込めばその喉ごしのスパイス程度の扱いに成り下がります。
お酒って、本当に怖いですね(>_<)


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スマホの本体とmicroSDカードの容量が、もう足りないそうです。XPERIAから繰り返し通知が来ます。パンクさせるようなデータ量になるつもりは全然なかったから、もともと容量が小さいんです。
大容量のカード買いに行かなきゃ。

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