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量に依存する学習方法は存在しない

シャドーイングをひたすらやる、音読をひたすらやる、などの、量をこなすと成果が出るという言い方で指導をする人がいますが、これに関して僕は、「いい加減で、無責任な指導だな」と感じます。今回はこの辺の話をします。

前提:繰り返しのトレーニングには意味がある

まず、英語学習で繰り返しの訓練(トレーニング)が必要であるということは間違いありません。ただこれは、「量をこなす」とは似て非なるもので、

量をこなす:ひたすら音読、ひたすらシャドーイングのような、一見トイルのようにみえる作業をすること
繰り返しの訓練:要素分解された技能を無意識的に行えるようになるまで繰り返し行うこと

という違いがあります。ポイントは:

対象とする領域の狭さの違い
客観的に完成、未完成が判断できるかの違い

です。ひたすら音読、ひたすらシャドーイングの手法の場合、「ここまで到達したら完成です、おしまい」という客観的判断ができませんが、繰り返しの訓練の場合、「これで完成!」という状態にいたったかどうかを客観的に判断できます。

量をこなすことが重要と説明する指導には、それで何を鍛えているのか、どこまでいけば完成するのがという重要な点の説明が抜けており、そのことが「いい加減な指導だな」と感じる理由になっています。

小さな成功体験の蓄積が重要

僕は、ちいさく要素分解した課題をこなし、小さな成功体験を達成し、プラスの差分を積み重ねるボトムアップのアプローチが有効であると考えています。

この小さな成功体験はすでに説明したように、ビフォーアフターが明確なものであり、そのため達成感を味わいやすく、モチベーションを維持しやすいです。もちろん、「ちいさな」成功体験であるため、その体験は英語学習の全体像からみればとても小さいですが、これが千里の道の一歩になることは間違いありません。

さいごに

指導者の役割は決して、量をこなすように鼓舞すること、1日あたりのノルマを設定して尻をたたくことではありません。そうではなく:

要素分解された技能をわかりやすく示す
それを鍛えるために有効なトレーニング方法を示す
必要に応じて自らデモンストレーションする

といったことを行う必要があります。

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