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高卒就職市場に相場情報を!

 高卒就職問題研究のtransactorlabです。年度が変わりあれよあれよと言っている間に6月も半ば。新年度の高卒求人票公開日まであと20日を切りました。
 求人企業の方々は人材確保に向けて大変な努力をされておられるでしょうし、高校の方では求人票公開に向けて指導が本格化している頃です。
 私は、高卒就職市場には給与や休日数(労働日数)などの待遇相場が分かる情報が不足していることを問題視し、この状況を改善するために多くの人に正しい相場感(観?)を持ってもらいたいと願い、情報提供を続けております。

 このホームページにて昨年度の公開高卒求人の待遇分析レポート全都道府県分を公開しています。どうぞご活用ください。給与と休日数の平均・最高・最低、給与を横軸、休日数を縦軸に取った度数散布図などを、全職種・製造業・建設業・運送業・飲食宿泊業・医療介護業の6種の分析結果がご覧になれます。

 一例として北海道の分析結果の抜粋を示します。

2021年8月北海道高卒求人全職種
求人総数 12,679人
北海道2021年8月 縦軸:年間休日数 横軸:月給

 以上は北海道内を就業場所とする公開高卒求人、2021年8月初旬の時点のものを集めて統計を取った結果です。准看護師や美容師見習いなどの学生就職求人も除外せずあえて使っております。 

 北海道労働局発「令和4年 3 月新規高等学校卒業者の職業紹介状況(8月末現在)」 道内求人数 14,002 人 求職者数 6,590 人  求人倍率2.12倍

https://jsite.mhlw.go.jp/hokkaido-roudoukyoku/content/contents/001044189.pdf

 昨年度高卒求人倍率の全国平均はほぼ3.0倍でしたので、2.12倍はかなり低い方です。

 全国平均よりは少なめとはいえ、約6600人に就職希望者に対して1万4千人分の求人がありましたので、単純に約7400人分もの求人が未充足になる「売り手市場」状態だと言えます。

 さて、冒頭で「多くの人に正しい相場感(観?)を持ってもらいたい」と書きました。裏を返せば、正しい相場が分かる情報が乏しいせいで、多くの人が損をしているからであります。では、私がどうしてこういうことができるのかというと、まず私が教員であること、そして公開高卒求人を効率良く統計処理するプログラムの開発に成功した者だからです。

 待遇度数散布図は、まず誰よりも就職を目指す高校生や保護者の皆さんに見ていただきたい。自分が今見ている一枚の求人票が「全体の中でどのぐらいの位置にあるのか」を知らなければ、本当に自分で選んでいることにはならないからです。指導・支援に当たられる先生方、どうぞ見させあげてください。

 多くの人が正しい相場感を持つことが市場を健全にします。でなければ、必ずどこかでアンフェアが生じます。
 だからこそ、正しく分かり安い情報に誰もがアクセスできる環境が大切なのです。
 高卒就職市場は残念ながらそうなっておりません。
 
 時代に合わない古い常識や慣行が残り続けているのも、ひとえに情報不足によるものだと私は思います。
 
 この環境整備は国が責任を持ってしっかりやるべきだと私は思うのですが、みなさんいかがでしょう?



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