車輪が軋むように君が泣く/けやき坂46

ありんこの楽曲分析シリーズ


久しぶりの楽曲分析シリーズ第3弾はけやき坂46(現 日向坂46)のデビューアルバム「走り出す瞬間」から

『車輪が軋むように君が泣く』

の分析です。

これ当時からかなり考察が進んでてもうしゃぶりつくせないような楽曲ですが、
今更感満載の分析を、いや拡大解釈を、します。




まずタイトルの大きな疑問。



何の車輪?


これは曲のサビまでいくとわかりますが、
古い列車の車輪のことのようです。

古い列車の車輪って何?

これはすなわち比喩。
今までの価値観を持った頑固でふりぃ大人。
変わろうとせず現状維持の頑な大人。

それが軋む。

胸(心)が軋むなどという表現もしますよね。

車輪の軋みはもう今の世代には響いてないどころか騒音ですよということな訳です。




誰が泣くの?

A.君です。


実はタイトル自体の軋むように泣いているのは君であって、

今の自分が嫌いで泣いちゃっています。

今の自分だけでなく、将来の自分、

10年後の自分が今の古いガッタガタのレールの上をオンボロレールで走らないといけないことに

泣いているんです。

ただ、君はまだ学生。

ここから自分で新しいレールを敷くことが可能だから、
ずっと走れるから今の車輪を止めることなく走ってね。


そんな曲だと思います。


サビの切り離し

楽曲として、まさに列車のようにサビが単独で目立つように切り離されて作られています。

多分歌い出しはけやき坂史上一番低音からのスタート。

列車が走り出した初速のようにゆっくりと。
次第に歌詞が詰まり重なって、さも車輪が回転していくように作られています。

Bメロになるとそのスピード感は保ったままゆっくり言葉を置いていくような。遠景を映し出します。

サビで最も回転するように音程も上がります。
まるでトンネルから出たような。迫力もありますが、トップスピードは超えないようにできています。


まるで今を謳うような


奇しくもこのアルバムはけやき坂46名義で出した最初で最後のアルバムとなり、
新しいレールである日向坂46へ改名し、また走り出した。


アルバムのタイトルである走り出す瞬間は、
けやき坂がこのアルバムから今走り出したばかりで
この車輪が軋むように君が泣くが元になったように感じざるを得ない。

ただ実はこの曲は通常盤には収録されていない。

意図してなのか、既に新しいグループ名にする構想を練っていた所で
この曲ではなく『期待していない自分』がメイン楽曲として扱われ、
今のけやき坂に満足も期待もしてないよってことなのかなと思ってしまうような強い邪推をしかねない。


そしてType−Bにしか収録されてないアルバム曲なのがまた古い車輪感が拭えていない。


ビジネスとはいえ、アルバム商法としてこの曲を聴ける人をある程度制限してしまって、
この曲とは真逆を行ってしまった、
運営側への強烈なアンチテーゼともなっているのが真に皮肉である。





そして今年、日向坂46として出続けていた紅白歌合戦への出場がいよいよ叶わなかった。



自分としてはこの紅白歌合戦は今や古い列車な気もするのである。

この御時世で何を守って古いレールを走っているのかわかりませんが、

次の世代は新しいレールの上に乗ってどこまででも走れると思います。

ここでの 君が泣く の君が日向坂のことを指してないことを願うばかりですが

この傷みを過去にして、
やるべきことをやって、

また、

新しい日向坂46として走り出して欲しい。


信じるまま、思うままに回せ車輪。
負けるな日向坂46。





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