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パワーを繋ぐコアジョイント

先月から2ヶ月間にわたってジュニア選手強化の依頼を受けトレーニング指導に携わっています。普段のように競技場(競輪場)で行う指導に加え今回はZOOMを利用したリモートでの指導も取り入れてみました。コロナ禍と言うことで対面で話す時間を少なくすることと、グランドに入った時に時間を有効に使うため事前に出来る事はやってしまおう! という新しい試みです。

今回はそのリモート講習の中で今までやらなかったコアトレーニングにチャレンジしました。実際のトレーニングは各自で行って貰うのですが、コアトレーニングの必要性についての講義と、今回行って貰うプログラムのポイントについて1時間かけてお話しさせて頂きました。もちろん簡単な実技込みです。

皆さんの中でもコアトレーニングを取り入れている方は多いと思います。

自転車競技は下半身で取り組む競技です。足でペダルを踏み込んで進むのでそれについては誰も疑う余地はないと思います。しかし昭和も後半に入ってからでしょうか?上半身の筋肉も必要だと言われるようになりウェイトトレーニングに取り組む人も増えてきたと思います。そして平成に入ってサッカーなどのメジャースポーツで腹筋では無くコアトレという表現で今の様なトレーニングが取り入れられる様になりました。

私自身も高校生の時代からウェイトトレーニングを取り入れていたので上半身の重要性は少なからず認識していたのですが、正直に言うと実際にはどうやって使えば良いのか、どの筋肉が自転車には必要なのか、ハッキリしないことが多く”なんとなく”取り組んでいたように思います。

私がプロのコーチとして活動するようになった頃「キネティックチェーン」という言葉を耳にするようになりました。日本語に訳すと「運動連鎖」という意味になります。これは大きな出力を出す為に身体全体の運動(関節の動き)を繋げて行く事を指しています。良くたとえ話として使われるのが野球のピッチングです。「ボールは指先だけでも投げることが出来るけれど、遠くにあるいは速いボールを投げようとする時には身体全体を使って投げる必要がある」「その時力のスタートは踏み込む足から順々に大腿、腰、体幹部、と運動が連鎖して行って最後に指先からボールに伝えられる」というように。

これを知ったとき自転車におけるキネティックチェーンは「どこからどのように繋げて行けば良いのか?」と新しい研究がスタートした日々の事を今でも覚えています。

自転車はペダル以外に力を伝える事が出来るのはハンドルのグリップだけです。そのグリップを起点にしてペダルまでのキネティックチェーンを繋げて行きます。その時最も力の連鎖が途切れやすいのが体幹部のコアと呼ばれる部分です。下半身の大きな力の反作用がダイレクトに伝わってくるコアジョイント。ここを強くしなければせっかくトレーニングした下半身の力の多くは無駄になってしまいます。

冬、寒くて自転車に乗る時間が少なくなるこんな時こそしっかりコアジョイントの強化に取り組んで見てください。きっと今まで以上にギアを踏み込める自分に驚く時が来ると思います。


トレーニングに関する質問はこちら : Google foams

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