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< MtFが女性化を早める方法 >

MtFにとって、最大の課題であり、
いちばん気になる項目です。

ホルモンをたくさん入れれば、女性化の傾向も強まると考えている人は、多いと思います。それって本当なのでしょうか❓

海外の研究報告も参考にしながら考察していきます。


<更新履歴>

・2024/11/11
黄体ホルモンの項目について、一部追記をしました。

女性ホルモンの種類
その効能・役割

女性ホルモンには、大きく分けて、卵胞ホルモンと黄体ホルモンがあります。それぞれ以下のような特徴があります。

黄体ホルモン

女性でいう妊娠ホルモンと言われるもので、生理前とか、妊娠中に活発になるホルモンです。生理時であれば、より女性らしい体になる為、そして妊娠中であれば、お腹の赤ちゃんに栄養を与えるために、食欲が増加したりします。そのおかげで、肉付きが良くなって丸っこいフォルムになったり、おっぱいが大きくなったりします。よく、女性が生理前後に爆食いしちゃったりするのは、これの影響ですね。

ただメリットばかりでなく、卵胞に比べると精神的に不安定になりやすかったり、乳がんのリスクを高めるおそれもあると言われていたりします。

あと、妊婦さんがよく乳首が黒くなる現象があるのですが、これも黄体ホルモンの影響が強いと言われています。

日本では睾丸摘出をしていない(or ホルモン療法を開始して2~3年未満であり、まだ睾丸の機能が完全に失われてない時期の)MtFに対して、男性化の進行をより効率的に抑える抗男性ホルモン的な役割として利用されている例が多い印象です。(注射 or 錠剤)

他方、海外では黄体ホルモンがMtFに対して、同時処方される例は殆どありません。すべての医学論文が読める”PubMed”で漁ってみましたが、少しずつ研究が進んではいるものの、トランス女性に対する黄体ホルモンの導入はまだまだ研究途上の項目のようです。論文によって、まったく正反対の結論が出たりしているケースもあり、黄体導入の賛否は分かれています。

先日、興味深い病院を見つけまして、イギリスのトランスジェンダー治療ガイドラインを積極的に取り入れた病院が大阪にあるそうで、その病院の谷口医師は「子宮のないトランス女性に黄体ホルモンは必要ありません!」とHPにて公言されており、MtFに対する黄体ホルモンの投与には否定的のようです。

また、いつも私が参考にさせて頂いている池袋先生のこちらの記事もたいへん参考になります。こちらも谷口先生同様、黄体ホルモンの投与には慎重派のお考えのようです。池袋先生は、他にもMtF・FtMの治療に関する幅広い情報を日頃から発信されていますので、ぜひ覗いてみてください。((勝手な紹介←


卵胞ホルモン

卵胞は、肌の質感や、髪の毛の質感を女性らしくしたり、セロトニンというストレスや、快眠に効果のある幸せホルモンの分泌を促進する効果もあります。こっちは、細かい部分の女性化!って感じですね。一般にトランス女性に対する医療は、こちらの卵胞ホルモンを主体にアプローチしていき、エストラジオールという数値を継続的に監視しながら治療を進めていきます。

もし、ホルモン治療をしてて、精神的に不安定になるな~と感じる人は、卵胞が足りてないか、黄体を取りすぎてるのかも…?(そもそも標的臓器である子宮・卵巣がないMTFに黄体を入れても、躁鬱傾向になりやりやすくするだけだから、そういう意味で黄体は懸念されている(?)

--- よくある勘違い ---

女性化を早く進めるには?

たくさん投与したほうが女性化が進むとか、おっぱいが大きくなると思っている方は多いですが、そういう研究報告は、今までに上がっていないのが実情です。

一般的に日本では、エストラジオールを
100~300の間に維持するのが良いとされています。

他方、海外では100~200と言われたり、睾丸摘出後なら閉経前(50前後?)を維持する程度で良いとする研究もあります。

アメリカのとある報告では、MtFの女性化スピードに関して、ホルモンをたくさん接種させても、健康へのリスクが増大するばかりで、女性化のスピードは関係しないとの事。

むしろ、閉経前の女性と同等くらいの低エストラジオール値にしてあげると最も女性化への移行が早く、リスクも低いと報告されていました。

ただし、低すぎる状態が長く続くと、骨粗鬆症・シェーグレン症候群・虫歯/歯周病などの原因になりますので注意してください。

しかも私はそのほとんどを経験しています…。詳細は別の記事で述べていますのでぜひ👇

また同時に、女性ホルモン値がどうこうではなく、「男性ホルモンが枯渇した状態を維持すること」こそが、最も女性化に寄与していると結論付けられていました。

気になる方は、下記読んでみてください。

すなわち、女性ホルモン打つより、〇玉とバイバイする方が、女性化には最も効果的ってことですね(笑)

そういえば、もう2年ほど前の話ですが、私が睾丸を取る際に、人生初の手術でいろいろと不安になっていたら…


「人間は、生物学的には女性からスタートするんだから、〇玉とっても何も害は無いから!不安になる事ないよ!」

クリニックの先生より

と励まされた事を思い出しました。

男の子として生まれる個体も、デフォルトは女性なんですね。
この事から見ても、”男性ホルモンが無くなるだけ”で、女性に寄っちゃうのは何となく想像できますね(笑)(本当だったんだなぁ…)

ここからは私の主観ですが、卵巣は体内にあるのに、〇玉は体外にぶら下がってますよね。この理由知ってますか?それは、精巣が体温(熱)に耐えられない仕様だからです。

こういった人体の構造からみても、やっぱり〇玉(=男性)というのはデフォルトでは存在してなくて、種の繁栄のために創造された…というのは、あながち間違いではないのかもしれません。(まぁ…人間に限らず、オスの個体そのものが、そういうものなのかも)

MtFのおっぱい成長

MtFの女性ホルモン療法による胸の成長に関しては、いくつか海外で研究されています。数百人単位の被験者データをもとに、「ホルモン療法開始から6カ月でほとんどの要素は決まる…」とか、「いやいや、最低でも2~3年は観察すべきで、それ以降は成長は見込めない…」等々、複数の研究報告が上がっています。

この研究では、おっぱい成長のほとんどの要素が決まるとされるホルモン開始後6ヶ月間における、MtFの胸の成長について、記載されていて、なんとAAAカップを超えた人はわずか3.6%だったということです。

これは私の実体験もそうですが、正直、開始後6ヶ月であまり胸が変わらなかった人は、これから2年…3年…と経過しても、一般には大きくならないと考えて下さい。

私の周りもだいたい2~3年と言っている人が多い印象です。これは、普通の女性も同様だそうです。正直これは、遺伝が大きいです。

あとは何より、適切に脂肪をつけないとダメです。成長豊胸という何も入れずに、成長因子だけを注射する豊胸術があるのですが、その医師でさえ、「脂肪を先ずはつけなさい」と痩せてる人には言われます。マッサージやらそういう事をしても、与える変化はほんのわずかです。

また、ホルモンを開始した年齢が早い方が…と思われがちですが、よほど遅くない限りは、ほとんど関係しないかと思います。ご自身の母親を参考にするとよいかもしれません。

(下記参照。おっぱいの症例の写真があるので閲覧注意!)

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