別冊トランスパンダ beginning

bigininngって!ジークアクス面白かったですね!そうつけたかっただけ!

久しぶりのNote更新ですが、第9回30GP無事終わりました。

終了後に30GP優勝経験を持つ凡タムさんというユニット(夫婦ユニットらしい)こやちのぞむさんの感想(30GPの第1ラウンドを全部観劇した感想)を読ませて頂いてから色々と考えること、考えさせられたことも含み別冊トランスパンダの「われもの競走」という公演について色々個人的に振り返ることができました。

最初に説明しておくと…ってここファンにはお馴染みトランスパンダブローグなら醍醐味にもなるちょっと長めのファミリーヒストリー感覚でお読みください…。bigininngだしね。
てかお前誰みたいなんはざっくり情報のWikipedia「なかた茜」でどうぞ。
別冊トランスパンダというのは、わたくしナカタアカネのひとり劇団である「トランスパンダ」の名前の通り別の企画という趣旨である。
実は「別冊トランスパンダ+」というトランスパンダと208+という映像ユニットとの合併ユニットで作品を発表したことがあるのですが
その際は旧 in→dependent theatre 2nd の杮落としでチェーホフの「3人姉妹」を現代の日本の関西の片田舎に設定し都落ちしてきた某有名漫画家の娘、息子たちの話に書き換えたものを発表しました。
結構気に入っているのでまたいつか発表できたら嬉しいですね。
今回の「別冊トランスパンダ」はどことコラボした訳ではないのですが
純粋に人に台本を書いて頂いて役者に集中したいという企画なんです。
トランスパンダは作と演出をずっと私が手掛けていて役者で出演することが基本だったのですが、役者を敢えてせずもう作演出に打ち込んでみようぞと専念した時期がありました。
本当にそれはそれで楽しく活動できたのです。
しかし、配偶者の仕事の都合で関西を離れることになり2年間の空白ができてしまいます。(その直前には30GPにも観客投票の結果出場しました)

戻ってきたら関西小劇場界はまあまあ様変わりしていたり、活躍してた団体が休止したり解散したり、役者も半ば引退だったり…。
活躍してる役者の顔ぶれもかなり変わりました。

まずは私も復帰するか…と火曜日のゲキジョウにお世話になろうと
現在のin→dependent theatre 1stのリニューアル杮落としにステージタイガーさんとカップリングを組んでやることになりました。
(ちなみに第1回30GPベスト6にはトラパンとステタイさんが残っていました)
ありがたいことに楽しく公演できましたが観客層が見事に様変わりしたため「トランスパンダ…?誰それ?」状態の観劇する方も割といらっしゃったなあという印象でした。
翌年は火曜日のゲキジョウさんで何本かやってお客様に覚えてもらって本公演できたら!というビジョンを持って準備していたところ、コロナが到来。
多くのお芝居の方が公演中止など経験されたとおり、トラパンも予定していた火曜日のゲキジョウ3つ準備中がすべてなくなりました。
(緊急事態宣言も発令されるだろうという状況では断念しますしかできませんでしたよね。当時は決定は参加団体で話し合いという決め方でした。
私は寿命が5年縮む思いをすることになったという疲弊エピソードもいくつかあります…)

コロナで活動が制限されて、ひとり劇団の宿命ですが採算の取れない以上に赤字を抱える可能性が高く、なんなら誰かの健康を損ねてしまう可能性がある公演は怖くて出来ない…となるなか、同時進行で準備をしていた豪華女優陣を誘ってやったメゾンブルボンのリーディング公演もなんとか配信公演という形で無事終えることも出来たもののなかなかつらい時期を過ごしました。
正直4年ほど様々な可能性を棒に振ったわけです。

そんな中、自分の止まった時間とかお芝居する上で停滞した様々なものを循環よくするには、お芝居に関わることがいいだろうなあと考えたとき
ひとりだと、運営資金などはリスキー、照明音響などはできないし制作ができる?いや、専門にしている制作には敵わない。
作演出は特に関西って各団体の中で作り出すので依頼が特にあるわけでもないですし。
じゃあ役者か…となると、私の年代が登場する芝居は正直あまりないです。
オーディションはあっても30代ぐらいの募集までです。
まれに幅広い年代のオーディションがあって応募しましたが
「作家や演出家してる人は…」と速攻お断りの連絡が来て笑ってしまったことがあります。まあそれで演出家がやりにくいというのならそれでいいと思うのでええねんけど…(後日譚があるのですがそれはまた別のお話)いや、しかし…。

そうこうしてるうちに芸術創造館のぱくっと演劇祭でトランスパンダでお芝居する機会を与えてもらってとても嬉しかったです。
久々に役者もするかと役者もすることにしました。
(昔からのファンにはそろそろ出なよと望まれる方もいたためですありがとうございます)
でも、やっぱ私無理じゃね?とひよって何人かに変わりにオファーしましたがことごとく断られて仕方なくやりました…!

こちらも無事終わりましたが、以前より考えていたことが更に明確になったことがありまして。
自分で自分を書くのに限界がある。これにつきます。

正直、自分の年令を鑑みて…書く作品の内容として
結婚しているので夫婦の話など書いてみては?観てみたいと
何人かのファンにリクエストされたこともありますが
いにしえからの悪習である女性作家が書いた芝居、全部自分の実体験と誤解されがち(誤解とまではいわずもそれを前提としたしょーもない質問がある)問題があり、演劇と私生活混ぜたくないし混同されたくない感があり
自分では書かないのですが(配偶者は芝居をしている人ではないので)

テーマとは別に自分が出る前提で書くとかなり自分の出番率を調整して書いてしまう問題もありまして…あと、自分で自分がわからない。
自分で書いて演じる役はもう自身を使う武器論として作家や何かを書いている役として結局南極書いてしまう問題。

何年これやっとんねんって話ですよ!
1999年か2000年からもう芝居やってて作家ですって役を自分で書いてると気づきました…6本ぐらいこれでやり通しています。

あと、コロナで失われた年数分、私も歳を重ねているわけですが正直に言うと実年齢と見た目年齢のバランスが釣り合わない…。

わたくしを知らない方には下記のリンク記事…約17年前ほどからの写真の移り変わりをどうぞ…。
「自撮りは何のためにするのか、分かるようで分からなかった」

あと、私の年代になると奥さんやお母さん役にシフトしていくかと思うのですがそもそもあんまりそれらが出てくる芝居あんまりないですし
やっぱそういう役ってうまい俳優さんに行くでしょ。
ただでさえ、私より上の年代のベテラン女優がいてるのに私にオファーこない…私とざっくり同世代なら、高橋映美子さんや石井テル子さん美香本響さんがいるし木下菜穂子さん、木山梨奈さんもいる。また演劇モンスター武田操美さんだって控えてるわけですよ。
そしてそんな中、私より下の世代が奥さん役もやりはじめてくるようになったら…。(木下さんはちょっと下ですよね)
年齢不詳系にしても演技力というものが必須となってまいります…。
ほら、ダンスも出来て真面目でストイックで演技力も高い後藤七重!!

奥さんもお母さんも役がないし…かと言って会社ものの女性上司とか…河上由佳!?
おかんも出来ておもろいおばちゃん役…宮川サキ!

入る隙間まったくないわけです。
あと、これ私はやはり作家もしているので、正直この役いる?と疑問に思う作品はやっぱりちょっと…考えてしまう。

と客演に呼ばれる可能性もあまりないし、作品の質や好みや信頼できる創作環境でないと…。

一度、きちんと作家さんに台本執筆を依頼して書いてもらう企画をしてみようかと考えていた矢先に出会ったのが中辻英恵さんでした。
中辻さんは東京で活躍している「白いたんぽぽ」さんの座付き作家さんですが、本人は関西在住の作家さんです。
「白いたんぽぽ」さんは高校演劇のOGで結成されて、中辻さんは彼女たちより先輩にあたります。
しかし、当たり前ですが私よりはめちゃんこ若いです。
白いたんぽぽ さんもぱくっと演劇祭に別ブロックで参加されていて本番前に中辻さんからXでメッセージをいただきました。
過去にもう既に出会っておりました!
以前私がレギュラー作家をつとめたラジオ番組のアルバイトスタッフさんとして同じ現場にいてらっしゃいました。
私がレギュラー作家だった間、何人か学生スタッフさんが入り、卒業して…入れ替わるという感じだったと思いますがその中のひとりが中辻さんだったわけです。
「そうかじゃあせっかくのご縁だから白いたんぽぽ観てみるか」と拝見した「ひもも」という作品がとてもおもしろく(リンクの動画について音楽についてはMIDI音楽的な感じですが当時のぱくっとの上演規定が厳しかったためです)割と心が動くし何しろ台本が良くて若手女性作家不足じゃね?と思っていた矢先だったので即オファーしたのは言うまでもありません。

こういうときの行動力は光の速さでよく揶揄されたりしますが
正直、今動かないとこのまま還暦を迎えてしまうじゃない…これにつきます。
例えばですが、樋口ミユさんや高橋恵さん、山岡徳貴子さんなどの同世代作家さんにオファーすることも考えてみたりはしたのですが快諾してもらったとして、この人達の書く登場人物はもっと大人になるというか…芝居経験を円熟させないとまだ早いかもしれないということです。
でも、正直見た目問題もそうですが感性については若手の女性作家さんの台本をやるなら今、やっておかないと間に合わない。
自分の年齢も年齢ですからいつどうなるかわからないですし、自分のことだけでなく家族もいますからね。人生いろいろありますよね。

2023年の2月か3月にオファーしてすぐに中辻さんは「われもの競走」を書き上げてくれました。
30分短編ものとして…勿論発表しやすい火曜日のゲキジョウに合わせたオーダーです。
当時、ただでさえひとり劇団だけど、中辻さんに仕事として発注して書いてもらったとはいえ、台本は中辻さんありきだから関西ではまだ知名度があまりない白いたんぽぽを売り出すような名前をつけたほうがいいのだろうか?
と考え、中辻さんに尋ねました。
年下ですが思慮深く大人の中辻さんの回答は
「ナカタさんが宣伝しやすく、トランスパンダファンにわかりやすいほうがいいような」
ということでしたが、私の脳内では「おねえさまアレを使うわ」と勝手に心のノリコが語りかけてくれたおかげで
やっぱこのネーミングやなと「別冊トランスパンダ」を名乗ることにしたのです。台本私じゃない別の作家が書いてくださるんだし。

と、長い前置きはここまで次回は「われもの競走」について書きます。


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ナカタアカネ
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