TradingViewで移動平均線をわずか3行で作成する!Pine講座①
Pineを使って、TradingViewのインジケーターを
作成する方法をプログラミング未経験の方にも
分かるように、丁寧に解説していきます。
TradingViewのインジケーターを作成する手順
TradingViewのインジケーターは、
Pineというプログラミング言語を使って作成します。
Pineはとても簡単に様々なテクニカル指標を組み合わせて
あなただけのオリジナルのインジケーターを
とても簡単に作ることができます。
まず、インジケーターの作成を始めるには、
TradingViewのチャート画面の下側にある、
「Pineエディタ」というボタンをクリックしましょう。
Pineのプログラムは、
すべて、「Pineエディタ」のところに入力します。
この上の画像の赤色の四角で囲んだところが
「Pineエディタ」を表示したときの最初の状態です。
(※Pineのバージョン5の場合)
この画面を表示できたら、準備完了です。
早速、TradingViewのインジケーターを作成してみましょう。
初期設定の状態で完成しているインジケーターを表示しよう
実は、Pineエディタを表示した時点の
初期設定の状態で既に、1つのインジケーターが完成しています。
まずはそのインジケーターをチャートに表示してみましょう。
インジケーターをチャートに表示する手順は次の2つです。
①Pineのプログラムを保存する。
②「チャートに追加」をクリックする。
そうすると、チャートに
このようなインジケーターが表示されます。
これは、「ローソク足の終値を折れ線グラフで表示」する
インジケーターになります。
Pineエディタの起動時に最初から完成しているインジケーターのプログラムの説明
Pineエディタを起動した時に
最初からこのようなプログラムが入力されています。
// This source code is subject to the terms of the Mozilla Public License 2.0 at https://mozilla.org/MPL/2.0/
// © strain
//@version=5
indicator("マイスクリプト")
plot(close)
このプログラムの1行目と2行目は重要ではありません。
1行目は、ライセンスに関する説明で、
2行目は、プログラムを作成した人のTradingViewのユーザー名です。
重要なのは、3行目以下の部分です。
//@version=5
3行目の" //@version=5 "は、
バージョン5のPineを使ってインジケーターを
作成していることを意味しています。
3行目の" //@version=5" を
" //@version=4" に変更すれば、
バージョン4のPineを使ってインジケーターを作成できます。
注)もし、バージョン4までのPineを使って
インジケーターを作成する場合は、
4行目の「indicator("マイスクリプト")」を
「study("マイスクリプト")」に変更してください。
indicator("マイスクリプト")
4行目の「 indicator("マイスクリプト") 」は、
これからTradingViewのインジケーターを
作成することを明記する部分です。
indicator("A") のAは、
インジケーターのタイトルです。自由に入力できます。
plot(close)
5行目は、具体的にインジケーターの内容を
指定している部分になります。
plot( A )は、Aの内容をチャートに表示するという意味です。
今回は、Aに「close」を使用しています。
closeは、ローソク足の終値を意味するので、
この5行目だけで、ローソク足の終値の折れ線グラフを
チャートに表示するインジケーターを作成しなさい。
という命令文を入力していることになります。
移動平均線のインジケーターを作成する手順
TradingViewで移動平均線のインジケーターを
作成するプログラムは次の通りです。
(※Pineのバージョン5の場合)
// This source code is subject to the terms of the Mozilla Public License 2.0 at https://mozilla.org/MPL/2.0/
// © strain
//@version=5
indicator('Moving Average', overlay=true, shorttitle='MA')
ma1 = ta.sma(close, 20)
plot(ma1)
移動平均線のインジケーターを
TradingViewで作成するには、
4行目~6行目までの3行を入力すればOKです。
(それ以外のところは、最初から入力されています。)
この3行を入力すると、
下のようなインジケーターがチャートに表示されます。
青色の移動平均線が描かれていますね。
詳しく説明していきます。
indicator('Moving Average', overlay=true, shorttitle='MA')
4行目の「Moving Average」は、インジケーターの名前で、
「shorttitle='MA'」は、短いショートタイトルを「MA」に指定しています。
また、4行目の「overlay=true」は、
インジケーターをローソク足と同じ画面に
重ねて表示することを指定する命令文になります。
「overlay=true」を入力しない場合は、
移動平均線もオシレーター系インジケーターと同じように
チャートの下側にに表示されます。
ma1 = ta.sma(close, 20)
5行目では、実際に移動平均線を計算しています。
A = ta.sma( B , C )
→ Bのデータを使って、ローソク足C本分の期間の
単純移動平均線を計算して、Aという名前を付ける
という命令文です。
今回は、終値のデータを使って、ローソク足20本分の
単純移動平均線を作成して、その名前を「ma1」としています。
plot(ma1)
最後の6行目は、5行目で作成した、
移動平均線をチャートに表示するという命令文です。
plotという命令文で、
ma1という名前のデータをチャートに表示します。
最後の行の6行目にある、「ma1」は、
5行目で決めた、移動平均線の名前を入力しています。
ここまで入力したら、
保存して、チャートに追加をクリックすると、
TradingViewのチャートに移動平均線が表示できますよ。
Pineバージョン4とバージョン5の違い
最後にPineバージョン4とPineバージョン5で
同じインジケーターを作成した場合の違いを見てみましょう。
このページの上側で作成した移動平均線の
インジケーターをPineバージョン4で
作成すると、プログラムはこのようになります。
// This source code is subject to the terms of the Mozilla Public License 2.0 at https://mozilla.org/MPL/2.0/
// © strain
//@version=4
study("Moving Average",overlay=true,shorttitle="MA")
ma1 = sma(close,20)
plot(ma1)
主な違いとしては、バージョン4の方が
短い命令文で同じ処理ができることです。
例えば、単純移動平均線を表示する命令文で比較してみましょう。
バージョン4:sma(close,20)
バージョン5:ta.sma(close, 20)
バージョン4の方が同じ処理をする場合でも、
少し短い命令文出かけるので、楽ですね。
しかし、バージョン5では、
チャートに自動で線を表示するなどの
バージョン4ではなかった機能も利用できます。