改良版RSIの「Laguerre RSI」を使って相場を分析する手法を丁寧に解説
相場の「上昇の勢い」と「下降の勢い」を
RSIの考え方に基づいて計算し、
トレンドの勢いなどの相場状況を分析できる、
TradingViewのインジケーターの使い方を解説します。
「ラゲールRSI」のインジケーターの基本的な特徴
今回解説する、TradingViewのインジケーターは、
Laguerre RSI(ラゲールRSI)という
オシレーター系のインジケーターです。
ラゲールRSIは、順張り向けのインジケーターになります。
トレンドの継続性を判断することに有効で、
「買われ過ぎ」や「売られ過ぎ」以外の分析もできます。
このチャートの下側のオシレーター系インジケーターが
ラゲールRSIになります。
通常のRSIは最も直近の1パターンにおける、
・価格が上昇した時の日数と上げ幅
・価格が減少した時の日数と下げ幅
この2つの影響の大きさを比較して
「買われ過ぎ」や「売られ過ぎ」の分析を行います。
その一方で、Laguerre RSI(ラゲールRSI)では、
・価格が上昇した時の日数と上げ幅
・価格が減少した時の日数と下げ幅
を4パターン計算して、分析をすることが特徴です。
MACDのようにこれら4つのデータの差を考えることで、
より「素早く」・「高精度」で判断することができます。
ラゲールRSIのインジケーターを描くための4つの線
このグラフがラゲールRSIで
上昇及び下降の勢いを計算する
4パターンの計算式をグラフにしたものです。
・緑の棒グラフ → ローソク足の終値
・L0~L3の4つの線
→実際に上昇と下降の勢いを計算する
4つの計算式のグラフを描いたもの
を表しています。
このグラフの特徴は次の通りです。
L0の線は、ローソク足の価格の動きとほとんど一致しています。
また、L1~L3の3つの線はそれぞれ少しずつ
右にずれて(遅れて)反映される形になっています。
このようにローソク足の価格の変化とほぼ同じ動きをする線から
少し遅れて変化する線をすべて総合的に考慮することで、
より素早く・正確な分析ができるんです。
上昇の勢いと下降の勢いがローソク足の変化に応じてどのように変わるのか?
ラゲールRSIでは上昇の勢いと下降の勢いがそれぞれ、
実際どのように考えられているのかを示したグラフです。
L0~L3の4つの線の差をMACDのように計算することで、
実際の価格の変化に遅れずに、ほぼリアルタイムで
上昇の勢いと下降の勢いの変化を確認できます。
移動平均線などのほかのインジケーターの多くは、
価格の変化に少し遅れて、反応を始めるのに対して、
ラゲールRSIは、価格の動きが変化した瞬間とほぼ同じタイミングに
遅れずに、上昇と下降の勢いの変化が始まることが分かります。
ラゲールRSIの具体的な分析方法の説明
ラゲールRSIを使って分析するときのポイントは、
線が上側・中央・下側のどこにあるかを意識しましょう。
(※上側:80%より上側、下側:20%より下側)
ラゲールRSIの線の状況に応じて、
・上側を維持して横ばい:上昇トレンド
・下側を維持して横ばい:下降トレンド
・中央付近に留まる:レンジ相場
と判断します。
通常のRSIは、「買われ過ぎ」や「売られ過ぎ」
の判断材料として使い、逆張りの指標と言われます。
その一方で、
ラゲールRSIは、「トレンドの安定性」の
判断材料として使用できるので、
順張り向けのインジケーターとなります。
ラゲールRSIを使った分析の基本は次の通りです。
・80%より下側から上側に越えた瞬間に、新規買いエントリー
・80%より上側を維持しているときは、買いポジションを維持
・80%より上側から下側に下がった瞬間に、買いポジション決済
・20%より上側から下側に越えた瞬間に、新規売りエントリー
・20%より下側を維持しているときは、売りポジション維持
・20%より下側から上側に上がった瞬間に、売りポジション決済
移動平均線などのトレンド系インジケーターと一緒に使うことで
より詳しいチャート分析ができます。