適当に、分かりやすく、おもしろく。これが私のPTA観②
私がこれから会長として取り組んでいきたいこと、大事にしていきたいことは大きく以下の3つです。
・適当に
・分かりやすく
・おもしろく
【適当に】
まずはPTA組織の存在目的やそれぞれの活動内容を見直し、目的を達成するための手段として活動内容が適当かどうかを考え、効率化を図っていきます。
やらなくても良いことにあえて貴重な時間や労力を使ってはいないかという視点でアウトソーシングの活用やITツールの導入なども検討していきたいです。
また、「コロナだから中止」という極端な判断ではなく、新しい時代に適した在り方や方法を探っていきます。
コロナが落ち着いて従来の状態に戻るようではダメだと思います。コロナをきっかけに第2のコロナのような事態にも対応し得る新しい適当を見つけていかなくてはなりません。
【分かりやすく】
私自身も役員になるまではPTAの活動に関しては分からない事が多くありました。役員の希望者が現われない原因のひとつに活動内容や役員の役割が分かりにくいという現状があると思います。何をするのかよく分からないものに対して人は積極的な気持ちになりにくいものです。
会報やSNSなどを活用し、活動や協議の内容をもっと会員相互や他校との間でオープンに共有していき、よりわかりやすいPTAをつくっていきたいです。
【おもしろく】
おもしろくというのは楽しくという意味だけではなく、もっと会員に興味を持ってもらえるようなメリットや成長が得られる活動を創っていきたいという想いです。
私の学校のPTAでは会則の中の「目的」という項目に下記のような一文もあります。
【児童同様に会員(保護者と教職員)自ら学習し成長させながら児童の健全な育成を目指すこと】
これは私がひとりの父親として大事にしている「共に育つ」という価値観と一致しています。
世の中における様々な変化の速度は増し、これまでの価値観や学びは通用しない世の中になってきました。
昭和や平成の学びや考え方をアップデートしない限り、令和の子育ては難しいのかもしれません。
私は過去や歴史も大切ですが、前例に固執する事なく、いつの時代も変わらない大切なものと柔軟な変化を必要としているものを見極めていくことが求められていると考えています。
残念なことに一部には下記の様な方程式を頑なに守っており、挑戦することをとにかく避ける方がいます。
「今までやったことが無い=知らない=できない」
そんな方に私が聞いてみたいのは、ご自身のお子さんが「やったことがないから出来ない」と言ったら何と声をかけるんですか?、ということです。
「初めてのことはできないからやらなくても良い。」と伝えてしまうのでしょうか。
そんなことはないはずです。だって、子どもたちにとっては毎日が新しい学びと挑戦の日々であり、きっとそれを知る親のあなたは、お子さんを応援する気持ちで毎日学校へ送り出していることでしょう。
今の時代は子どもに古い学びや親の価値観を押しつけるのでは無く、子どもと共に学び成長していく親の姿勢が必要になってくると私は考えています。
学ぶことや新しいことへの挑戦を子どもだけの役割にしてはいけないのです。
私はその学びや挑戦をサポートし、会員が成長やメリットを感じられる組織を創っていきたいです。
これが私の考える「適当に、分かりやすく、おもしろく」のPTAです。
他にも考えていることがいくつかあります。
PTAはParents Teachers Associationという名称の通り、保護者と教職員で構成される組織です。私はT(教職員)の方々との接点も増やしていきたいという想いがあります。
PTAは保護者会ではありません。保護者は保護者、教職員は教職員という線引きでは組織の存在価値は薄れ、役割も果たせなくなってしまいます。
先生方はお忙しいという話をよく耳にします。
私は現時点で実情に精通していないのでその点についてのコメントは出来ませんが、私はPTAを通じて共創する立場の人間として、先生方が何に忙しく、何に困っているのかという課題もラフに共有していただけたら大変嬉しく思います。
もしそこに保護者に対する過剰な配慮から生まれている何かがあるのならば、そこはPTAとしてサポートの可能性がある話だと思います。そういった率直な共有が出来るくらいの信頼関係を築き、有機的な連携が出来たら良いものが創っていけるのではないかという気がします。
まだあります。
子どもたちと保護者の交流機会を増やして、PTC (Children) A化していきたいという想いもあります。いずれは地域コミュニティとの接点も強化していきたいのですが、まずは子どもたちに見せられる保護者の活躍の場を増やしていきたいと考えています。これはいわゆる子どもたちへのキャリア教育に近い取り組みをイメージしています。
今年全国の小(3~6年生)・中・高校生の男女3,000名を対象に実施された「第一生命『大人になったらなりたいもの』アンケート」によると、小学生(女子)を除き、それ以外の小・中・高、全ての調査対象で【会社員】が第1位を占めています。詳しい結果はこちらをご参照ください。
この背景に対する見方は様々ですが、ひとつの見方に新型コロナウイルスの影響で会社員の在宅ワークが進み、子どもの目に家で働く会社員としての親の姿が映った結果が反映されているという見方があります。
その他上位ランキング入りしている職業はYouTuberやスポーツ選手、制服を着る職業などです。つまり、大半の子どもは知名度が高い職業や認知できている職業の中からしか夢を選択できないという仮説が成り立ちます。
生徒の数と同じように親の生き方、働き方があります。 身近に様々なモデルがあるのです。だったら「パパやママのおしごと紹介」というスタイルで、出来るだけ多くの働き方や仕事、その背景にある想いを子どもたちに伝えていくことができないかと考えています。
自分の親が誇らしく自分の仕事を紹介している姿を見れば子どもたちも少し親に対する見方が変わったり、誇らしい気持ちにもなるのではないでしょうか。
これまで述べたように、実践していきたいことはあるのですが、これはあくまでも私個人の想いです。
人はそれぞれの想いやスタンスで組織や集合体に関わっています。
さらに言えば、PTAへの加入は本来任意です。私はやりたくないならやらなければ良い、いや、むしろやらないほうが良いとも考えています。
PTAの目的は一言で言うと「子どもたちの健やかな成長」です。
そのための活動に人が集まらないのは少し寂しいことですが、本来の目的がしっかりと理解され、目的に沿った活動が実態として出来ていれば、そしてその実態がちゃんと伝わっていれば、きっと手を挙げてくれる方も出て来てくれるのではないでしょうか。
それでもダメならその組織はその場に求められていない、必要ない組織ということ。任意団体なので解散してしまっても良いのではないかと思っています。
私には想いもありますが、それと同時にそれぐらいフラットにも捉えています。(見方次第では「ドライだね」、と言われてしまうかもしれませんが…)
今後息子が卒業するまでの3年間は自身の想いを発信しつつも、会員の皆さんの声を聴き、バランスを大事にしながら積極的かつ慎重に組織運営に取り組んでいこうと思います。
この令和の時代の、そしてコロナ禍におけるPTA会長として、会員の皆様と共に学び、成長できること、そしてPTAを皆様にとってより魅力的で、良い意味で適当な組織にしていけたら嬉しく思います。
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