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霧島地域における登山道の修繕検討&意見交換会

鹿児島在住のTrail Storyレポーター・はらぐちしのぶさんのレポートです。

写真・文=はらぐちしのぶ

霧島山岳会のメンバーとして、12月4日(月)〜5日(火)に、霧島の登山道整備に参加してきました。

よかれと思ってする登山道整備。ところが、環境を無視し人間本位な施行をすれば、さらなる環境破壊に繋がるかもしれません。
その土地の自然や文化を理解し、環境を壊さないようにしつつ、人も使える登山道整備の知識と経験を確実に培っていく必要があります。
近自然工法の理念のもと、体系化された組織づくりが、環境省を中心に九州内でも広がりつつあります。

今回は、5年前から活動をスタートされている熊本の方々が講師に招かれ、環境省、国立公園管理事務所、地域の県や市町村、関係各団体などが参加して行われました。

土壌が流れ、木の根がむき出しになってしまった登山道はぬかるみや段差により歩きにくく、右側で複線化が生じています

1日目に理念についての講義を受講し、2日目以降は実際に登山道整備を行います。
整備日は朝から雨模様。ちょうどよいことに、水の動き、土壌の流れや人の踏み跡などもじっくりと観察できました。
観察後は、植生を守りながら整備するための工法を教わり作業を進めていきます。

現場の状況を観察し、範囲や状況から整備方法と資材を決めていきます

使う資材は現場の倒木や落ちている枝葉、近くの川の石や砂利などです。
大量の重い資材を使う作業は、土木や建築現場さながら。
頭も身体もフル稼働ですが、無我夢中で時間はあっという間に過ぎていました。活動後は整備された登山道を見て、メンバー一同、感無量でした。

植生を守りながら施工していきます材料は現場の倒木や落ちた枝葉、近くの川の砂利や石

この取り組みは、近自然工法の理念を理解し、自然を観察し底辺の生物も生きられる環境を考察して作業することを知るためのものです。その土地ごとに環境は異なり、正解は一つではありません。
作業後の定期的なモニタリングやメンテナンスも必要です。これまでの概念を覆される内容にドキドキしながらも、この集まりに加えてもらい、新たなやりがいと責任を感じた2日間でした。

資材を決まった順に組み渡し、重ね置き、踏み固めて馴染ませます
ぬかるみには石と砂利の重ね敷き
整備後の登山道
今後も定期的にモニタリングを行います


今回の登山道整備にがは、トレイルランナーとして受け入れてもらえたことが、なによりうれしく、非常にありがたかったです。
これからも山を愛する方々と繋がり、山の未来についてたくさん語りあって動いていきたいと思っています。

※登山道整備は登山道管理者の許可を得て行っています。

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