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【旅行記2-4】伊豆箱根週末パス遠征〜福島・山形・新潟編〜

小田原から安積永盛まで大移動をした翌日,朝5時前に起きて再び北上を始める.安積永盛からの列車は始発が遅いので,この日は隣の郡山駅まで約5km歩いて移動することにした.

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郡山駅に到着.空が少し明るんできた.駅前の松屋で朝食を済ませてホームへ向かう.なお,この日から例の徳島→安積永盛の片道乗車券ではなく,JR東日本の週末パスを利用している.週末パスではJR線のみならず,周辺の私鉄・第3セクター鉄道も乗り放題となるので大変お得である.

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郡山から福島行きに乗車し,福島から仙台行きに乗り換え.東北では当たり車両のE721系が来たのでボックスシートにゆったり腰をかけた.実は東北本線の福島ー仙台間はこの時が初めての乗車だった.県境を越えて白石を通り,途中の岩沼で下車した.これから乗車する阿武隈急行線は岩沼の手前の槻木から分岐するのだが,以前東北を訪れた際に常磐線に乗車したため,岩沼から先の東北本線が未乗車だったので,一度岩沼まで行くことにした.

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これから乗車する阿武隈急行線は台風被害により県境付近でしばらく運休していたのだが,昨年の10月に全線復旧し,臨時ダイヤでの運行が始まっていた.この当時は丸森ー富野間で1日3往復しか便がなかったため,乗車の難易度はかなり高かった.現在は通常ダイヤでの運転に戻っており,この問題も解決している.

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阿武隈急行線は基本的に槻木までの運転なのだが,1日に2往復だけ仙台発着の便が存在する.仙台発着の便には新型車両AB900系が運用に入る.昨年7月から運転が始まったAB900系だが,外観はどうみてもE721系である.実際,構造上は721系と全く同じである.休日の便には「ホリデー宮城おとぎ街道号」と名付けられ,ヘッドマークも掲げられる.

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車内は完全にE721系のそれである.

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連結部にはAの文字が入っている.

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手前側がAB900-2編成,奥側がAB900-1編成である.2両×2編成の4両で運転される.

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丸森駅で8100系と並ぶ.AB900系は2編成のみなので,この列車以外は全て8100系での運転である.将来的には全てAB900系に置き換えられる予定なので,並びは今のうちに撮っておくといいかもしれない.

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列車は丸森駅を後にして,いよいよ県境越えへ.丸森から先の区間では台風被害が甚大でしばらく運休していた区間である.阿武隈川を眺めながら南下し,車両基地を併設した主要駅・梁川に到着.槻木からの列車のほとんどは梁川で折り返し運転され,福島行きの列車へはここで乗り換えとなる.

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丸森行きの8100系と並ぶ.

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乗車してきたAB900系は車両基地に回送されていった.

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梁川では乗り換え時間に余裕があったため,一度手前の富野駅へ戻り,そこから福島行きに乗車することにした.

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8100系に乗車.国鉄713系電車を基本とする2ドア構造となっている.車内はボックスシートでドア付近にロングシートを配している.

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連結部はキハ48形でも採用された「キノコ型」をしている.

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途中駅のやながわ希望の森公園前駅はひらがな16文字の長い駅名である.

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終点の富野に到着.ここから折り返し福島行きとなるので引き続き乗車する.

阿武隈急行線は5万人都市・伊達市を抜けて福島市内に入る.郊外の住宅街を抜けて右側からJR線に合流,さらに福島交通飯坂線と並走して終点の福島駅に到着.

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福島駅では福島交通飯坂線と平面乗り換えが可能である.

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改札口にはICカードリーダーが設置されているが,これは福島交通飯坂線のみで利用できるICカードNORUCA専用なので,阿武隈急行線内では利用できない.

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入線してきたのは元東急1000系電車.2017年から飯坂線に投入され,当時活躍していた7000系電車を置き換えたばかりの新人である.飯坂線は「いい電」の愛称で親しまれており,ヘッドマークにも「いい電」の文字が入っている.

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阿武隈急行8100系と並ぶ1000系.飯坂線は福島駅と飯坂温泉駅を結んでおり,通勤通学だけでなく,古湯として知られる飯坂温泉への観光客輸送も担っている.

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車内には飯坂温泉の暖簾が見られる.車内にはLCDが設置されている.1000系は福島盆地を緩やかに登りながら,道路に沿って走行していく.終点付近では少し急な上り坂を越えて,飯坂温泉駅に到着

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到着するとすぐに折り返し準備を行い,2分後には発車してしまった.ダイヤにあまり余裕がないようだ.

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川沿いに位置する飯坂温泉駅.駅舎は2階建てで,1階にホームがあり,2階に道路が面している.

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温泉宿は川沿いに集積しており,路地に入ると少し寂しい温泉街である.観光客は意外と多く見られた.ここで福島名物・円盤餃子をいただくためにお店に向かったのだが,コロナの影響で臨時休業中だった.

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その代わりに向かったのが鯖湖湯.右手に神社,左手に貯湯槽とレトロな雰囲気満載である.

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日本最古の木造共同浴場であり,かつては「奥の細道」を著した松尾芭蕉も入ったのだとか.入口のレトロな雰囲気に気圧されて入るのを躊躇いそうである.入湯料金は200円とお手頃.番台に入湯料金を支払いいざ入浴.

中には地域の住民と見られるご年配の方が3人ほどいた.お湯はかなり熱く,1分入っているのがやっとだった.しかし,ご年配の方は3分近く入っているのだから驚きである.次の「いい電」の時間が迫っていたので15分ほどで出ることにした.次こそは円盤餃子を食べに飯坂温泉に訪れたい.

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発車時刻ギリギリで入線してきた1000系.背後に吾妻連峰が見える.

福島駅へ向かう道中,これからいく予定だった奥羽本線が融雪で空転のおそれがあるために運転を見合わせていることがわかった.新幹線への振替輸送を実施しているとのことだったのでとりあえず大丈夫だったのだが,週末パスで振替輸送が利用できるのかが気がかりであった.

そしてさらにもう1つビッグニュースが飛び込んでくる.JR東日本の新幹線検測車両East-iが福島駅にいるとの情報で,これから山形新幹線への検測に向かうとのことだった.たまたま行き先も同じだったため,このチャンスを逃すわけにはいかない.そこで当初の予定を変更してEast-iの撮影に出向くことにした.

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福島駅に到着.奥羽本線は運転を再開していたようでホッとした.奥羽本線の福島ー米沢間は県境越えの区間で本数も少なく,利用者もまばらなのだが,この日はEast-iを狙う撮り鉄で割と混雑していた.撮り鉄の多くは庭坂駅までに下車し,いよいよ山越えに入るのだが,ここで空転防止のため全乗客が電動車の前側車両に移動してきた.その影響で車内は余計に混雑していた.県境の峠駅ではいつものように売り子から「峠の力餅」を入手し,終点の米沢駅に到着した.

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山形県内に入ると雪が積もっていた.米沢駅から山形行きに乗り換え,山形鉄道フラワー長井線が分岐する赤湯駅で下車した.

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山形鉄道側の駅舎から下車し,撮影地へ向かう.撮影地までは徒歩15分ほど.峠駅で購入した「峠の力餅」を片手に,列車を待つことにした.

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まずはE3系を撮影.2026年までに新型のE8系に置き換えられる予定であり,着々と引退が迫っている.

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そしてお目当てのEast-iが通過.白い車体に赤い帯を配した「新幹線の救急車」が雪原を横切る.背後の山並みも綺麗に映る.

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East-iを撮影した後は,かみのやま温泉駅に向かい,E3系を撮影することにした.しかし,かみのやま温泉駅周辺にはいい撮影地がなく,駅から出てくる車両を踏切から狙うことにした.

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E3系同士の行き違い.今後は撮影者も増えてくるだろう.

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かみのやま温泉駅に停車するE3系を撮影.新しいカラーリングもだいぶ板についてきたように感じる.

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撮影したものの,後方が切れてしまった.

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続いてやってきたのはとれいゆつばさ編成.緑色を基調としたカラーリングが美しい.車内に足湯が設置されており,世界最速の足湯を体験できる.ぜひ一度は乗ってみたいものだ.

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先ほどの失敗を生かして,撮影は成功.日も傾いてきたのでここで撮影を終え,赤湯駅に戻ることにした.

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かみのやま温泉駅を出ると列車は峠を越えて,大きくカーブを描きながら置賜盆地へ下っていく.

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赤湯駅に到着.夕暮れが迫るなか,山形鉄道線に乗車する.

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やってきたのは第3セクターにありがちな単行軽快ディーゼル.途中の今泉駅まではJR線の短絡線として機能している.JR線であれば一度南下して米沢駅から米坂線に乗り換えて西へ進む必要があるのだが,フラワー長井線はそこをショートカットし直接今泉駅へ向かう.今泉駅からは進路を北に変えて進み,長井市,白鷹町を結んでいる.

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終点の荒砥駅に到着した頃には真っ暗だった.山形交通の路線バスで山形市内へ行くこともできるが,ここで折り返す.

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今泉駅に戻ってきた.ここで米坂線に乗り換える.

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やってきたのはキハ110系の快速べにばな.快速とは言うものの,米坂線内は各駅に停車する.夜なので米坂線の景色を楽しむこともなく,県境を超えて新潟県の坂町駅で下車.

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坂町駅からは村上駅へ向かう.2021年3月のダイヤ改正で「快速らくらくトレイン村上」と折り返しの新潟行き快速が廃止されるので,惜別乗車することにした.

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20:51発の快速らくらくトレイン村上は新潟からのライナー型通勤電車であり,車両は特急いなほでも使用されるE653系が使用される.乗車の際には乗車整理券を購入する必要があり,窓口で乗車整理券を購入した.

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真っ暗で何も見えないのだが青色のE653系が入線.車内はガラガラだったが,ところどころに同じく惜別乗車を目的とした乗り鉄の姿が見られた.

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チケットホルダーに乗車整理券を入れて,次の終点・村上駅までおよそ10分の旅を楽しんだ.

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終点・村上駅からは折り返し快速新潟行きとして運転される.快速列車なので青春18きっぷや週末パスでも利用でき,追加料金なしで特急型車両のリクライニングシートに座れる乗り得列車として知られていた.

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側面の幕を撮影.もちろん全て自由席である.

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車内はガラ空きである.夜の時間帯に7両編成の特急型列車を走らせるのは採算が合わないだろう.

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車内ではiPadで動画を見ながらゆったりと過ごした.終点の新潟駅からは越後線に乗り換えて,寺尾駅で下車する.新潟市西区にある寺尾駅には,徒歩5分ほどのところに快活CLUBがあり,快活CLUBをこよなく愛する限界旅行者にはよく知られている[要出典].駅の改札を出ると私の背後から男が近づいてくるのを感じた.道幅が広くなるとあっという間に私を追い抜き,快活CLUBへと走っていってしまった.後から快活CLUBに着くと,その男は颯爽とフラットシートから姿を現し,シャワールームへと消えていった.ああ,私と同じ限界旅行者だと確信した私は,満室だったシャワールームを諦め,一度「定位置」につくことにした.

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※「定位置」につくとは,快活CLUBで席を確保した後に,携帯,モバイルバッテリー,カメラの充電器をセットし,ドリンク類を準備して着席することを指す.滞在時間によって利用料金が決まる快活CLUBにおいては無駄な動きが一切できないため,素早く「定位置」につき,いち早く入眠する態勢を整えることが重要である.

「定位置」につき,シャワールームが空いたのでシャワーを浴びることにした.シャワーを浴びていると,ふと揺れを感じたような気がする.シャワールームという閉鎖空間にいたので体感ではそこまでの揺れは感じなかったのだが,シャワールームを出て携帯を確認してみると,新潟市では震度4の揺れを観測していたようだ.震源は福島県沖で,ちょうど私が今朝までいた郡山市では震度6弱の強い揺れを観測していたようだ

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ウェザーニュースより引用 https://weathernews.jp/s/topics/202102/130205/

もし1日遅かったら……考えただけでも恐ろしい.深夜だったので被害の全容は翌朝にならないと分からなかった.しかし,翌朝の行程に影響が出るのは必至である.翌朝無事に列車が走ってくれることを願って床についた.

4日目(信越編)につづく……

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