空気階段の「定時制」のネタを見て思った、素人がネタを見るときの問題点
キングオブコント2020のファイナリスト、空気階段の「定時制」というコントがあります。
ごく一部に「障害者差別ではないか」という批判が出たらしいコントですが、私の個人的意見としては問題はないと思います。
今回は「定時制」のネタを褒めるとか貶す(けなす)とかの話ではなく、素人がネタを見るときにネックになる、
自分の私生活が重なってネタが入ってこない
という問題の話をしたいと思っています。
プロの芸人さんがネタを見るとき、私生活やパーソナルな経験が重なるからといって、評価ができなくなるということはないと思います。
どんなに自分に重なることがネタ中に描かれていても、切り離して見れると思うのです。
しかし、素人の視聴者はそれができる人が少ないと思うのです。
現に私は空気階段の「定時制」のネタは「定時制高校ではあんなことはない」という思いに支配され、ネタを面白く見ることができませんでした。
私は夜間の定時制高校出身です。
私が「あんなことはない」と思ったのは、ただひとつ、
定時制高校では授業中に生徒間で紙のメモをやり取りしない
ということです。
定時制高校では生徒同士で話したいことがあれば、授業中であろうと本人に直接言ったり、話しかけて授業を抜け出します。
授業中であろうと、やりたいことがあったら、こそこそせず、堂々と話しかけています。
このネタを見て、
「このネタを書いた人は定時制に行ったことがないな」
と、一発でわかりました。
先生はもちろん注意しますが、定時制高校の生徒は言うことを聞くことはあまりありません。
だから、授業中でも気にしないのです。
反対に真面目な生徒は授業中に話したいことがあっても授業中に話すことはありません。
真面目に授業を聞いています。
それに全日制の間借りのように教室を使っている定時制高校の場合は、全日制の生徒が使っている机や椅子を使っているので、生徒数が少ない定時制は生徒と生徒の間があいています。
日によってはスカスカの日もあるのです。
メモのやり取りはしません。
席替えもありません。
友達と固まって座っています。
そういう違和感を感じるとネタに集中ができません。
それが素人の悪いところです。
ちなみにこのコントは定時制出身以外の人は面白いと評価しているネタです。
なので、面白いネタだと思います。
他の人の話ですが、恋愛ネタのコントでも自分に重なる設定だったりすると、それだけで見ることができない、という人もいます。
素人はそういうことも気になって、お笑いを楽しめないことがあったりします。
なので、素人の人がお笑いをフラットに評価できない、そういう人が一定数いるのは、こういうところにも原因があったりするのだと思います。
プロの方々、こういうこともあるので、そのへんは気にしないでネタを作ってください。