他人との境界線、距離感
少し年下の女の子、Aちゃんと食事に行った。
共通の知人が何人もいる子で付き合いは数年になるものの初めて2人でご飯を食べる。
お店に歩いて向かう途中、今日は何の話をしようかと考えていた。
そこそこ遅い21時スタート、終電もあってあまりダラダラ出来ないため長丁場になりそうな話は避けたい。
が、注文したドリンクが来て乾杯をした直後に私は地雷を踏んだ。すぐさま踏んだ。それはもうスピーディに。
「私、最近Mさんに会ってないんだけど最近どう?仲良かったよね?」
このMさん、共通の友人なのだけれど今は1番触れてはいけないワードだったらしく。そんな事は知る由もなく。いまジャストのタイミングで揉めてると踏んだ地雷が爆発した。
揉めてると言うより仲良かったけど仲良しが故に微妙なラインで衝突しお互い避け合ってると。
よくあるパターンだ。
大人になって友人ができる事は稀だと思っている。
私は知り合う人がたくさんいても人との関係性を事細かくカテゴライズするので「友人」という枠が非常に狭い。Aちゃんも厳密に言うと友人ではない。
今後どうすればいいかと聞かれたのでMさんの事は諦めて今後出会う人との距離感を考えるといいと思うと話した。すると彼女は真顔で私に言い放つ。
「あなたは人との距離感が抜群に上手いですよね。」
真顔で言う事かどうかはさておき良くも悪くも私は人にあまり近付かない。それなりに気に入った男の子がいればあからさまに落としにかかるけど、それ以外の人に時間を割く事はあまりしない。
このAちゃんは本当に誰とでも仲良くできる子だと思っていたから羨ましくもあったんだけど、今回の話を聞いてさらにそこからまた別の方とも一時期揉めてたという話もうっかり聞いてしまって。
私だけが何も知らなくて。
私の知らない所でいろいろ起きてたんだなと。
人との距離感はこういう事が起きて学んでいくのだけれどこの子はこの年齢になるまでそんな事は起きなかったのかなと1人考えていた。
そしてそれを知らなかったのはやっぱり私が誰とも深い関係ではないから入ってこなかったんだな。
仲良くない訳ではない、ただ境界線を明確に引いてこれ以上近寄る気はないよと提示する必要ある。
ちなみに話の中で特に印象的だったのは、Mさんに数年前に一度ハッキリと「こういう所良くないよ、治した方がいい」と性格面で言われた事があったらしい。Aちゃんは今までそんな事を他人に言われた事がなかったらしくショックだったと話した。それがスタートだったとも。
自分の欠点を指摘してくる人に対しての感情で人間性や今までの生い立ちが出るよなぁ。
っていうかMさんも距離感バグり過ぎだろ。
大人になったら表面での掛け合いが重要になる。深い付き合いは少数でいい、こんなもん分散出来る訳ないんだから。
こんな事があったんだよねと仲良くしてくれてる男の子に話すと距離感おかしいよねと賛同頂けた。
だからこそこの男の子は全力で落としにかかろうと誓い境界線を外していく作業に取り掛かる。