過去の清算
若かりし頃、モテていた自覚はある。
それなりのビジュアルと美意識の高い家族の元に生まれ化粧も早い段階で研究し自分が先天的に持っていたカードを磨き上げ最大限に有効活用できるタイプだった。
私の人生における最大のミスはこのカードが一生使えると思い込んでいた所だ。
本気でそう思っていた。
盛者必衰、若い頃はそんな事全く思いもしなかった。
国語と物理をちゃんと学んでないタイプだ。
そのためどんな事が起きるかというと30前後で若い子と張り合えると思い込む。
20歳前後の普通のビジュアルの子と私なら私の方がいいでしょと言わんばかりにいつまでも外見で戦おうとし中身を磨く事を怠った。
厳密に言うと中身とは性格ではなくいわゆる武器だ。
生活力や経済力、その他社会に出て武器になる物を何も携えていなかった。
その為、自分と世間の認識のズレに困惑するアラサーが生まれる。
唯一の救いはネットが普及したこの時代、SNSで自分が社会的にどんな立ち位置なのかを知れた事だった。
だから謙虚に生きる(謙虚でなくてはならない立場)事に簡単にシフトチェンジする事ができた。
今さら遅いとは思わないけれど、もっと早く知れてたらと思わずにはいられない。
そうすればさらにモテる人生を歩めてただろうなと。
いろんな方がいろんな思想をお持ちでいろんな表現方法でその意思を世間に知らしめていこうとする中でこの事実を突きつけられ素直に受け入れるか、もしくは私は違う私は特別だと跳ね除けるのかはまた人格が関わってくる。
私は素直に受け入れた、いや受け入れないと更に先はないと感じた。
最近はそのステージから下りたいとさえ考えるようになった。
市場価値とは別の話だが、私自身が今から人と新たに出会い新たな関係性を構築しの一連の流れに面倒さを感じているのもまた事実。
それでもきっと死ぬまで人に恋をし人を振り回し振り回されて生きていくんだろうなと自己分析をしてしまう。
この矛盾を抱えながら過去の清算に悪戦苦闘し今日もまた発散の場所を求めながら生きていく